【経済】【クラファン・優待】クリニックのDX化支援から新規事業へ! ペットとの生活を豊かにするポケットペット、6月4日募集開始
ペットクリニックのDX化支援などペット関連ビジネスを展開するポケットペット株式会社(東京都港区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは6月4日10時開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
ペットクリニック専用SaaSを皮切りに新規事業展開へ
ポケットペットは、ペットクリニックのDX化支援を通じて、ペット関連ビジネスを多角的に手掛ける2022年5月創業のスタートアップ企業です。
ペットクリニック業務専用のSaaS(Software as a Service:必要な機能を必要な分だけ提供するサービス)として、「Pocket Pet(ポケットペット) for ドクター」を開発し、創業直後のシードラウンドで上場企業から資金調達を実施しています。
(出典:FUNDINNO)
同社の中田隆三代表は監査法人や外資系コンサルティングファーム、大手金融機関で企業のファイナンス・新規事業開発に関する業務に携わり、独立後、教育事業をバイアウト、さらに経営コンサルティング、M&Aアドバイザリー、IPO支援を主軸とした事業展開を行っています。
ポケットペットは、同代表がペットを迎えて暮らし始め、ペットと暮らすことにおける日本の課題を痛感し、根本的な解決を目指したいという強い思いの下、設立したそうです。
(出典:FUNDINNO)
ペットとの暮らしにはまだまだ障害が多く、特にペットクリニックは、ペットとの生活の中で接点の多い場所であるにもかかわらず、患者(飼い主)・獣医療従事者の双方にペイン(不便)が多い業界だと同社は考えています。
他方、医療分野は事業者が取り組むには専門性が高く、難しい分野であると認識されており、参入が容易ではないといいます。
「弊社は、参入が難しいからこそ、後の参入障壁を構築できるという点と、そもそもの課題感の大きさから、まずはペットクリニックが抱える、長時間労働・人手不足・属人化といった課題に着目し、業務フローを包括的にDX化する『Pocket Pet for ドクター』の開発に取り組み、ローンチに至りました」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社はペットクリニックのDX支援によって、サービス向上と集客力アップの好循環を生み出してクリニックとユーザーのペインを解決し、将来的には、SaaSを通じて収集したクリニックとペット・飼い主のデータをもとに、クリニックとのシナジーを重視した成功確度の高い領域で新規事業を展開していく計画です。
直近では、獣医療・ペットクリニック・トリマー向けの「人材紹介事業」、獣医師とともにペットフードの目利きを行い、バイヤー的立ち位置で「D2C(Direct to Consumer:企業がダイレクトに消費者と取り引きをする販売方式)ペットフード事業」を開始するとしています。
将来的には、ペットとの入居・暮らしを前提とした物件の賃貸仲介を行い、獣医療環境・ドッグラン施設・ペットとの暮らしやすさの可視化を行ったプラットフォームの開発・運営にまで事業領域を拡大する構想です。
「弊社は、第一の事業は『不便の解消』という切り口で、参入障壁の構築を目的にペットクリニックと飼い主の仲立ちをし、当該事業のデータを活用した新規事業創出によって、ペットビジネスのプラットフォーマーを目指します。事業を通じて、ペットを含む大切な家族が安心・安全に暮らせる環境を創り、より長く・充実した時間を過ごせる世の中にしていきたいと考えています」(同社)
顧客獲得競争が激化、コスト削減&単価アップが課題に
現在、日本には約1万2000カ所のペットクリニックがあり、その約63%は獣医師1人とスタッフが数人で運営している小規模施設で(農林水産省)、同社によると、獣医師やスタッフは外来の診察以外にも、診療時間外に、入院中のペットの治療や世話、手術の対応、薬剤の粉砕、予約対応など多くの業務に追われているといいます。
人間の病院であればDX化されているような業務も、ペットクリニックではいまだにアナログ作業で行っているケースも少なくないそうです。
(出典:FUNDINNO)
業務システムを導入する場合も、「予約は予約」「カルテはカルテ」「決済は決済」など、業務ごとに異なるベンダーのシステムを導入していることが多く、ペットクリニックからは、「ワンストップで扱えなく、かえって不便」「煩雑さが増したように感じる」といった声が同社に寄せられたといいます。
また、少人数で運営されるクリニックの業務は属人化しやすく、個人の業務負荷が大きくなり、長時間労働につながるリスクも考えられるそうです。
