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【通貨】ユーロ週間見通し:上げ渋りか、域内経済見通しは不透明

ユーロ/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■弱含み、経済指標悪化でユーロ買い縮小

今週のユーロ・ドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が「近く金利がピークに達したと勝利宣言することは不可能」と利上げ継続の姿勢を明らかにしたことから、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りが優勢となった。6月30日発表のユーロ圏6月消費者物価指数速報値は市場予想を下回ったものの、5月米コアPCE価格指数の伸び率は鈍化したことも影響したようだ。取引レンジ:1.0835ドル-1.0977ドル。

「もみ合いか、ドイツ経済の減速懸念も

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)は7月以降も利上げを行う可能性があり、ユーロ売り・米ドル買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。ただ、ドイツ経済の減速懸念は消えていないため、新たなユーロ買い材料が提供されない場合、ユーロ買い・米ドル売りは多少縮小する可能性がある。

予想レンジ:1.0750ドル-1.1050ドル

■強含み、一時158円まで買われる

今週のユーロ・円は強含み。日本政府関係者の円安けん制発言やロシア内紛による地政学的リスクの上昇により、ユーロ売り・円買いが先行した。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が7月の追加利上げを示唆したことや日本銀行の植田総裁は、年内に緩和策を修正する意向を示していないことから、ユーロ売り・円買いは縮小。ユーロ・円は一時158円まで買われた。取引レンジ:155円75銭-158円00銭。

■上げ渋りか、域内経済見通しは不透明

来週のユーロ・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は利上げ継続に意欲的である一方、日本銀行は現行の金融緩和策を当面維持するとの見方から、日欧金利差の拡大を意識したユーロ買い・円売りは続くとみられる。ただ、ユーロ圏経済の先行き不透明感は消えていないため、新たなユーロ買い材料が提供されない場合、ユーロは上げ渋る可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・6日:5月小売売上高(4月:前月比0%)

予想レンジ:155円20銭-159円20銭

《FA》

 提供:フィスコ

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