【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:テスHD、インフォMT、マネックスG
テスHD <日足> 「株探」多機能チャートより
テスホールディングス<5074>が物色人気を集め大幅高。同社は再生可能エネルギー発電所の開発・設計・調達のほか、施工、売電に至るまでエンジニアリングとエネルギーサプライを一括して対応できる優位性を持つ。コージェネレーションなど省エネシステムなどでも高い実績を誇る。足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移しており、21日取引終了後、23年6月期業績予想の修正を発表した。営業利益段階で従来計画の54億円から64億円(前期比24%増)予想に大幅増額し過去最高利益を連続更新する見込み。更に好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当は従来計画の21円から26円(前期実績は21円)に増配する。これが大きく好感される形で投資資金を呼び込んでいる。
■インフォマート <2492> 329円 +30 円 (+10.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
インフォマート<2492>が急反騰している。21日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが膨らんでいる。上限を500万株(発行済み株数の2.19%)、または10億円としており、取得期間は6月22日から9月22日まで。株主還元の拡充や資本効率の向上、機動的な資本政策の遂行を図るためとしている。
■マネックスグループ <8698> 568円 +30 円 (+5.6%) 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
マネックスグループ<8698>が連日で年初来高値を更新している。代表的な仮想通貨(暗号資産)ビットコインの価格が急上昇しており、暗号資産交換業のコインチェックを持つ同社に取引活発化による収益拡大を期待した買いが入っている。足もとでビットコイン価格は1BTC=3万ドル台を回復し、前週半ばの2万5000ドル前後の水準から急速に上げ足を強めている。米資産運用大手ブラックロック<BLK>が15日にビットコインETFの上場申請を米証券取引委員会(SEC)に提出したと伝わり、これが手掛かりとなったようだ。同じく暗号資産交換業を手掛けるセレス<3696>も高い。
■オプティム <3694> 1,148円 +59 円 (+5.4%) 11:30現在 東証プライム 上昇率6位
オプティム<3694>がカイ気配スタートとなった。21日の取引終了後、米オープンAIのチャットGPTを活用した新サービスを発表し、材料視されたようだ。新サービス「OPTiM AI ヘルプデスク(仮称)」は、製品やサービスに関する問い合わせをした顧客とのやり取りを自動学習し、AIが返答文案を自動で生成または返信する機能を持つ。一部のカスタマーサポート業務では、最大7割程度の工数削減が可能になるという。
■ポート <7047> 2,505円 +100 円 (+4.2%) 11:30現在
ポート<7047>が上場来高値を連日で更新した。21日の取引終了後、人材支援サービスで展開するリスキリング型デジタル人材育成スクール「ネットビジョンアカデミー」について、経済産業省が指定する支援事業に指定されたと発表した。今後の事業拡大につながると受け止めた投資家の買いを集めたようだ。経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択され、補助金給付対象事業となった。同社は中期経営計画の期間中の3年間において、最低4億円程度の投資を想定しているが、その半分の約2億円程度が補助される見通しとなったという。
■三菱商事 <8058> 7,427円 +207 円 (+2.9%) 11:30現在
三菱商事<8058>、三井物産<8031>、丸紅<8002>など総合商社株への買いが止まらない状況となっている。揃って上場来高値圏をまい進しているが、6月に入ってから驚異的な上げ足を示しており、三菱商、三井物、丸紅はいずれもきょうまで11連騰を記録している。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが、引き続き日本の総合商社への積極投資を行う構えにあることが買いの根拠となっている。ここにきて原油市況が上昇傾向を示しているほか、穀物市況が再び高騰していることで、これも総合商社の株価を刺激する背景となっている。
■関西電力 <9503> 1,804円 +46.5 円 (+2.7%) 11:30現在
関西電力<9503>が一時72円50銭高の1830円に買われ年初来高値更新となったのをはじめ、東京電力ホールディングス<9501>、中部電力<9502>など電力株が一斉高となっている。21日取引終了後に関西電は高浜原子力発電所1号機を7月下旬、2号機を9月中旬に再稼働させる計画を公表した。これが株価の刺激材料となった形だ。電力各社の原発再稼働を巡って思惑が交錯しているが、岸田政権では脱炭素と電力の安定供給を目的に最大限に原発を活用する方針を示しており、30年度の電源構成のうち原子力を20~22%とする目標がエネルギー基本計画で掲げられている。
■FRONTEO <2158> 862円 +22 円 (+2.6%) 11:30現在
FRONTEO<2158>が大幅続伸している。21日の取引終了後、米国のAssociation of Certified E-Discovery Specialists(ACEDS、テキサス州ダラス市)とパートナーシップ契約を締結し、eディスカバリー(電子情報開示)のリーガルコンテンツ作成などで協業すると発表した。収益貢献を期待した買いが入ったようだ。ACEDSは、eディスカバリーや情報ガバナンスなどに関するトレーニングと認定を専門とする教育機関で、米国の主要都市やカナダ、英国、オーストラリアなどで30の支部を持つ。フロンテオはパートナーシップの締結により、クロスボーダー訴訟対応における米国でのプレゼンス向上を目指す。リーガルコンテンツの作成やセミナーなどの取り組みを通じ、高品質なサポートも提供するとしている。
