【市況】今週の【早わかり株式市況】反発、金融不安後退し底堅さを発揮
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶり反発、前週大幅安の反動で
2.UBSのクレディ買収決定、過度な不安心理が後退
3.米財務長官が預金保護の可能性言及、リスクオンに
4.FOMCで0.25%利上げ、その後の要人発言で米株安
5.東京市場は買い手控えムードのなか、底堅さ発揮
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比51円(0.2%)高の2万7385円と、2週ぶりに反発した。
今週は、米金融システム不安に対する警戒感が高まった前週と比べ、ややリスク回避ムードは後退。ただ、引き続き警戒感はくすぶり続け、イエレン米財務長官など要人の発言に一喜一憂する展開となった。
週明け20日(月)の東京株式市場は、買い手控えムードが強まった。経営不安が取り沙汰されていたスイス金融大手クレディ・スイス<CS>が同業のUBSグループ<UBS>に買収されることが決定。これを受け、この日の日経平均は過度な不安心理の後退から朝方プラス圏で推移する場面もあった。ただ、翌日の休場を前に保有ポジションを低める動きが優勢となり、前場中盤以降は次第安の展開に。21日(火)は春分の日の祝日で休場。22日(水)は月曜日とは打って変わってリスクオンの地合いとなった。日本が祝日の間に、米国株市場ではイエレン米財務長官による銀行預金保護の可能性への言及を手掛かりに大幅高に買われていた。東京市場もこのリスクオンの流れを引き継ぎ、日経平均は500円超の上昇をみせた。23日(木)は米株安を受けて朝方こそ日経平均は下値を試す動きを見せたものの、その後は一貫して下げ渋る展開となった。前日の米株市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利上げ決定は波乱要因とならなかったものの、その後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見やイエレン財務長官の発言が投資家心理を悪化させた。東京市場もリスクオフの流れとなったが、米株価指数先物を横目に底堅さを発揮し日経平均は小反落で引けている。24日(金)も日経平均は小幅に下落。週末要因をはじめ、為替市場での円高進行が買いを手控えさせた。
■来週のポイント
来週もくすぶり続ける金融システム不安への警戒を解くことはできず、神経質な展開となりそうだ。ただ、FOMCを通過したことで利上げ停止期待からのリスクオンの流れも期待できるかもしれない。日経平均は30日に配当権利落ち日を控え250円ほどの影響が予想されているが、配当再投資に絡む需要が下支えとなりそうだ。
重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される2月の完全失業率、有効求人倍率、鉱工業生産が注目される。海外では、28日発表の米国3月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、31日に発表される中国3月製造業PMIと米国2月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(3月20日~3月24日)
【↓】 3月20日(月)―― 大幅反落、欧米株安を受け2万7000円台割れ
日経平均 26945.67( -388.12) 売買高13億6028万株 売買代金 2兆9764億円
【↑】 3月22日(水)―― 大幅反発、欧米の金融不安が和らぎ買い優勢
日経平均 27466.61( +520.94) 売買高12億5179万株 売買代金 2兆9372億円
【↓】 3月23日(木)―― 反落、朝安も半導体関連が買われ下げ渋る
日経平均 27419.61( -47.00) 売買高10億4119万株 売買代金 2兆4742億円
【↓】 3月24日(金)―― 小幅続落、円高が警戒され利益確定の売り優勢
日経平均 27385.25( -34.36) 売買高10億1922万株 売買代金 2兆5249億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、18業種が値下がり
(2)値下がり率トップは三井不 <8801> など不動産
(3)内需株は不動産のほか三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、SGHD <9143> など陸運が軟調
(4)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器が安い一方、東芝 <6502> など電機、ダイキン <6367> など機械は買われた
(5)金融株は東京海上 <8766> など保険、みずほFG <8411> など銀行が売られたが大和 <8601> など証券は高い
(6)値上がり率トップは出光興産 <5019> など石油。資源株は住友鉱 <5713> など非鉄も堅調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 人工知能
2(4) 半導体
3(9) チャットボット
4(2) 銀行
5(3) パワー半導体
※カッコは前週の順位
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