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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 3月高値を射程に権利行使価格の2万8250円~2万8500円のレンジを想定


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28370 +180 (+0.63%)
TOPIX先物 2016.5 +8.0 (+0.39%)
シカゴ日経平均先物 28395 +205
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。3月の米卸売物価指数(PPI)が前月比から0.5%低下したほか、食品とエネルギー除くコアPPIは同0.1%低下と、いずれも市場予想を下回った。インフレ圧力が緩和しているとの見方が強まり、米連邦準備理事会(FRB)が5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの期待を背景に買い優勢の展開となった。また、週間の米新規失業保険申請件数が前週比1万1000件増の23万9000件と3週間ぶりに増加に転じたことも、利上げ観測の後退につながった。

 NYダウは2月半ば以来の3万4000ドルを回復したほか、ナスダックは4日ぶりに反発。生成AIを提供すると発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>が4.6%を超える上昇となったほか、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株の上昇が目立った。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、小売、メディアが上昇した一方で、保険、不動産の2セクターが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比205円高の2万8395円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中大阪比30円高の2万8220円で始まり、2万8200円を挟んでこう着するなか、米国市場の開始直後には2万8120円まで売られる場面が見られた。ただし、米PPIを受けた米国株高を追い風に右肩上がりの上昇となり、5日に付けた直近戻り高値2万8330円を突破すると一時2万8440円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は2万8400円を挟んで保ち合い、2万8370円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、買い優勢の展開になりそうだ。米国市場ではPPIの結果を受けた利上げ停止期待により大型テック株の上昇が目立っていたため、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさ株が指数をけん引する格好になろう。また、ファーストリテイリング <9983> [東証P]に決算評価の買いが見込まれることから、日経平均型優位の展開が意識される。

 日経225先物はナイトセッションで直近戻り高値を突破し、3月9日の高値2万8480円に接近してきており、同水準をターゲットとしたロングの動きが強まることになろう。そのため、オプション権利行使価格の2万8250円~2万8500円のレンジを想定する。2万8540円辺りにボリンジャーバンドの+2σが位置しているため、いったんは達成感につながる可能性もあるだろう。

 ただし、直近の戻り高値水準での底堅さがみられるようだと、ショートカバーを交えたトレンドが強まると考えられ、達成感が意識されるなかでもショートポジションは避けておきたい。また、VIX指数は17.80と18.00を割り込み、2カ月ぶりの水準に低下しているため、リスク選好に向かわせやすい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。朝方はTOPIX優位のなかで一時13.96倍に低下し、25日移動平均線を下回ったものの、その後はNTショートの巻き戻しにより25日線を上回っての推移となった。本日はファーストリテイリングなど指数インパクトの大きい値がさ株がけん引する一方で、米大手銀の決算発表を控えるなかでメガバンクなどは手掛けづらくなると考えられ、NTロングの動きに向かわせよう。

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