【市況】NY株式:米国株式市場はまちまち、金融不安が重し
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
ダウ平均は228.96ドル安の33,301.87ドル、ナスダックは55.19ポイント高の11,854.35で取引を終了した。
予想を上回ったハイテク決算を好感し、上昇して始まった。その後、経営難に見舞われている地銀のファースト・リパブリック(FRC)の存続性が一段と危ぶまれ、金融システムの混乱を警戒し売りが加速、ダウ平均は下落に転じた。一方、マイクロソフト(MSFT)など一部ハイテク企業の良好な決算や利上げ観測の後退でナスダック総合指数はプラス圏を維持。主要株価指数はまちまちで終了した。セクター別ではソフトウエア・サービスが上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落。
航空機メーカーのボーイング(BA)は1-3月期決算で売上高が予想を上回ったほか、737マックス型機の生産を年内に引き上げる計画を発表し、上昇した。メキシコ料理レストランを運営するチボトレ・メキシカン・グリル(CMG)は既存店売上の強い伸びがけん引した良好な四半期決算が好感されて上昇。ソフトウエアメーカーのマイクロソフト(MSFT)は1-3月期決算でクラウド事業が好調で、利益、売上高ともに市場予想を上回り、さらに人工知能技術への投資で期待感が広がり、買われた。オンライン小売のアマゾン(AMZN)もコスト削減の一環とした従業員削減計画が開始され、上昇。
一方、経営難に陥ったファースト・リパブリック(FRC)はアドバイザーが救済計画の一環として新株の買い手候補を選択しているとの報道や当局が現時点で介入の意向がないとの報道で売りが加速した。ゲームソフト開発会社のアクティビジョンブリザード(ATVI)は英当局がソフトウエア会社マイクロソフト(MSFT)による買収を阻止する方針を示し、大幅安となった。
取引終了後に決算を発表したソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)は1株利益と売上高が予想を上回ったほか、第2四半期収入見通しも予想を上回り時間外取引で急伸。また、動画配信のロク(ROKU)は損失が予想程広がらず、さらに利用者数の増加を好感し買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》
提供:フィスコ