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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):フリービット、アイル、JMDC

フリービット <日足> 「株探」多機能チャートより
■フリービット <3843>  1,431円  +300 円 (+26.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 フリービット<3843>が急騰。ネット接続サービス事業を展開、NTTドコモと提携し業容拡大に向けた取り組みを進めている。足もとの業績は好調に推移しており、前週末8日取引終了後に発表した23年5~7月期決算は営業利益が前年同期比93%増の16億6400万円と急拡大しており、これを材料視する形で投資資金が流入した。今期予想PERは9倍前後と株価指標面からも割安感があり、水準訂正を期待した買いを呼び込んだ。

■アイル <3854>  3,300円  +502 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率2位
 アイル<3854>がストップ高。前週末8日の取引終了後、23年7月期の連結決算発表にあわせ、24年7月期の業績予想を開示した。今期の経常利益の見通しは前期比12.8%増の40億2600万円と、前期に続き過去最高益を更新する計画。また、前期の年間配当を従来の予想から6円増額したうえで、今期の年間配当は前期比3円増配の34円とした。これらを好感した買いが集まったようだ。今期の売上高は同6.1%増の169億円を計画する。主力パッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の業種別機能強化をはじめ、ウェブ商材の製品力強化などを進め、収益拡大を図る。また同社は、26年7月期までの中期経営計画を策定。経営目標として、26年7月期に売上高204億円、経常利益54億2600万円に伸ばす方針を掲げた。更に、業態を超えてバックヤード業務の一元管理を実現するクラウドサービス「BACKYARD」の提供を今年11月から開始するとも発表している。

■JMDC <4483>  5,275円  +617 円 (+13.3%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 JMDC<4483>が急騰。オムロン<6645>が前週末8日の取引終了後、持ち分法適用会社であるJMDCの連結子会社化を目的に、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付け価格は1株5700円。オムロンによるTOB価格を意識した買いが集まったようだ。TOBの後もJMDCの上場は維持される予定。同社の医療領域でのビッグデータとともに、オムロンは自社のヘルスケア部門でのアセットを活用し、中期的な企業価値の向上につなげる。買付予定数は1500万株を上限に設定し、下限は1203万6700株とする。買付期間は9月11日から10月10日まで。JMDCはTOBに賛同の意見を表明した。

■ハイレックス <7279>  1,525円  +174 円 (+12.9%)  本日終値
 ハイレックスコーポレーション<7279>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は8日取引終了後、23年10月期第3四半期累計(22年11月~23年7月)の連結決算を発表。営業損益が14億6800万円の黒字(前年同期は32億8200万円の赤字)に浮上したことが好感されたようだ。売上高は前年同期比20.0%増の2197億700万円で着地。半導体の供給不足などの緩和に伴う自動車メーカーの生産増加が追い風となったほか、利益面では原価低減や生産性向上、経費削減などの合理化が寄与した。なお、通期業績予想については売上高2851億円(前期比11.5%増)、営業損益は31億円の黒字(前期は48億5600万円の赤字)とする従来見通しを据え置いている。

■くら寿司 <2695>  3,425円  +210 円 (+6.5%)  本日終値
 くら寿司<2695>が3日ぶりに急反発した。前週末8日の取引終了後に発表した23年10月期第3四半期累計(22年11月~23年7月)の連結決算は、営業損益が3億7600万円の赤字(前年同期は3億8200万円の赤字)となった。一方、直近3カ月間の5~7月期では営業黒字を確保しており、業績のモメンタム回復を期待した買いが集まったようだ。第3四半期累計の売上高は前年同期比15.1%増の1550億6700万円だった。5~7月期では17%の増収となっている。コロナ禍の収束を背景とする人流回復に加え、適正価格で商品提供に努めたことも収益改善に寄与した。

■ノーリツ鋼機 <7744>  3,345円  +155 円 (+4.9%)  本日終値
 ノーリツ鋼機<7744>が3日ぶりに急反発し、2004年5月以来の高値水準をつけた。前週末8日の取引終了後、オムロン<6645>によるJMDC<4483>へのTOB(株式公開買い付け)に応募する契約を締結したと発表した。資本効率の向上や投資資金の確保につながると受け止めた投資家の買いを集める要因となったようだ。TOB応募に伴って、ノーリツ鋼機は23年12月期の単体決算において投資有価証券売却益を計上する。一方、連結決算は国際会計基準(IFRS)を適用している。JMDCの株式は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に分類しており、連結決算では同売却益の計上はなく、当期利益の影響は軽微としている。

■セルソース <4880>  2,468円  +106 円 (+4.5%)  本日終値
 セルソース<4880>が3日ぶりに急反発した。前週末8日の取引終了後、動物再生医療技術研究組合に加盟し、イヌ血小板由来成長因子療法の臨床研究を開始すると発表。事業へのポジティブな効果を期待した買いが入ったようだ。イヌの変形性関節症や外傷性角膜潰瘍、乾性角結膜炎などを対象に、同療法の臨床研究を進める。イヌ血小板由来成長因子は、ドナーとなるイヌの血液から作製された多血小板血漿(PRP)に対し無細胞化とフリーズドライ処理を施したもので、投与により組織の修復や痛みの軽減などの効果が期待できるという。

■三菱UFJ <8306>  1,264円  +52 円 (+4.3%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が3日ぶり急反発、前週6日の高値を上抜き新値街道に復帰した。時価は2007年7月以来約16年ぶりの高値水準にある。国内でも物価上昇が顕著となるなか、日銀の超金融緩和策の変更に対する思惑が拭えない状況となってきた。そうしたなか、植田和男日銀総裁のインタビュー記事を前週9日に読売新聞が報じ、イールドカーブ・コントロール(YCC)撤廃やマイナス金利の解除などに対する思惑が広がり、同社株を筆頭とする銀行株全般に買いを誘導している。市場では「超緩和策路線の変更が近いことはマーケットでも既に織り込んでいるが、植田総裁自らの発言として、物価上昇の十分なデータ、つまり緩和策終了の根拠が年末までに揃う可能性があるとの認識を示したことが、新たなインパクトを生んでいるようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■第一生命HD <8750>  3,010円  +116.5 円 (+4.0%)  本日終値
 第一生命ホールディングス<8750>やT&Dホールディングス<8795>、かんぽ生命保険<7181>など保険株が高い。この日、債券市場で新発10年債利回り(長期金利)が0.700%に上昇した。2014年1月以来の高水準という。読売新聞電子版が9日に報じた植田和男・日銀総裁へのインタビューを受け、金融政策の修正観測が強まった。国内金利の先高観が広がるなか、保険株に対しては運用環境が更に改善に向かうと期待した買いが入ったようだ。東証の業種別指数で保険業は上昇率上位に入っている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,611円  +246 円 (+3.9%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が売り買い交錯のなかも前週末終値近辺で頑強な値動きを示している。同社傘下の英半導体設計大手アームは今週14日にナスダック市場へ新規上場する見通しにあるが、英フィナンシャル・タイムズによると募集の5倍あまりの申し込みがあると報じており、人気の高さが浮き彫りとなっている。アームは投資家に向けた説明会でクラウドコンピューティングや車載市場の成長を背景に25年3月期は20%台の増収になるとの見通しを示したことが伝わっており、マーケットの注目度が一段と高まった。これが改めてソフトバンクGの株価を刺激する格好となっている。

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