ペットの飼育数は減少傾向にあるものの、1頭当たりの支出は増加傾向にあり、また、ペットクリニックの第3次産業活動指数(第3次産業の生産活動を総合的に捉えるための経済指標)は上昇傾向で推移、開設者数も増加傾向にあるため、クリニックの顧客獲得競争は激化しており、優勝劣敗が鮮明化しつつあると同社は見ています。
(出典:FUNDINNO)
「こうした環境下で、ペットクリニックがサービス品質を高め、顧客の定着・新規獲得の取り組みにリソースを投下できるようにするため、業務のDX化を進め、患者様であるペットと飼い主のユーザー体験を高めるサポートが必要だと考えています」(同社)
データを活用した「人材紹介事業」「ペットフードD2C事業」
同社によると、ペットクリニック向けDX支援システム「Pocket Pet for ドクター」はペットクリニックの業務のうち、外来診療における定型業務をDX化するSaaSです。
現在は(1)予約管理(2)待ち時間・待ち人数表示機能(3)問診のデジタル化(4)誓約書や同意書の文書の電子化(5)LINEによる患者様の呼び出し機能(6)顧客情報DMP(Data Management Platform)まで、開発とクリニックへの提供が完了しています。
今後、クリニックの需要動向を見極めつつ、電子カルテ、処方箋システム、会計システム、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の機能を追加開発する計画です。
(出典:FUNDINNO)
予約や待ち時間の案内をオンライン化し、文書管理をデジタル化することによって、ペットクリニック内での情報連携と業務効率化を実現するとともに、患者にはクリニック検索や予約機能、待ち時間表示などのサービスを提供しており、これによって、クリニックを利用する際の不便さを解消したいと考えています。
また、同社はフィールドセールスや「Pocket Pet for ドクター」を通じて収集したペットクリニックの定性・定量情報やユーザー情報、ペットの情報などを社内データベース化しており、それを活用した新規事業の展開を進めています。
これまで、首都圏を中心に1500カ所以上のペットクリニックを訪問し、営業活動とともに、獣医師やスタッフへの業務の課題や就業環境などに関するヒアリングを実施したところ、「人手不足」に悩むクリニックが非常に多いという課題が明らかになったそうです。
さらに「愛玩動物看護師」が国家資格となり、2023年4月から動物看護師の対応範囲が広がるとともに、クリニック側からの需要が増えるものと同社は見込んでいます。
(出典:FUNDINNO)
こうしたニーズや事業環境の変化を受けて、同社は新たな事業として2023年10月より、人材紹介プラットフォームの提供を開始する予定です。
同サービスは、フィールドセールスによって収集した独自の非公開求人を保有している点が特徴であり、人材紹介事業を開始するにあたっては、職業紹介責任者を選任(受講完了)し、有料職業紹介事業の許可申請を進めています。
獣医療・ペットクリニック専用の人材紹介事業として、獣医師・動物看護師・獣医療スタッフ・トリマーのほか、ペットショップやペットトレーナーなど、ペット事業に従事する人々に特化したサービスを展開する予定です。
(出典:FUNDINNO)
また、新規事業としては、一般消費者向けにペットフードの販売代理店事業を開始する予定だといいます。
ペットフード業界は国内外、多くのメーカーが存在し、商品の種類も多種多様で、ペットに合ったフードを見つけ出す難しさがある中で、高品質で安全・安心な商品を自社で目利きし、アレルギーフリーの商品や、無添加商材にこだわった商品の展開を計画しているそうです。
販路については、D2Cのプラットフォームは構築しつつ、同社SaaS導入クリニックや今後、業務提携を模索しているペットシッター事業会社と連携、推奨力が高い獣医師やペットシッターからの口コミ経由で購入してもらうバイラルマーケティングから始め、最終的には自社のプラットフォームへの動線を強化していくとしています。
(出典:FUNDINNO)
ポケットペットの「マネタイズ」「営業戦略」「マーケット・優位性」
【マネタイズ】
(1)「Pocket Pet for ドクター」
現在、メインの収益源となっているSaaS型のDX支援システムは1機能につき月額6980円(税込み)で、1年契約のサブスクサービスとしてマネタイズしています。
複数機能を導入した場合の料金例:6980円×(①予約管理+②LINE呼び出し+③文書のデジタル化:3機能)=2万940円/月
また、現時点ではシステム導入に付随した機能の一つである「待ち時間・待ち人数」の表示を、クリニックのWebサイトに表示させるといった、Web改修などの受託開発も行っています。
(出典:FUNDINNO)
(2)人材紹介事業