■パナHD <6752> 1,710円 +41.5 円 (+2.5%) 11:30現在
パナソニック ホールディングス<6752>が続伸し、2018年1月以来、5年5カ月ぶりの高値圏で推移している。21日、傘下のパナソニックエナジーとマツダ<7261>が、車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に関する中長期的パートナーシップの構築に向け検討することで合意したと発表した。パナHDに対しては自動車向け事業の拡大を期待した買いが集まったようだ。パナソニックエナジーは、日米の工場で製造した車載用円筒形リチウムイオン電池をマツダに供給し、マツダは調達した電池を20年代後半に導入予定のバッテリーEVに搭載することを視野に入れて、具体的な協議を開始する。マツダは12年に国内でリース販売した「デミオEV」において、パナソニック製電池を搭載した経緯がある。
■チャームケア <6062> 1,365円 +33 円 (+2.5%) 11:30現在
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が反発した。21日の取引終了後、23年6月期第4四半期(4~6月)において、特別利益を計上する見込みとなったと発表し、手掛かり視されたようだ。有料老人ホーム「チャームスイート京都桂坂」の土地建物の売却に伴い、固定資産売却益約5億1700万円を特別利益に計上する。経営資源の有効活用と財務体質の向上を図る。
■三越伊勢丹 <3099> 1,508.5円 +33 円 (+2.2%) 11:30現在
三越伊勢丹ホールディングス<3099>が続伸している。日本政府観光局が21日の取引終了後に発表した今年5月の訪日外客数(推計)は189万8900人となった。新型コロナウイルスの感染が広がる前の19年5月との比較では31.5%減だった。19年の同月と比べた減少率が前月(23年4月)は33.4%だったことを考慮すると、回復基調は継続しており、インバウンド需要による業績の押し上げ効果への期待が膨らんだようだ。高島屋<8233>やJ.フロント リテイリング<3086>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、松屋<8237>なども堅調に推移している。
■大王製紙 <3880> 1,111.5円 +24 円 (+2.2%) 11:30現在
大王製紙<3880>が3日ぶりに反発した。21日、セルロースナノファイバー(CNF)の新たな用途開発として、東北大学や東京大学、産業技術総合研究所(産総研)と共同で半導体材料の開発を開始すると発表。新たな収益源の確立を期待した買いを集めた。半導体特性を示す植物由来のCNFの研究成果をもとに、実用化を目指す。今回の開発テーマは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択され、4者で共同研究を進める計画という。
■岩谷産業 <8088> 7,553円 +147 円 (+2.0%) 11:30現在
岩谷産業<8088>が4日ぶりに反発している。同社は21日取引終了後、5年間の中期経営計画「PLAN27」を策定したと発表。最終年度となる28年3月期の連結営業利益目標を650億円(23年3月期実績は400億3500万円)としていることが好感されているようだ。PLAN27のテーマは「水素エネルギー社会の実現に向けて」とし、基本方針は「社会課題解決」と「持続的成長」に向けた事業拡大。5年間累計の投資額は4700億円を計画し、CO2フリー水素のサプライチェーン構築や低・脱炭素ビジネスの推進などに注力するとしている。
■シチズン時計 <7762> 884円 +15 円 (+1.7%) 11:30現在
シチズン時計<7762>がしっかり。21日の取引終了後、発行済み株式総数の16.33%に相当する4800万株について、6月30日に消却すると発表した。株式市場への放出による潜在的な需給悪化懸念が和らいだと受け止められた。更に、同日に日本政府観光局が発表した5月の訪日外客統計で、訪日外客数の回復基調が確認されたとあって、買い安心感が広がったようだ。
■神戸物産 <3038> 3,770円 +64 円 (+1.7%) 11:30現在
神戸物産<3038>がマドを開けて反発した。21日の取引終了後、5月度の単体業績を発表。売上高は前年同月比17.7%増の401億7500万円、経常利益は同32.2%増の29億1300万円だった。3カ月ぶりの経常増益となったことを評価した買いが集まったようだ。引き続き利便性の高い冷凍野菜のほか、冷凍の鶏肉商品の販売が好調だった。5月度は新規出店が3店舗、退店が1店舗あった。
■テックファム <3625> 666円 +100 円 (+17.7%) ストップ高買い気配 11:30現在
テックファームホールディングス<3625>急動意、カイ気配のまま底値圏を一気に上放れてきた。システムの受託開発を手掛けるがモバイルソリューションで優位性を発揮、スマートフォン向けアプリで実績が高い。メタバースや生成AI分野の開発に力を入れており、ここ株式市場の有力テーマとなっている人工知能(AI)関連株の出遅れ妙味株として、上値を見込んだ投資マネーが集中した形だ。業績も前期で底が入り、23年6月期は営業損益が1億2000万円の黒字(前期は2億3700万円の赤字)を見込んでいる。
●ストップ高銘柄
オービーシステム <5576> 4,410円 +700 円 (+18.9%) ストップ高 11:30現在
海帆 <3133> 748円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
プログリット <9560> 5,000円 -1,000 円 (-16.7%) ストップ安売り気配 11:30現在
シーユーシー <9158> 3,900円 -700 円 (-15.2%) ストップ安 11:30現在
以上、2銘柄
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