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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):富士通ゼ、豊田合、三井倉HD

富士通ゼ <日足> 「株探」多機能チャートより
■富士通ゼネラル <6755>  3,250円  -150 円 (-4.4%)  本日終値  東証プライム 下落率7位
 富士通ゼネラル<6755>が後場に下げ幅を拡大した。この日、富士通<6702>が売却手続きを進めるグループ会社の富士通ゼを巡る交渉が、事実上こう着した状態に陥っていると一部で伝わった。富士通ゼに対しては、他社による買収時に株価に上乗せされるプレミアムへの期待を後退させる格好となり、売りが膨らんだようだ。報道によると、2月時点で買い手候補として1次入札を通過した3社のうち、スウェーデンのニーベインダストリエが3月に撤退を発表。米系投資ファンドのKKRも撤退を検討しているという。株価の上昇が交渉難航の理由とし、買収資金を融資する銀行団も割高とみて慎重な姿勢とみられるという。

■豊田合成 <7282>  2,321円  -68 円 (-2.9%)  本日終値
 豊田合成<7282>は軟調。18日の取引終了後、米国子会社が製造した運転席用エアバッグを搭載するゼネラル・モーターズ<GM>の車両に関し、米国とカナダ当局からリコールが公表されたと発表した。業績への影響を懸念した売りが出たようだ。ゼネラル・モーターズが2014年から17年に製造した3車種について、エアバッグのガス発生装置に異常が生じる恐れがあるため。米ARC Automotiveで製造され、豊田合の米国子会社に納入された。リコールが公表された台数は米国が約99万台、カナダが約4万台。同社はリコールに伴う今期の業績への影響を合理的に算出することは現時点では困難とし、開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表するとした。

■三井倉HD <9302>  3,455円  -50 円 (-1.4%)  本日終値
 三井倉庫ホールディングス<9302>は1月5日安値3460円を下回り、年初来安値を更新。今月10日に前期決算とあわせ今24年3月期見通しを発表し、売上高を前期比6.9%減の2800億円、営業利益を同23.0%減の200億円とした。航空・海上運賃の高止まりによる影響があった前期からの反動減が想定されるほか、人件費や燃料費の高騰、DX投資に向けた先行費用などが響く見込み。年間配当も前期比55円減の134円としている。今期の減収減益見通しと減配方針を受け、全体上げ相場のなか同社株は軟調展開を続けている。

■EduLab <4427>  435円  +80 円 (+22.5%) ストップ高   本日終値
 EduLab<4427>がストップ高。正午ごろ、GPT-3.5を活用したAI自動採点ソリューションを教育業界向けに提供開始したと発表したことが好感された。同ソリューションは、同社グループが独自に開発を進めてきた自然言語処理技術に、米オープンAI社の「GPT-3.5」を組み合わせた新たな自動採点エンジンを開発し、汎用性もありながら精度の高い採点を行うことを可能としたのが特徴。主に英語のライティングやスピーキングテストの採点を行うことができ、今後は日本語の論述形式の解答にも対応を進めるとしている。

■アララ <4015>  490円  +80 円 (+19.5%) ストップ高   本日終値
 アララ<4015>がストップ高。同社子会社のバリューデザインはきょう、NTTドコモ(東京都千代田区)が提供する電子マネー「iD」のライセンスを取得したと発表。自社が提供する独自Pay(店舗独自のハウス電子マネー)サービスが、全国200万カ所を超える「iD」加盟店でも利用できるようになるとしており、これが材料視されたようだ。

■アーレスティ <5852>  684円  +91 円 (+15.4%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 アーレスティ<5852>は大幅続伸。18日の取引終了後に24年3月期業績予想を発表。売上高を前期比6.4%増の1500億円としたほか、営業利益を前期実績(2300万円)から大幅増となる22億円を見込んでおり、これを好感した買いが入った。年間配当も前期比5円増の15円とした。同時に発表した23年3月期決算は、売上高が前の期比21.2%増の1409億3800万円、営業利益が前の期赤字から2300万円の黒字に転換して着地。受注量の回復をはじめ、生産体制の効率化や原価低減活動などの取り組みが業績を押し上げた。また、価格転嫁が進んだことも寄与した。

■パレモ・HD <2778>  211円  +15 円 (+7.7%)  本日終値
 パレモ・ホールディングス<2778>は急伸。婦人衣料や雑貨をチェーン展開している。筆頭株主は西松屋チェーン<7545>で、協業に向けた動きも模索している。足もとの業績は回復色を強めており、23年2月期に営業損益が5億2700万円と黒字化(前の期実績は7億900万円の赤字)を達成し、続く24年2月期は前期比21%増の6億3500万円を見込んでいる。そうしたなか、18日取引終了後、23年2月期決算短信に記載されていた「継続企業の前提に関する注記」を解消することを発表した。また、営業店舗の賃貸借契約の解約等に伴う補償として今期第3四半期に受取補償金1億6800万円を特別利益に計上する見込みであることも併せて発表しており、これを材料視する買いが集中した。

■Speee <4499>  1,697円  +107 円 (+6.7%)  本日終値
 Speee<4499>が後場上げ幅を拡大。午前11時30分ごろ、企業向けAI人材育成サービスを展開するデータミックス(東京都千代田区)と共同で、ChatGPTをはじめとするAIを経営に組み込む活用支援サービスを開始したと発表しており、好材料視された。エグゼクティブ層に対して、AI活用の経営リテラシーの獲得から活用までの支援サービスを提供する。両社はともにAIやデータ活用を経営の中核に据え、ビジネスモデルの競争力の源泉として活用しており、人的資本・組織ケイパビリティといった経営資源においても、遺伝子レベルでAIやデータ活用を醸成してきた実績があることから、そのナレッジをクライアントの経営層に提供し、活用を支援するとしている。

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