紹介したスタッフの年収の30%を手数料として受け取る予定で、フィールドセールスによるペットクリニックとの関係構築によって、すでに複数のクリニックに紹介を待ってもらっているといいます。
人材紹介プラットフォームは2023年10月をめどにローンチ予定で、現在は有料職業紹介事業の許可申請に向けて準備をしているそうです。
(3)D2Cペットフード事業
毎月1カ月分のペットフードを月額7980円(税込み)で配送するサブスクリプション型の販売を計画しており、2024年1月から本格的に販売開始予定。販路はECサイト、提携ペットクリニックなどを想定しています。
ペットフードのサプライヤーとして、国内外3社と商談を進めており、ヒューマングレードのキャットフード・ドッグフード、アレルギーフリーにこだわった商材をそろえる予定です。
獣医師やペットシッターからのバイラルを基軸に、D2Cプラットフォームに載せていくことで幅広い消費者ニーズに応えていきたいといいます。
【営業戦略】
現在、首都圏を中心に、ペットクリニックへのフィールドセールスによって、DX化ニーズのある既存施設や新規開業する若い世代の獣医師の開拓を行っており、これまでに約1500件のクリニックを訪問、DX支援システムの導入を検討する施設のリードを約400件獲得しています。
2023年4月末時点での導入施設数は約20件で、今期から、全国のクリニックにもアプローチを開始する計画です。今期(2024年3月期)の着地は52件を見込んでおり、2026年度に172件、2029年には536件の契約を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
導入1件あたり、平均150~200人のユーザー登録が期待でき、契約クリニック数の拡大によって、アプローチ可能なユーザー数も一気に拡大することを見込んでいるそうです。
投下資本として読みにくくなってきているリスティング広告などのWebマーケティングに投下することなく、獣医師など信頼性の高い人とエンゲージしているユーザーを、広告投下なく獲得できる点が強みだといいます。
「弊社ではカスタマーサクセスを重視し、『クリニックサクセス(CS)』と位置づけ、ユーザー登録の促進にあたっては、システム導入時にペットクリニックを訪問し、来院した飼い主の方一人一人に対して丁寧に登録をサポートするといった地道な取り組みを行っています。
ペットクリニックに対しては『CS』を徹底し、きめ細やかなサポートによって、システムをしっかり活用していただき、利用状況をレポーティングして効果検証を行うなど、業務効率化の推進とタッチポイントの創出に注力しています」(同社)
【マーケット・優位性】
現在、ペットクリニックのDX化支援、人材紹介、ペットフード販売、ペット住宅の賃貸仲介の各事業を直近でアプローチしていく市場に設定していますが、レジャー、アパレル、保険など、ペットが関連する周辺領域を実際にサービス提供可能な市場と捉えており、同領域でビジネス展開を行う事業者とのアライアンスも活用しながら、シェア獲得を目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「Pocket Pet for ドクター」は、ペットクリニックと飼い主の両側からデータを収集しており、そのデータを根拠とすることで、リスクを抑え、成功確度の高い領域をピンポイントで狙ったビジネス展開が可能な点が強みだといいます。
また、システムすべてを自社で開発しており、期限がある中でアジャイルに開発、需要に応じたシステム改修をすでに数十回実施するなど、システムのアーキテクチャーを自らで描き、デザインできる点に競合優位性があるそうです。
今後の成長に向けて
(1)ステークホルダー全体に貢献できる事業を
2023年度中に「Pocket Pet for ドクター」に電子カルテシステムや会計システム、CRMなどの新機能をローンチし、導入クリニックを順次拡大していく計画です。
強固な顧客基盤を築き、新規事業ではまず、ペットクリニックが抱える人材不足の課題を解決することで、クリニックのサービス品質と集客力向上に貢献し、次の段階で、クリニックを利用する飼い主向けに事業領域を拡張していきたいとしています。
「ペットに関わるビジネスは、いまだに事業者・消費者双方にとって不便や不都合といった多くの課題があります。弊社は今後もさまざまな角度から、ペットに関わるビジネスに携わり、一つ一つの課題を解決したいと考えています」(同社)
(2)ペット=家族との暮らしをより豊かに、幸せな時間をより長く
同社は新たな事業領域として、ペットと暮らせる物件に特化した、賃貸仲介事業への進出も視野に入れています。
大手の不動産検索サイトで探せる物件情報のみでは、近隣にペットクリニックや広い公園、ペット同伴可の店舗があるかなどの情報を探すことが難しいといい、「ペットと暮らすことが当たり前の目線に立てる」物件検索プラットフォームの開発を構想しているそうです。
