【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):トーホー、インテージH、丹青社
トーホー <日足> 「株探」多機能チャートより
トーホー<8142>に物色人気集中。6日の取引終了後に24年1月期連結業績予想の上方修正を発表。売上高を2230億円から2390億円(前期比10%増)へ、営業利益を45億円から65億円(同78%増)へ引き上げており、これを好感した買いが入った。業務用食品卸売事業を中心に業況の改善が想定を上回り、前回6月の上方修正から更に上振れする見込みとなった。現在進めている食品スーパー事業の譲渡について、今回の業績修正では期末時点でも同事業を継続している前提で見通しを立てた。あわせて、年間配当予想を60円から70円(前期35円)に増額した。
■インテージH <4326> 2,298円 +400 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率2位
インテージホールディングス<4326>が急騰。日本電信電話<9432>傘下のNTTドコモが6日の取引終了後、インテージHに対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。NTTドコモは連結子会社化を目的とする。NTTドコモが持つ顧客基盤とインテージHのデータ収集・分析などの知見やノウハウを活用し、企業のマーケティング課題の解決につなげる。インテージHに対しては、事業へのポジティブな影響を期待した買いが集まったようだ。TOB価格は1株2400円。買付予定数の下限は1538万9700株で、上限は1962万1900株に設定した。TOB成立後もインテージHの上場は維持される。買付期間は9月7日から10月16日まで。インテージHはTOBに賛同の意見を表明した。
■丹青社 <9743> 848円 +67 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
丹青社<9743>は急伸、年初来高値を更新した。6日の取引終了後に2~7月期(上期)連結業績予想の上方修正を発表しており、これを好感した買いが集まった。売上高を370億円から388億円(前年同期比22.8%増)、営業利益を10億円から13億円(同2.0倍)へそれぞれ引き上げた。新型コロナウイルスの影響による経済活動の制限が緩和されたことにより、商業その他施設事業で需要が回復。売上高の増加に伴い、利益も伸びる見通しだ。なお、通期予想は据え置いた。
■タダノ <6395> 1,312.5円 +78 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
タダノ<6395>は大幅高で9連騰。同社は建設用クレーンで世界首位級を誇る建機メーカー。国内での大型公共工事を中心とした堅調な需要に支えられ、1~6月期決算は売上高が1332億6700万円(前期変則決算、前年同時期との比較では19%増)、営業利益が87億9700万円(同2.3倍)。決算とあわせて23年12月期の上方修正も発表した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付で同社の格付けを引き上げており、きょうはこれを手掛かりに上げ足を強めている。
■コメ兵ホールディングス <2780> 5,810円 +280 円 (+5.1%) 本日終値
コメ兵ホールディングス<2780>が高い。楽天グループ<4755>はきょう、自社が運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」で、コメ兵HD傘下のコメ兵と商品を購入したユーザーが必要に応じて商品の検品を依頼することができる「ラクマ鑑定サービス」を共同で試験提供することで合意したと発表。ラクマ鑑定サービスは、コメ兵が自社の基準に沿ってブランド品を検品するサービス「KOMEHYOカンテイ」と連携し、「楽天ラクマ」のユーザー向けに提供するもの。9月下旬からサービスの案内を開始する予定だとしている。
■オンワード <8016> 553円 +25 円 (+4.7%) 本日終値
オンワードホールディングス<8016>は買いに厚みが加わってきた。530円台近辺で売り物をこなし上値を慕う展開となっている。株価は8月23日に急反発して水準を切り上げた後、強含み横ばいの推移だったが、このもみ合いを上放れることができるかが注目される。リオープン(経済再開)を追い風に売り上げ増勢が続いており、6日取引終了後に発表された8月の既存店売上高は前年同月比13.0%増と増収基調を継続、これを受けて買い安心感が広がった。24年2月期業績は期初予想を上方修正し、営業利益段階で前期比9割増の100億円を予想。株価に値ごろ感があるほか、PBR1倍復帰にあと一歩に迫っていることで、ここからの攻防に関心が集まりそうだ。
■スカパーJ <9412> 712円 +27 円 (+3.9%) 本日終値
スカパーJSATホールディングス<9412>は上げ足強め新値追い。6日の取引終了後、上限1000万株(自己株式を除く発行済み株数の3.4%)または50億円とする自社株買いの実施を発表しており、これが好感された。期間は9月7日から来年4月30日まで。このうち、150万株(自己株式を除く発行済み株数の0.5%)を上限に7日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると同日あわせて発表した。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、スカパーJは7日に予定通り150万株を買い付けた。
■日本製紙 <3863> 1,330円 +50 円 (+3.9%) 本日終値
日本製紙<3863>や大王製紙<3880>など製紙株や、熊谷組<1861>、鉄建建設<1815>など建設株の一角が堅調。いずれも低PBR(株価純資産倍率)セクターとみられているが、7日に東証に6本のアクティブ運用型ETFが新規上場した。このうちPBR1倍割れ解消推進ETF<2080>とMAXIS高配当日本株アクティブ上場投信<2085>に関しては、出来高が市場の想定以上に多くなっているとの見方が広がっている。PBRの1倍割れ企業の是正を促すETFに組み入れられそうな銘柄を模索する投資家の姿勢が強まったことも、パルプ・紙や建設セクターの上昇に寄与したようだ。このほか、低PBR銘柄の多い自動車部品株では愛三工業<7283>やTBK<7277>、ヨロズ<7294>なども堅調に推移している。
■佐藤商事 <8065> 1,543円 +42 円 (+2.8%) 本日終値
佐藤商事<8065>が後場に上げ幅を拡大。年初来高値を更新した。7日、投資有価証券の売却益の計上と業績予想の修正を発表した。非上場の有価証券1銘柄に関する売却益8億6100万円を計上する。これに伴い、24年3月期の連結純利益予想をこれまでの45億円から50億9700万円(前期比17.7%減)に引き上げており、好感されたようだ。売却で得た資金に関しては、連結子会社の冨士自動車興業の主力ユーザー向け自動車部品製造工場の建設費に充当する予定としている。
■ステムリム <4599> 839円 +16 円 (+1.9%) 本日終値
ステムリム<4599>が反発。6日の取引終了後、再生誘導医薬開発候補品「レダセムチド」による心筋症に対する新規治療の用途特許に関し、米国で特許が登録されることとなったと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。拡張型心筋症、虚血性心筋症及び高血圧性心筋症を適応症とする。
株探ニュース