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【市況】ダウ平均は反発 予想上回る指標もFRBの見方に変化なし アームは好スタート=米国株概況

NY株式14日(NY時間16:20)
ダウ平均   34907.11(+331.58 +0.96%)
S&P500    4505.10(+37.66 +0.84%)
ナスダック   13926.05(+112.47 +0.81%)
CME日経平均先物 33235(大証終比:+255 +0.77%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。取引開始前に発表米生産者物価指数(PPI)と小売売上高がともに予想以上に強い内容だったことで、米株式市場もネガティブな反応が見られたものの、一時的な動きに留まった。取引開始直後からは買いが先行し、ダウ平均は一時400ドル超上げ幅を拡大した。

 前日の米消費者物価指数(CPI)、そして、本日のPPIを始めとした米経済指標は、いずれもインフレの粘着性を示した格好だが、FRBに対する市場の見方に大きな変化はない。来週のFOMCは据え置きが確実視され、年内の追加利上げへの期待は五分五分といった状況。

 いずれの指標もエネルギー価格の上昇が大きな要因となっていたが、その他のカテゴリーはインフレの鈍化を示す内容も見られ、市場は追加利上げへの期待を大きく高めてはない。市場は、FRBが景気後退を引き起こすことなくインフレを管理できると自信を深めており、米株式市場は今週の緩やかな上昇をさらに伸ばしている。

 しかし、仮にFRBが今回に金利を据え置いたとしても、市場は今後数カ月間不安定な動きを続ける可能性があるとの指摘も出ている。「今年に入って株価を上昇させたリスク選好の資産は、利回り上昇を前に割高に見え始めているため、年末まで高いボラティリティが続くと思われる」との声も聞かれる。

 本日はソフトバンクG傘下の英アームADR<ARM>がナスダック市場に上場。IPO価格51ドルに対して初値は56.10ドルとIPO価格を10%上回って取引を開始した。その後も買いが膨らみ、一時66.28ドルまで上昇し、好調なスタートを切った。

 ダウ採用銘柄のビザ<V>が下落。同社株を米大手銀に売却させる第1歩を踏み出した。同社は2008年のIPO前に実施された株式構造を修正するため、株主との協議を開始する。

 エネルギー探査のバイタル・エナジー<VTLE>が下落。パーミアン盆地の資産に関して3つの契約を締結したと発表。約860万株の株式、450万株の転換優先株、約2億8500万ドルの有担保優先株式、2億8500万ドルの有担保優先融資枠の借入金、約1億ドルの購入価格調整により資金を調達する。

 半導体のセムテック<SMTC>が決算を受け上昇。アナリストからポジティブな見解が出ていた。

 カーニバル<CCL>、ノルウェージャン・クルーズ<NCLH>のクルーズ株2銘柄が上昇。アナリストが両銘柄の投資判断を「買い」に引き上げた。

 eコマースのエッツィ<ETSY>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を100ドルに設定した。

 医薬品のアルナイラム・ファーマ<ALNY>が下落。同社の「オンパトロ」にFDAの諮問委員会の賛成が出たが、専門家たちは、この治験が実際に患者にとって臨床的に意味のある薬であることを示したとは確信していないことが明らかとなった。

アーム<ARM> 63.59(+12.59 +24.69%)
ビザ<V> 241.50(-6.33 -2.55%)
バイタル・エナジー<VTLE> 54.52(-4.43 -7.51%)
セムテック<SMTC> 25.18(+2.31 +10.10%)
カーニバル<CCL> 15.63(+0.61 +4.06%)
ノルウェージャン<NCLH> 17.28(+0.93 +5.69%)
エッツィ<ETSY> 66.68(+2.12 +3.28%)
アルナイラム<ALNY> 193.06(-18.59 -8.78%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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