また、自社のブランディングを向上させるWeb施策として、ペットクリニックと飼い主がフラットに情報交換やコミュニケーションできるプラットフォームの開発にも着手しています。
「弊社は、ペットが関わるさまざまな事業を通じて、ペットとの暮らしをより良くするインフラを整備し、ペットと人のQOL(Quality Of Life:生活の質)を向上させ、ペットを含む家族との鮮やかな暮らしが長く続く世界を実現したいと考えています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年にDX支援システムの累計契約クリニック数668件を目指す
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ケアネット <2150> [東証G]
・ジェイフロンティア <2934> [東証G]
・ジーネクスト <4179> [東証G]
・エクサウィザーズ <4259> [東証G]
・アジアクエスト <4261> [東証G]
・ワンキャリア <4377> [東証G]
株主優待
【基準日】
毎年7月末日
【優待内容】
1株以上保有:販売予定のおすすめペットフードの試供品をプレゼント
【申し込み方法】
基準日経過後、予約・注文可能の案内が届くので、同社お問い合わせアドレスまで「株主優待を利用する」と知らせる。希望するペットフードの種類「犬用/猫用」を記入する。
【注意事項】
1人、1年に1回限り
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
ポケットペット株式会社
東京都港区西麻布二丁目13番12号
資本金:30,012,000円(2023年4月20日現在)
発行済株式総数:981株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2022年5月13日
決算日:3月31日
※2023年5月16日を効力発生日として、1株を25株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は24,525株、発行可能株式総数は1,000,000株となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 中田隆三
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 5,000株
■募集株式の払込金額
1株あたり 10,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,500万円を以下の目的に充てる予定
広告宣伝費 500万円
人件費 670万円
手数料 330万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,500万円(目標募集額1,500万円と上限募集額5,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定
広告宣伝費 1,130万円
人件費 1,600万円
手数料 770万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(10株)
200,000円コース(20株)
300,000円コース(30株)
400,000円コース(40株)
500,000円コース(50株)
1,000,000円コース(100株)
2,000,000円コース(200株)
3,000,000円コース(300株)
4,000,000円コース(400株)
5,000,000円コース(500株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(500株)を上限とする。
■申込期間
2023年6月4日~6月20日
■目標募集額
15,000,000円(上限募集額 50,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は40,000,000円とする。
■払込期日
2023年7月13日
■連絡先
ポケットペット株式会社
電話番号:050-3187-9576
メールアドレス:pocketinfo@pocketpet.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼ペットクリニック専用DX支援システムで、動物医療現場の業務改革を推進。人材獲得・集客力アップもバックアップし、獣医師・飼い主・ペットの三方よしを実現する「ポケットペット」
