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【市況】米大手証券エコノミスト、米景気後退の確率を僅か15%に引き下げ 9月利上げ見送りの可能性も

 米大手証券エコノミストは米景気後退の確率を従来の20%から僅か15%に引き下げたうえで、9月FOMCも利上げを見送り、完全に終了する可能性があると述べた。

 インフレと労働市場の好材料が続いていることから、向こう12カ月の米景気後退の可能性を従来の15%に引き下げることにしたという。ジャクソンホールでのパウエル議長の「慎重な行動」の表明は、9月利上げを見送ることを示唆するものだと指摘。11月の利上げもハードルが高くなったという。バランス的にFRBの利上げ終了の確信がこの1カ月で強まったとも付け加えた。

 先週の金曜日に発表された8月の米雇用統計は、基本的にはまだ経済が成長していることを示していたが、FRBがブレーキを踏まなければならないようなペースではなかったという。非農業部門雇用者数(NFP)は18万7000人の微増で、平均時給は前年比4.3%のペースで上昇していた。しかし、失業率は3.8%に悪化した。

 ウォール街のコンセンサスは依然として米景気後退の確率を60%としているが、自身は他よりも遥かに強気の領域にいるという。学生ローンの返済再開や、最近の住宅ローン金利上昇による住宅への当面の打撃など、第4四半期の景気減速を予想する基本的な理由はいくつかある。しかし、減速は浅く、短命に終わると予想している。

 同エコノミストは、楽観的な見方を維持する主な理由として、好調な労働市場と、可処分所得の増加につながる賃金の上昇を挙げた。また、ある種の歪みを取り除くと、基調インフレはすでに2%目標に近づいている可能性があるとも指摘している。

 ただ、FRBがすぐに利下げに踏み切るとは考えていないとも付け加えている。来年の第2四半期から非常に緩やかな利下げを始める可能性を見ているという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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