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【材料】JPモルガンがファースト・リパブリックを買収=米国株個別

 JPモルガン<JPM>が経営難に陥っている米地銀ファースト・リパブリック<FRC>を買収する。米連邦預金保険公社(FDIC)が実施した緊急入札にJPモルガンが落札した。

 JPモルガンは、ファースト・リパブリックの1039億ドル相当の預金すべてを引き受け、2291億ドル規模の資産の大半を取得する。預金のうち300億ドルは大手銀が3月に救済目的で注入したものが、JPモルガンはこの300億ドルは返還すると約束した。預金注入の救済策をまとめたのはJPモルガンのダイモンCEOだった。

 ダイモンCEOは声明で「政府が当行や他の銀行に入札参加を促した。当行の財務力と能力、事業モデルによって、預金保険基金への負担を最小とする形で買収を実行できる案を提示することができた」と説明

 JPモルガンは買収を巡り26億ドルの特別利益を計上する予定。また、向こう1年半で20億ドルの関連再編コストを見込んでいる。

 JPモルガンは、ファースト・リパブリック買収後もJPモルガンのティア1資本比率は1-3月期目標の13.5%に沿う水準となり、買収により年5億ドル余りの純利益増加につながると試算している。

 ファースト・リパブリックがあるカリフォルニア州の金融保護イノベーション局(DFPI)によると、FDICをファースト・リパブリックの管財人に指定し、預金は適用される制限の中でFDICの下、連邦政府によって保護されると説明した。

 今回の買収により、JPモルガンはさらに大きくなる。同行の規模と米預金に占める割合の大きさから通常ならば買収を通じたこれ以上の預金拡大は認められないため、当局にとっては避けたい結末だったという。

 なお、ファースト・リパブリック<FRC>株は取引中断となっている。

(NY時間09:34)
JPモルガン<JPM> 141.94(+3.70 +2.68%)
ファースト・リパブリック<FRC> 取引中断

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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