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:1500万円、上限募集額:5000万円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B ※Aの可能性あり) |
・ | 株主優待あり:同社おすすめペットフードの試供品をプレゼント |
・ | みなし時価総額:2億4525万円 |
・ | 類似上場企業:ケアネット <2150> [東証G]、ジェイフロンティア <2934> [東証G]、ジーネクスト <4179> [東証G]、エクサウィザーズ <4259> [東証G]、アジアクエスト <4261> [東証G]、ワンキャリア <4377> [東証G] |
ペットクリニック専用SaaSを皮切りに新規事業展開へ
ポケットペットは、ペットクリニックのDX化支援を通じて、ペット関連ビジネスを多角的に手掛ける2022年5月創業のスタートアップ企業です。
ペットクリニック業務専用のSaaS(Software as a Service:必要な機能を必要な分だけ提供するサービス)として、「Pocket Pet(ポケットペット) for ドクター」を開発し、創業直後のシードラウンドで上場企業から資金調達を実施しています。
(出典:FUNDINNO)
同社の中田隆三代表は監査法人や外資系コンサルティングファーム、大手金融機関で企業のファイナンス・新規事業開発に関する業務に携わり、独立後、教育事業をバイアウト、さらに経営コンサルティング、M&Aアドバイザリー、IPO支援を主軸とした事業展開を行っています。
ポケットペットは、同代表がペットを迎えて暮らし始め、ペットと暮らすことにおける日本の課題を痛感し、根本的な解決を目指したいという強い思いの下、設立したそうです。
(出典:FUNDINNO)
ペットとの暮らしにはまだまだ障害が多く、特にペットクリニックは、ペットとの生活の中で接点の多い場所であるにもかかわらず、患者(飼い主)・獣医療従事者の双方にペイン(不便)が多い業界だと同社は考えています。
他方、医療分野は事業者が取り組むには専門性が高く、難しい分野であると認識されており、参入が容易ではないといいます。
「弊社は、参入が難しいからこそ、後の参入障壁を構築できるという点と、そもそもの課題感の大きさから、まずはペットクリニックが抱える、長時間労働・人手不足・属人化といった課題に着目し、業務フローを包括的にDX化する『Pocket Pet for ドクター』の開発に取り組み、ローンチに至りました」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社はペットクリニックのDX支援によって、サービス向上と集客力アップの好循環を生み出してクリニックとユーザーのペインを解決し、将来的には、SaaSを通じて収集したクリニックとペット・飼い主のデータをもとに、クリニックとのシナジーを重視した成功確度の高い領域で新規事業を展開していく計画です。
直近では、獣医療・ペットクリニック・トリマー向けの「人材紹介事業」、獣医師とともにペットフードの目利きを行い、バイヤー的立ち位置で「D2C(Direct to Consumer:企業がダイレクトに消費者と取り引きをする販売方式)ペットフード事業」を開始するとしています。
将来的には、ペットとの入居・暮らしを前提とした物件の賃貸仲介を行い、獣医療環境・ドッグラン施設・ペットとの暮らしやすさの可視化を行ったプラットフォームの開発・運営にまで事業領域を拡大する構想です。
「弊社は、第一の事業は『不便の解消』という切り口で、参入障壁の構築を目的にペットクリニックと飼い主の仲立ちをし、当該事業のデータを活用した新規事業創出によって、ペットビジネスのプラットフォーマーを目指します。事業を通じて、ペットを含む大切な家族が安心・安全に暮らせる環境を創り、より長く・充実した時間を過ごせる世の中にしていきたいと考えています」(同社)
顧客獲得競争が激化、コスト削減&単価アップが課題に
現在、日本には約1万2000カ所のペットクリニックがあり、その約63%は獣医師1人とスタッフが数人で運営している小規模施設で(農林水産省)、同社によると、獣医師やスタッフは外来の診察以外にも、診療時間外に、入院中のペットの治療や世話、手術の対応、薬剤の粉砕、予約対応など多くの業務に追われているといいます。
人間の病院であればDX化されているような業務も、ペットクリニックではいまだにアナログ作業で行っているケースも少なくないそうです。
(出典:FUNDINNO)
業務システムを導入する場合も、「予約は予約」「カルテはカルテ」「決済は決済」など、業務ごとに異なるベンダーのシステムを導入していることが多く、ペットクリニックからは、「ワンストップで扱えなく、かえって不便」「煩雑さが増したように感じる」といった声が同社に寄せられたといいます。
