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【特集】山田勉氏【GW接近も日経平均は頑強、5月相場はどう動く】(1) <相場観特集>

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

―企業の決算発表本格化、2万8000円台後半は買いか―

 24日の東京株式市場は、売り買い交錯も日経平均株価は頑強な値動きを示した。早くも4月最終週となり、ゴールデンウィークが接近すると同時に国内企業の決算発表も徐々に本格化するタイミングにある。日経平均は2万8000円台後半で強調展開にあるとはいえ、上値の重さも意識されている。ここからの相場展望と物色の方向性などについて先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「日本株の割安感強く強調展開が続く」

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

 日経平均は3月高値をクリアし、年初来高値圏でなお頑強な値動きを示している。次の上値メドとなるのが昨年8月高値水準の2万9200円どころだが、そこをクリアして3万円台をうかがう動きが期待される状況だ。

 日本株が強い背景を考えた場合、長く続いたデフレ経済からの脱却期待と足もとで進むインバウンド消費を含めたリオープン(経済再開)の動き、そしてPBR1倍割れ企業に対する東証の改善要請などが株価を強く刺激している。更に株式需給面では、バフェット氏をはじめウォール街が買い意欲をみせている様子で、外国人投資家が本気で買い転換するなら、アベノミクスがスタートした2013年(15兆円買い越し)のようなダイナミックな場面も期待されるのかもしれない。

 これまで日経平均はレンジ相場を抜けられない状況が続いていたが、投資家の心理として全体相場に上値追いのビジョンが描きにくいということがあった。しかし、長期の株価もみ合いによって売り物がこなれたことで、足もとでは国内企業の決算発表を前に見切り発車的に上値を慕う展開に変わりつつある。今後の相場展望として、米銀破綻に端を発した金融不安の再燃や、米利下げシナリオを背景とした急速なドル安・円高といったような逆風材料が出現しない限り、東京市場は強調地合いが継続しそうだ。日経平均は昨年8月の高値水準をクリアできれば、おのずと2万9000円台固めから一段高も視野に入ってくる可能性がある。

 物色対象としては業種を問わず総花的な上昇が見込めるが、そのなか インバウンドやリオープンのテーマに乗る銘柄として、高島屋 <8233> [東証P]や三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]など百貨店株のほか、JR東日本 <9020> [東証P]などJRグループをはじめとする電鉄株、日本航空 <9201> [東証P]など空運株に注目しておきたい。


(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(やまだ・つとむ)
マーケットアナリストとして証券界で十数年活躍。2004年5月、カブドットコム証券(現auカブコム証券)入社。『こちカブ』(ラジオNIKKEI)『まーけっとNavi』(日テレNEWS24)『マーケットホットライン』(ストックボイス)などに出演。

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