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【市況】明日の株式相場に向けて=中小型株は息を吹き返すか

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 21日の株式市場は、中国に左右される格好となった。日経平均株価は朝方上昇して始まったが、中国人民銀行が午前10時過ぎに最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の1年物を引き下げたと発表すると、材料出尽くし感から日経平均株価はマイナス圏に転じた。LPRの下げ幅が0.1%と小幅にとどまったことが嫌気されたようだ。ただ、先週末18日までの3日間で日経平均株価は800円近く下落していたことから、下値には値頃感からの買いが流入し、再びプラス圏に転じて取引を終えた。

 中国不動産大手、恒大集団や碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の経営問題が浮上するなか、中国の不良債権問題を警戒する声が上がり始めている。社会主義国である中国では「不良債権も片付けようとすれば強権的に一気に推し進めることができるのではないか」という意見はある。しかし、その一方で「責任回避のため不良債権は隠し続けられ、いっこうに進展が見られないという展開も起こり得る」と警戒する声も市場には出ている。いずれにせよ、当面は中国動向に一喜一憂する展開が続きそうだ。

 そんななか21日の市場で関心を集めたのは、中小型株市場の堅調さだ。日経平均株価が前週末に比べ0.37%上昇だったのに対し、中小型株の動向を示す東証マザーズ指数は同2.82%上昇した。特に、エコナビスタ<5585>やブリッジコンサルティンググループ<9225>、エリッツホールディングス<5533>、シーユーシー<9158>など直近IPO銘柄に買いが集まった。

 全体相場に手詰まり感が強まるなか、直近IPOを含む中小型株に物色の矛先が向かうことはよくあることだ。とはいえ、中小型株の反騰説はこの2年近くで何度も浮かんでは消えていっただけに、慎重な姿勢は必要だ。この日の東証プライム市場の売買代金は約2兆6000億円と急速に細っている。省力相場では中小型株に目が向かうことは考えられるが、しばらくは中小型株の動向を確かめる展開が続きそうだ。

出所:MINKABU PRESS

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