また、少人数で運営されるクリニックの業務は属人化しやすく、個人の業務負荷が大きくなり、長時間労働につながるリスクも考えられるそうです。
ペットの飼育数は減少傾向にあるものの、1頭当たりの支出は増加傾向にあり、また、ペットクリニックの第3次産業活動指数(第3次産業の生産活動を総合的に捉えるための経済指標)は上昇傾向で推移、開設者数も増加傾向にあるため、クリニックの顧客獲得競争は激化しており、優勝劣敗が鮮明化しつつあると同社は見ています。
(出典:FUNDINNO)
「こうした環境下で、ペットクリニックがサービス品質を高め、顧客の定着・新規獲得の取り組みにリソースを投下できるようにするため、業務のDX化を進め、患者様であるペットと飼い主のユーザー体験を高めるサポートが必要だと考えています」(同社)
データを活用した「人材紹介事業」「ペットフードD2C事業」
同社によると、ペットクリニック向けDX支援システム「Pocket Pet for ドクター」はペットクリニックの業務のうち、外来診療における定型業務をDX化するSaaSです。
現在は(1)予約管理(2)待ち時間・待ち人数表示機能(3)問診のデジタル化(4)誓約書や同意書の文書の電子化(5)LINEによる患者様の呼び出し機能(6)顧客情報DMP(Data Management Platform)まで、開発とクリニックへの提供が完了しています。
今後、クリニックの需要動向を見極めつつ、電子カルテ、処方箋システム、会計システム、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の機能を追加開発する計画です。
(出典:FUNDINNO)
予約や待ち時間の案内をオンライン化し、文書管理をデジタル化することによって、ペットクリニック内での情報連携と業務効率化を実現するとともに、患者にはクリニック検索や予約機能、待ち時間表示などのサービスを提供しており、これによって、クリニックを利用する際の不便さを解消したいと考えています。
また、同社はフィールドセールスや「Pocket Pet for ドクター」を通じて収集したペットクリニックの定性・定量情報やユーザー情報、ペットの情報などを社内データベース化しており、それを活用した新規事業の展開を進めています。
これまで、首都圏を中心に1500カ所以上のペットクリニックを訪問し、営業活動とともに、獣医師やスタッフへの業務の課題や就業環境などに関するヒアリングを実施したところ、「人手不足」に悩むクリニックが非常に多いという課題が明らかになったそうです。
さらに「愛玩動物看護師」が国家資格となり、2023年4月から動物看護師の対応範囲が広がるとともに、クリニック側からの需要が増えるものと同社は見込んでいます。
(出典:FUNDINNO)
こうしたニーズや事業環境の変化を受けて、同社は新たな事業として2023年10月より、人材紹介プラットフォームの提供を開始する予定です。
同サービスは、フィールドセールスによって収集した独自の非公開求人を保有している点が特徴であり、人材紹介事業を開始するにあたっては、職業紹介責任者を選任(受講完了)し、有料職業紹介事業の許可申請を進めています。
獣医療・ペットクリニック専用の人材紹介事業として、獣医師・動物看護師・獣医療スタッフ・トリマーのほか、ペットショップやペットトレーナーなど、ペット事業に従事する人々に特化したサービスを展開する予定です。
(出典:FUNDINNO)
また、新規事業としては、一般消費者向けにペットフードの販売代理店事業を開始する予定だといいます。
ペットフード業界は国内外、多くのメーカーが存在し、商品の種類も多種多様で、ペットに合ったフードを見つけ出す難しさがある中で、高品質で安全・安心な商品を自社で目利きし、アレルギーフリーの商品や、無添加商材にこだわった商品の展開を計画しているそうです。
販路については、D2Cのプラットフォームは構築しつつ、同社SaaS導入クリニックや今後、業務提携を模索しているペットシッター事業会社と連携、推奨力が高い獣医師やペットシッターからの口コミ経由で購入してもらうバイラルマーケティングから始め、最終的には自社のプラットフォームへの動線を強化していくとしています。
(出典:FUNDINNO)
ポケットペットの「マネタイズ」「営業戦略」「マーケット・優位性」
【マネタイズ】
(1)「Pocket Pet for ドクター」
現在、メインの収益源となっているSaaS型のDX支援システムは1機能につき月額6980円(税込み)で、1年契約のサブスクサービスとしてマネタイズしています。
複数機能を導入した場合の料金例:6980円×(①予約管理+②LINE呼び出し+③文書のデジタル化:3機能)=2万940円/月
また、現時点ではシステム導入に付随した機能の一つである「待ち時間・待ち人数」の表示を、クリニックのWebサイトに表示させるといった、Web改修などの受託開発も行っています。
