【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ハイテク主導の展開のなかでは押し目待ち狙いのロングで対応
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 31120 -260 (-0.82%)
TOPIX先物 2144.5 -16.5 (-0.76%)
シカゴ日経平均先物 31145 -235
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長が27日、債務上限問題で原則合意し、デフォルト(債務不履行)を回避する可能性が高まったことから、買い先行で始まった。しかし、一部議員が合意案に反対を表明。議会採決に対する警戒感が高まり、景気敏感株の一角が売られ、NYダウは下げに転じた。半面、長期金利が低下したことでハイテク株に資金が流入し、エヌビディア<NVDA>は3%近い上昇で時価総額が一時1兆ドル台に乗せる場面も見られた。そのほか、アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器、小売が堅調。これに対して、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、エネルギーがさえない。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比235円安の3万1145円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比80円安の3万1300円で始まり、その後3万1450円まで買い戻された。買い一巡後は売り優勢となり、3万1300円~3万1350円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下げ幅を広げ、中盤には3万1060円と日中で付けた安値水準まで売られた。終盤に買い戻されたが戻りは鈍く、3万1120円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、売り優勢の流れから、節目の3万1000円水準での底堅さを見極める展開になりそうだ。ボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内での推移が続くなか、+1σは3万840円に切り上がり、+2σは3万1830円処に上昇。バンドに沿ったトレンドは続くとみられるが、やや+1σ寄りでの推移になりそうだ。エヌビディアは時価総額が一時1兆ドル台に乗せたことで、いったんは達成感が意識されてくる可能性はあるが、ハイテク主導の展開のなか、押し目待ち狙いのロングでの対応になろう。オプション権利行使価格では3万1000円から3万1375円のレンジを想定する。
また、予想されていたことではあるが、米国では債務上限問題を巡り、議会承認を得るまでは慎重姿勢を崩せない。6月半ばに米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米利上げ継続観測が高まっていることも、相場の重荷となる。米連邦準備理事会(FRB)の判断材料となる5月のISM製造業景況指数や5月の雇用統計などの結果発表を控えて様子見ムードも強まりそうだ。そのため、相対的な安心感から海外投資家による日本株選好の動きは継続しやすく、底堅さにつながるとみておきたい。国内ではアドバンテスト <6857> [東証P]が連日で最高値を更新し指数をけん引している。過熱感は警戒されるものの、海外ファンドなどは運用成績の観点から、組み入れざるを得ないと考えられる。
VIX指数は前日比変わらずの17.46だった。一時25日移動平均線を上回る場面も見られたが、終値では同線を下回っており、リスク選好から押し目買いに向かわせそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇し、昨年8月高値の14.58倍に接近している。いったんはNTロングのリバランスが入りやすいタイミングではあるが、ハイテク株主導の展開のなか、NTロングのスタンスが継続しそうだ。
株探ニュース