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【市況】米国株式市場見通し:ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演に注目


 

24日から26日にかけてワイオミング州、ジャクソンホールで開催される2023年度の経済シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演に注目だ。議長は25日に講演を予定している。主要小売り企業の決算にも引き続き注目だ。経済の7割を占める消費動向を確かめたい。小売り企業の決算は予想外に好調で消費の底堅さが確認された。しかし、見通しで消費鈍化への警戒を強めつつあることが株価に影響しているため注意が必要だ。そのほか、23日には共和党大統領候補の討論会が予定されており、注目イベントとなる。ただ、最近の世論調査で最有力候補と見られているトランプ前大統領は欠席する意向だ。

世界経済における構造変換と題されたジャクソンホール会合の討論会では、各国の財務相や中央銀行総裁、著名エコノミストなどが経済や金融市場の懸念を巡って討論する。この会合は度々、FRB議長が政策変更などを巡りヒントを与える場として利用しているため、議長の発言には特に注目したい。経済が想定以上に強く景気後退も回避可能との見方が強まりつつある。さらに、FRBが金融政策を決定する上で特に注視しているコアインフレは鈍化基調を維持しているものの、目標の2%には程遠い。金融システムは強く、不透明感は残るが地銀経営などの金融混乱は収束しつつあり、ほとんどのFOMCメンバーは追加利上げを除外していない。今週公表された前回会合の議事要旨でも追加利上げの可能性に言及している。一方、議長が「(今後の金融政策が)経済やインフレの動向次第」との姿勢を大きく修正するとは考えにくく、サプライズの可能性は低そうだ。前回会合以降に発表された6月PCEコア物価指数や7月の消費者物価指数(CPI)は前月に続き鈍化傾向を維持した。FRBの望む方向に進んでいることが確認されており、実質金利の上昇を理由に、もし議長がタカ派色を弱めた場合には相場の上昇を支援するだろう。

経済指標では、7月中古住宅販売件数、8月リッチモンド連銀景況指数(22日)、8月製造業・サービス業PMI、7月新築住宅販売件数(23日)、週次新規失業保険申請件数、7月耐久財受注速報値、8月カンザスシティー連銀製造業活動指数(24日)、8月ミシガン大消費者信頼感指数確定値(25日)、などが予定されている。

主要企業決算では小売り関連で、ホームセンター運営会社のロウズ、スポーツ用品小売りのディックス・スポーティング・グッズ(22日)、ディスカウント小売りのダラー・ツリー、衣料品小売りのギャップ、百貨店ではメーシーズ(22日)やコールズ(23日)、ノードストローム(24日)、さらに、半導体のエヌビディア、ソフトウェア・ソリューション会社のスノーフレーク(23日)、エンタープライズ・クラウド・アプリケーションを手掛けるワークデイ、ソフトウェアメーカーのインテュイット(24日)、などが予定されている。特に人口知能(AI)技術セクターを先導していると期待感の強いエヌビディアの決算に注目だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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