(出典:FUNDINNO)
(2)人材紹介事業
紹介したスタッフの年収の30%を手数料として受け取る予定で、フィールドセールスによるペットクリニックとの関係構築によって、すでに複数のクリニックに紹介を待ってもらっているといいます。
人材紹介プラットフォームは2023年10月をめどにローンチ予定で、現在は有料職業紹介事業の許可申請に向けて準備をしているそうです。
(3)D2Cペットフード事業
毎月1カ月分のペットフードを月額7980円(税込み)で配送するサブスクリプション型の販売を計画しており、2024年1月から本格的に販売開始予定。販路はECサイト、提携ペットクリニックなどを想定しています。
ペットフードのサプライヤーとして、国内外3社と商談を進めており、ヒューマングレードのキャットフード・ドッグフード、アレルギーフリーにこだわった商材をそろえる予定です。
獣医師やペットシッターからのバイラルを基軸に、D2Cプラットフォームに載せていくことで幅広い消費者ニーズに応えていきたいといいます。
【営業戦略】
現在、首都圏を中心に、ペットクリニックへのフィールドセールスによって、DX化ニーズのある既存施設や新規開業する若い世代の獣医師の開拓を行っており、これまでに約1500件のクリニックを訪問、DX支援システムの導入を検討する施設のリードを約400件獲得しています。
2023年4月末時点での導入施設数は約20件で、今期から、全国のクリニックにもアプローチを開始する計画です。今期(2024年3月期)の着地は52件を見込んでおり、2026年度に172件、2029年には536件の契約を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
導入1件あたり、平均150~200人のユーザー登録が期待でき、契約クリニック数の拡大によって、アプローチ可能なユーザー数も一気に拡大することを見込んでいるそうです。
投下資本として読みにくくなってきているリスティング広告などのWebマーケティングに投下することなく、獣医師など信頼性の高い人とエンゲージしているユーザーを、広告投下なく獲得できる点が強みだといいます。
「弊社ではカスタマーサクセスを重視し、『クリニックサクセス(CS)』と位置づけ、ユーザー登録の促進にあたっては、システム導入時にペットクリニックを訪問し、来院した飼い主の方一人一人に対して丁寧に登録をサポートするといった地道な取り組みを行っています。
ペットクリニックに対しては『CS』を徹底し、きめ細やかなサポートによって、システムをしっかり活用していただき、利用状況をレポーティングして効果検証を行うなど、業務効率化の推進とタッチポイントの創出に注力しています」(同社)
【マーケット・優位性】
現在、ペットクリニックのDX化支援、人材紹介、ペットフード販売、ペット住宅の賃貸仲介の各事業を直近でアプローチしていく市場に設定していますが、レジャー、アパレル、保険など、ペットが関連する周辺領域を実際にサービス提供可能な市場と捉えており、同領域でビジネス展開を行う事業者とのアライアンスも活用しながら、シェア獲得を目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「Pocket Pet for ドクター」は、ペットクリニックと飼い主の両側からデータを収集しており、そのデータを根拠とすることで、リスクを抑え、成功確度の高い領域をピンポイントで狙ったビジネス展開が可能な点が強みだといいます。
また、システムすべてを自社で開発しており、期限がある中でアジャイルに開発、需要に応じたシステム改修をすでに数十回実施するなど、システムのアーキテクチャーを自らで描き、デザインできる点に競合優位性があるそうです。
今後の成長に向けて
(1)ステークホルダー全体に貢献できる事業を
2023年度中に「Pocket Pet for ドクター」に電子カルテシステムや会計システム、CRMなどの新機能をローンチし、導入クリニックを順次拡大していく計画です。
強固な顧客基盤を築き、新規事業ではまず、ペットクリニックが抱える人材不足の課題を解決することで、クリニックのサービス品質と集客力向上に貢献し、次の段階で、クリニックを利用する飼い主向けに事業領域を拡張していきたいとしています。
「ペットに関わるビジネスは、いまだに事業者・消費者双方にとって不便や不都合といった多くの課題があります。弊社は今後もさまざまな角度から、ペットに関わるビジネスに携わり、一つ一つの課題を解決したいと考えています」(同社)
(2)ペット=家族との暮らしをより豊かに、幸せな時間をより長く
同社は新たな事業領域として、ペットと暮らせる物件に特化した、賃貸仲介事業への進出も視野に入れています。
