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【市況】株価指数先物【寄り前】 今週も需給イベントによる売り需要を警戒も、リスク選好に向かいやすい地合い


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33420 +230 (+0.69%)
TOPIX先物 2300.5 +13.5 (+0.59%)
シカゴ日経平均先物 33435 +245
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)が重視する5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、総合価格指数が前年同月比3.8%上昇(4月は4.3%上昇)、食品とエネルギーを除いたコア価格指数は同4.6%上昇(同4.7%上昇)と伸びが鈍化し、インフレ懸念が和らいだことが買い安心感につながった。また、アップル<AAPL>は2%を超える上昇で時価総額が2022年1月以来1年半ぶりに3兆ドルを超えるなか、マイクロソフト<MSFT>など主要なハイテク株に買いが広がった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレルのみが下落しており、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、小売、自動車・同部品の強さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比245円高の3万3435円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の3万3200円で始まり、開始直後に付けた3万3170円を安値にリバウンドを見せており、3万3230円~3万3280円処で保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、一時3万3500円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万3420円~3万3500円辺処でのレンジ推移が続き、3万3420円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。先週は四半期末に伴うリバランス売りの影響により積極的なロングは限られたものの、ボリンジャーバンドの+1σ水準での底堅さも見られていた。ナイトセッションでも同水準を捉えており、ショートカバーは入りやすいだろう。アップルやマイクロソフトの上昇が指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になることから、日経平均型の上昇が期待される。

 +1σは3万4440円辺りで推移しているため、これを上回って底堅さがみられるようだと、+2σ(3万4280円)とのレンジに移行する可能性もあるため、目先的には6月19日に付けた3万3950円をターゲットとしたトレンドが意識される。一方で、7月7日、10日にはパッシブ型ETFの決算を控える。決算日に分配金捻出のための売り需要が観測されており、今週も週末以降の需給イベントによる影響が警戒されやすく、こう着感が強まる可能性はあるだろう。

 ただし、予想されている需給イベントであり、先回り的なショートも積み上がっているほか、売り需要に向かう形で押し目待ち狙いのロングも控えていると考えられる。底堅さがみられる局面では早めのカバーも意識され、オプション権利行使価格の3万3500円を中心とした3万3250円~3万3750円処のレンジ推移を想定しておきたい。

 先週末のVIX指数は13.59に上昇したが、一時12.96まで下げており、22日に付けた12.73に接近する場面も見られた。依然としてボトム圏での推移であり、リスク選好に向かわせやすいと考えられる。また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.51倍だった。28日には一時14.38倍まで低下したが、-2σ水準までの調整を経て、その後は中心値(25日)までの上昇となった。バンドが収斂するなか、トレンドが出やすいところである。

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