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【市況】ダウ平均は反落もナスダックは堅調に推移 エヌビディアの時価総額が1兆ドル突破=米国株前半

NY株式30日(NY時間12:57)
ダウ平均   32970.32(-123.02 -0.37%)
ナスダック   13044.61(+68.92 +0.53%)
CME日経平均先物 31105(大証終比:-275 -0.88%)

 連休明けのNY株式市場でダウ平均は反落している一方、ナスダックは堅調に推移している。先週末に米債務上限問題がバイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で合意した。今後は議会審議に移り、明日31日にも採決したい意向。下院共和党の強硬保守派など反対の議員もおり、早期に可決できるかどうかはなお未知数だが、債務不履行(デフォルト)は回避できると見られているようだ。

 市場からは、「今後の議会での採決はまだ小さなリスクをもはらんでいるが、最大のリスクは政治的圧力によって合意形成が妨げられることだ」と指摘したうえで、「合意が成立し、それが今週中に両院を通過する可能性が非常に高い」と述べた。

 市場はもともと楽観視していた面もあったが、実際に合意に達したことにより、若干リスクムードが高まっている。その一方で今回の合意により、市場は本格的にFRBの追加利上げ動向に関心を集中させており、株式市場は慎重姿勢も垣間見せている。

 市場は6月13、14日のFOMCでの利上げ確率を60%程度で見ている。利上げを見込んでいるものの、確信までには至らない状況。7月FOMCまでであれば、1回ないしは2回の利上げの可能性を75%程度で見ている状況。その中で6月、7月の連続利上げの可能性は20%程度。

 いつもの通りに経済指標次第といった雰囲気で、その意味では今週金曜日の米雇用統計、そして、FOMC結果発表前日13日の米消費者物価指数(CPI)を確認したい意向が強い。現時点ではどちらの指標の予想も前回から若干の低下が見込まれているものの、利上げができないほどではない。FOMC委員の中でも追加利上げと据え置きで意見が分かれる中、指標の強弱が明確になれば、方向感ははっきりとする。しかし、そうでない場合は複雑になりそうな局面ではある。

 一方、IT・ハイテク株が本日も上昇。ナスダックは伸び悩んでいるものの、上昇は維持している。エヌビディア<NVDA>が買いを先導し、初の400ドル台に乗せた。チップメーカーとしては初の時価総額1兆ドルを一時突破した。人工知能(AI)関連のリード役として同社株への期待が沸騰している。さすがに割高感は否めないものの、景気の先行きへの不透明感が強く、投資家が他のセクタ-に二の足を踏む中、唯一の光に資金が吸い寄せられているようだ。

 それに絡んで、他のAI関連株にも買いが強まる中、ブロードコム<AVGO>も一時900ドル台に急上昇するなど最高値更新している。アナリストからは、同社はカスタムチップ設計の増加傾向から強い恩恵を受けるはずだとの指摘が出ている。同社のカスタムチップ事業はさらなる勢いを示しており、高度AIプロセッサチップであるTPUに対するグーグルからの注文が加速しているという。

 テスラ<TSLA>が上昇。マスクCEOが中国の北京を訪問しており、中国の秦外相と会談。マスクCEOは中国とのデカップリングに反対姿勢を示し、中国でのビジネスを拡大する意思があると述べていた。

ブロードコム<AVGO> 833.64(+20.91 +2.57%)

アップル<AAPL> 177.85(+2.42 +1.38%)
マイクロソフト<MSFT> 332.10(-0.79 -0.24%)
アマゾン<AMZN> 121.92(+1.81 +1.51%)
アルファベットC<GOOG> 125.06(-0.37 -0.30%)
テスラ<TSLA> 199.37(+6.20 +3.21%)
メタ・プラットフォームズ<META> 265.67(+3.63 +1.38%)
AMD<AMD> 126.45(-0.58 -0.46%)
エヌビディア<NVDA> 404.00(+14.54 +3.73%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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