大手の不動産検索サイトで探せる物件情報のみでは、近隣にペットクリニックや広い公園、ペット同伴可の店舗があるかなどの情報を探すことが難しいといい、「ペットと暮らすことが当たり前の目線に立てる」物件検索プラットフォームの開発を構想しているそうです。
また、自社のブランディングを向上させるWeb施策として、ペットクリニックと飼い主がフラットに情報交換やコミュニケーションできるプラットフォームの開発にも着手しています。
「弊社は、ペットが関わるさまざまな事業を通じて、ペットとの暮らしをより良くするインフラを整備し、ペットと人のQOL(Quality Of Life:生活の質)を向上させ、ペットを含む家族との鮮やかな暮らしが長く続く世界を実現したいと考えています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年にDX支援システムの累計契約クリニック数668件を目指す
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ケアネット <2150> [東証G]
・ジェイフロンティア <2934> [東証G]
・ジーネクスト <4179> [東証G]
・エクサウィザーズ <4259> [東証G]
・アジアクエスト <4261> [東証G]
・ワンキャリア <4377> [東証G]
株主優待
【基準日】
毎年7月末日
【優待内容】
1株以上保有:販売予定のおすすめペットフードの試供品をプレゼント
【申し込み方法】
基準日経過後、予約・注文可能の案内が届くので、同社お問い合わせアドレスまで「株主優待を利用する」と知らせる。希望するペットフードの種類「犬用/猫用」を記入する。
【注意事項】
1人、1年に1回限り
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
ポケットペット株式会社
東京都港区西麻布二丁目13番12号
資本金:30,012,000円(2023年4月20日現在)
発行済株式総数:981株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2022年5月13日
決算日:3月31日
※2023年5月16日を効力発生日として、1株を25株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は24,525株、発行可能株式総数は1,000,000株となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 中田隆三
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 5,000株
■募集株式の払込金額
1株あたり 10,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,500万円を以下の目的に充てる予定
広告宣伝費 500万円
人件費 670万円
手数料 330万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,500万円(目標募集額1,500万円と上限募集額5,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定
広告宣伝費 1,130万円
人件費 1,600万円
手数料 770万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(10株)
200,000円コース(20株)
300,000円コース(30株)
400,000円コース(40株)
500,000円コース(50株)
1,000,000円コース(100株)
2,000,000円コース(200株)
3,000,000円コース(300株)
4,000,000円コース(400株)
5,000,000円コース(500株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(500株)を上限とする。
■申込期間
2023年6月4日~6月20日
■目標募集額
15,000,000円(上限募集額 50,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は40,000,000円とする。
■払込期日
2023年7月13日
■連絡先
ポケットペット株式会社
電話番号:050-3187-9576
メールアドレス:pocketinfo@pocketpet.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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