【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ゼオン、いちご、ソフトバンクG
ゼオン <日足> 「株探」多機能チャートより
日本ゼオン<4205>は4連騰で年初来高値を更新した。19日の取引終了後、23年3月期の連結業績に関し、最終利益が計画の185億円から105億円(前の期比68.6%減)に下振れたようだと発表した。徳山工場の生産設備などについて、収益性の低下に伴い帳簿価格を回収可能額まで減額し、減損損失116億円を23年3月期第4四半期(1~3月)において特別損失として計上する。株式市場ではいったん悪材料出尽くしと受け止められ、今期の業績回復を期待した買いを集める要因となったようだ。同社は直近の業績動向などを踏まえ、売上高については3880億円(前の期比7.3%増)と、計画の3870億円を上回って着地したようだとしている。
■いちご <2337> 255円 -28 円 (-9.9%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
いちご<2337>が急落し、年初来安値にツラ合わせした。19日の取引終了後、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を開示した。今期の経常利益は前期比44.7%減の60億円を計画。大幅な経常減益の見通しとなったことを嫌気した売りが膨らんだようだ。金利スワップ差益や、アセットマネジメント部門での物件売却による成果報酬がはく落する。一方、特別損失のはく落などを背景に、今期の最終利益は同6.3%増の100億円を予想する。23年2月期の売上高は前の期比19.6%増の680億9300万円、経常利益は同45.2%増の108億4800万円だった。年間配当はこれまでの予想から1円増額の8円で決定。今期の年間配当も8円を継続する予定とした。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,094円 -85 円 (-1.6%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が軟調。スイスの金融大手であるクレディ・スイス・グループ<CS>が、イギリスの金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻を巡り、SBGに約4億4000万ドルの賠償を請求したことが19日明らかになったと伝わった。これを嫌気した売りが出たようだ。クレディ・スイスはロンドンの高等裁判所に提訴した。報道によると、問題となったのはグリーンシルが関与するサプライチェーンファイナンス(SCF)ファンドにあったクレディ・スイスの顧客資金。2021年に破産申請し、SBGの出資を受けていた米新興建設会社のカテラに、グリーンシルの融資を通じて渡っていた。クレディ・スイスは、同社の顧客資産が実質的に回収できなくなった事実を、SBGが把握していたと主張しているという。SBGは訴えに正当性はないとし、法廷で争う構えだとも報じられている。
■ダイワ通信 <7116> 1,914円 +400 円 (+26.4%) ストップ高 本日終値
ダイワ通信<7116>がストップ高。同社は19日、ヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマト運輸との間で、AI顔認証送迎用バス置き去り防止安全装置「Face Roll Call(フェイス・ロール・コール)」の取り付け業務委託契約を締結したと発表。これを買い材料視する見方が急速に強まっているようだ。これにより、ヤマトグループが持つ物流と自動車整備の全国ネットワークやノウハウを活用し、送迎バスを保有する事業者へ直接訪問した上での設置作業が可能になるという。同装置は国土交通省が策定したガイドラインに適合した製品として、内閣府が作成する適合品リストに掲載されている。
■サイバーステップ <3810> 891円 +100 円 (+12.6%) 本日終値
サイバーステップ<3810>が急騰。同社はきょう、完全新作サンドボックスゲーム「テラビット」のPC/Steam版を午後3時にリリースすると発表しており、期待感が高まるかたちとなったようだ。このゲームは、多彩なギミックを組み合わせて自分だけのワールドを作ったり、好きなアバターを自由に身につけワールド内で遊んだり、作ったワールドを公開することで他の人とも一緒に遊べるマルチプレー対応のタイトル。なお、ニンテンドースイッチ版とスマートフォン版は5月下旬、プレイステーション4及び5版は6月以降にリリースする予定だとしている。
■セキュア <4264> 1,147円 +120 円 (+11.7%) 本日終値
セキュア<4264>が後場急伸。同社はきょう、三井不動産<8801>が主導する「MFLP&LOGI Solution」にパートナー企業として参画すると発表。これが材料視されたようだ。MFLP&LOGIソリューションは、物流に関する課題に悩む企業に対し、ハード(物件・設備)とソフト(知見やノウハウ、パートナー企業とのネットワークなど)の両面から解決に導くとともに、その先の成長戦略も支援するコンサルティングサービス。セキュアは自社の人工知能(AI)画像認識技術を活用した監視カメラシステムや入退室管理システムで、セキュリティーの高い環境を維持しながら安心・安全な環境作りを実現するとしている。
■True Data <4416> 621円 +63 円 (+11.3%) 一時ストップ高 本日終値
True Data<4416>が一時ストップ高。同社は19日取引終了後、小売業向け顧客ロイヤルティー向上ソリューション「Shopping Scan for LINE」の提供を開始すると発表。これが材料視されたようだ。このサービスは、購買データを有効活用してデジタル販促の効果を高められる点が大きな特徴で、販売開始は5月1日を予定。小売業のID-POSデータで顧客の購買行動や嗜好、ニーズを人工知能(AI)で分析し、顧客のグループ・クラスタリングにもとづいて、小売業のLINE公式アカウントからクーポンやセール情報などを配信することで、より顧客ニーズにあった体験を提供して満足度を高めることができるという。
■DDホールディングス <3073> 1,135円 +108 円 (+10.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
DDホールディングス<3073>は急激な上昇トレンドを形成。きょうは10%の大幅高で1130円まで上値を伸ばし4連騰、新値街道をまい進中だ。「わらやき屋」など居酒屋をはじめ複数の業態の飲食店を経営するが、訪日外国人観光客の急増で収益環境に強い追い風が吹いている。直近では19日取引終了後、同社の連結子会社であるダイヤモンドダイニングが東京都新宿区西新宿で運営している居酒屋店舗をリニューアルオープン(韓国大衆酒場ラッキーソウル)することを発表、一段の恩恵享受が期待される。また、同社はホテル事業も展開しており、こちらもインバウンド特需を取り込む公算が大きい。24年2月期は営業利益段階で前期比3.3倍の15億2400万円と急回復を予想している。
■Aiming <3911> 470円 +39 円 (+9.1%) 本日終値
Aiming<3911>が後場急伸。正午ごろ、RPG「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル」(通称「ダンクロ」)のサービス開始日が5月23日に決定したと発表しており、好材料視された。「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」(通称「ダンまち」)は、小説のシリーズ累計発行部数1200万部を超え、アニメはテレビシリーズ4期ほか外伝や劇場版も制作される人気作品。23年現在で原作10周年記念プロジェクトが進行中で、「ダンクロ」はこの記念プロジェクトの一つとして発表されている。なお、サービス開始に先駆け、事前登録をきょう開始している。
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