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【市況】来週の株式相場に向けて=TOPIX優位の相場継続か、インバウンド株を再評価

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 11日が「山の日」で休場のため、8月第2週は立会日が4日間だった。この週は、日経平均株価が280円(0.9%)上昇と底堅く推移した。3連休明けの14日に320社強を残すものの、第1四半期(4~6月)の決算発表シーズンはほぼ終了した。

 第1四半期決算に関しては「全体的に底堅い内容だが、伸び悩むセクターもみられた」(市場関係者)という声が出ている。ほぼ6割の会社が業績予想を上回ったとも推測されている。しかし、その中身はまだら模様となっている。

 好業績セクターは内需系で、例えば 百貨店の三越伊勢丹ホールディングス<3099>は今期予想を増額修正し連結営業利益は10期ぶりに最高益を更新する見通し。百貨店を含むインバウンド関連は中国の団体旅行解禁で一段の業績拡大期待が膨らむ。

 ただ、その一方でハイテク系には伸び悩みも目立った。アドバンテスト<6857>の第1四半期は最終利益が前年同期比74%減となった。9日に決算を発表したソニーグループ<6758>も大幅減益となり株価は下落した。輸出株のなかでも、半導体不足が解消したトヨタ自動車<7203>の業績は堅調で、ホンダ<7267>も好決算を発表した。

 この決算内容を表す形で今週のTOPIXは1.3%上昇と日経平均をアウトパフォームしている。足もとでは、ハイテク株などグロース株をバリュー株が凌駕している格好だ。来週以降、決算発表も一巡するがインバウンド関連など内需株が相場を牽引する展開が予想される。TOPIXは1日につけた2337ポイントの33年ぶり高値を再び更新する展開も期待できるかもしれない。全体相場が動き出すのは、今月下旬の米ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演待ちとなりそうだ。

 来週は、海外では15日に米小売売上高、16日に7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が発表される。17日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算発表が予定されている。国内では15日に4~6月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。16日には7月訪日外客数、18日に7月消費者物価指数(CPI)が公表される。14日に電通グループ<4324>や凸版印刷<7911>の決算が発表される。来週の日経平均株価の予想レンジは3万2000~3万3000円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2023年08月10日 18時30分

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