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【通貨】為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、日本の為替介入に対する警戒感残る

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

 

【今週の概況】
■主要国の株安を警戒してドル買い一服

今週のドル・円は上げ渋り。米国金利の先高観は後退せず、週初に144円66銭まで下げた後、8月17日に一時146円56銭まで米ドル高円安が進行した。しかしながら、中国経済の減速を警戒して主要国の株価指数は下落し、リスク選好的な米ドル買い・円売りは縮小した。日本政府が円安進行を改めてけん制したこともドル高進行を抑える一因となった。

18日のニューヨーク外為市場でドル・円は、145円77銭まで上昇後、144円93銭まで反落した。米国金利の先高観を受けたドル買いが観測されたが、米長期金利が伸び悩んだこと、中国不動産市場の混乱などを警戒したリスク回避の円買いも観測された。ドル・円は145円39銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:144円66銭-146円56銭。

【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、日本の為替介入に対する警戒感残る

来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めの方針を維持しており、年内追加利上げを想定したドル買いは継続する可能性がある。ただ、日本政府・日本銀行による為替介入への警戒感は消えていないため、リスク選好的な円売りはある程度抑制されそうだ。足元の米経済指標は強弱まちまちながら、外為市場は生産者物価指数(PPI)や小売売上高などの強いデータに着目。米国経済の堅調さを背景に、FRBは引き締め政策を継続するとの見方を強めている。

一方、7月25-26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、ほとんどの当局者が目先のインフレ率再加速を予想。利上げ継続の方針を正当化するとみていたことが明らかになり、ドル買いを支えている。ただ、パウエルFRB議長のジャクソンホール会合での講演で、金融政策や経済見通しなどで新味が乏しければリスク選好的なドル買いはやや後退する見通し。ドル・円は昨年11月以来の146円台に浮上したが、なお上昇余地があるか見極める展開となりそうだ。

【米・8月製造業・サービス業PMI】(23日発表予定)
8月23日発表の8月の製造業とサービス業PMIは前回から改善するか注目。7月は製造業が49.0、サービス業は52.3だった。市場予想を下回り、年内追加利上げ観測が後退した場合、金利安・ドル安に。

【カンザスシティー地区連銀主催の国際経済シンポジウム】(24-26日開催予定)
米カンザスシティー地区連銀主催の国際経済シンポジウム。テーマは「Structural Shifts in the Global Economy」。 9月に開催される次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、パウエル議長の発言が注目される。新味がなければドル売り要因。

予想レンジ:143円50銭-146円50銭

《FA》

 提供:フィスコ

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