市場ニュース

戻る
 

【市況】今週の【早わかり株式市況】反発、為替の円安下支えに3万3000円台回復

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週ぶり反発、3万3000円台再び回復
 2.週前半は上値の重い展開、利益確定の動き続く
 3.半導体材料株が物色人気、JSR買収報道で
 4.水曜に日経平均600円高、米株高など追い風
 5.リバランス売り警戒、145円台の円安が下支え

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は、日経平均株価が前週末比407円(1.2%)高の3万3189円と、2週ぶりに上昇した。

 今週は週前半こそ利食い圧力が強かったが、水曜に一気に買い戻しが入り市場のセンチメントが改善した。ただ、その後は積極的な買いが続かず、売り買い交錯の展開。為替市場で1ドル145円台まで円安が進み、これが相場の下支え役となった。

 週明け26日(月)の東京株式市場は、前週末に引き続き利食い圧力の強い地合い。日経平均は一時大幅安となったものの、その後プラス圏に切り返すなど上下に振れる展開で、大引けは結局小幅マイナス圏で着地した。産業革新投資機構(JIC)によるJSR <4185> [東証P]買収報道を手掛かりに、半導体材料に絡む銘柄群は物色人気となった。27日(火)も上値の重い展開、利益を確定する動きが続いた。ただ、売り一巡後は下げ渋る動きをみせており、押し目買い意欲の強さが確認された。28日(水)は一気に買い戻しが入り、日経平均は600円を超える大幅高。米株高や円安を追い風に半導体、自動車など輸出セクターが買われ、相場を牽引した。前日までとは打って変わってリスク選好の地合いとなり、プライム市場の9割超の銘柄が上昇する全面高商状となった。29日(木)も買いが先行した。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め懸念がくすぶり続け、前日の米国株市場は高安まちまちの展開に。手掛かり材料に乏しいなか、東京市場でも朝高後に伸び悩むなど売り買いが交錯した。日経平均は続伸ながら小幅な上げにとどまった。30日(金)は四半期末で年金などのリバランス売りが警戒されるなか軟調スタート。1ドル=145円台まで進んだ円安が相場の下支えとなった。日経平均は下落して着地したが、週間ベースでは反発。前週割り込んだ3万3000円台を再び回復した。

■来週のポイント
 来週は米国の重要指標が相次いで発表されるため、これを手がかりとした米国株の売買に日本株も影響を受けそうだ。5月期決算発表が来週後半から本格化し始めるため、主要銘柄の決算にも目を配る必要がありそうだ。

 重要イベントとしては、国内では7月3日朝に発表される日銀短観、7日に発表される5月景気動向指数が注目される。海外では、3日に発表される中国6月財新製造業PMI、米国6月ISM製造業景況指数、5日発表の中国6月財新サービス業PMI、6日に発表される米国6月のADP雇用統計とISM非製造業PMI、7日発表の米国6月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月26日~6月30日)

【↓】   6月26日(月)―― 3日続落、欧米株安受け利益確定の売り継続
 日経平均 32698.81(  -82.73)  売買高11億7024万株 売買代金 3兆2603億円

【↓】   6月27日(火)―― 4日続落、米ハイテク株安を受け売り継続
 日経平均 32538.33( -160.48)  売買高12億2720万株 売買代金 3兆4387億円

【↑】   6月28日(水)―― 5日ぶり反発、米株高や円安で大きく切り返す
 日経平均 33193.99( +655.66)  売買高13億9995万株 売買代金 3兆9036億円

【↑】   6月29日(木)―― 続伸、米ハイテク株高で一時急伸も上値は重い
 日経平均 33234.14(  +40.15)  売買高16億8655万株 売買代金 3兆8030億円

【↓】   6月30日(金)―― 3日ぶり反落、一時急落も後場に下げ幅縮小
 日経平均 33189.04(  -45.10)  売買高15億9740万株 売買代金 3兆7961億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、24業種が値上がり
 (2)高利回り・低PBR人気で郵船 <9101> など海運が値上がり率トップ
 (3)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、ルネサス <6723> など電機といった輸出株が大幅高
 (4)内需株はまちまち。鹿島 <1812> など建設、OLC <4661> などサービスが買われ、
   日清粉G <2002> など食料品、菱地所 <8802> など不動産が売られた
 (5)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行が大幅高。ジャフコG <8595> など証券、オリックス <8591> などその他金融も堅調
 (6)値下がり率トップは小野薬 <4528> など医薬品

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(4) 半導体
  2(1) 全固体電池
  3(3) 生成AI
  4(2) 人工知能
  5(7) 2023年のIPO
  ※カッコは前週の順位

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均