【市況】21日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続伸、金融危機不安が緩和
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:米国株式市場は続伸、金融危機不安が緩和
ダウ平均は316.02ドル高の32,560.60ドル、ナスダックは184.57 ポイント高の11,860.11で取引を終了した。
イエレン財務長官が講演で金融システムにも影響しかねない中小銀行保護で必要なら再び介入する方針を表明したため、地銀が買い戻される形で寄り付き後、上昇。一方、期待されていた全預金保護などの規制変更の決定は「まだ時期尚早」としたため、早期の保護拡大への期待が後退し、一時伸び悩んだ。ただ、長官は同時に、現時点で金融システムは堅調との見解を示したことも金融不安後退につながり、終盤にかけて再び上げ幅を拡大して終了した。セクター別では自動車・自動車部品、銀行が上昇した一方、不動産が下落した。
地銀のファースト・リパブリック・バンク(FRC)、キーコープ(KEY)、USバンコープ(USB)は当局の金融支援拡大期待からそれぞれ上昇。大手のJPモルガン(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)もシステム保護支援が期待され上昇。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は格付け会社ムーディーズが同社の格付けをジャンク級(投機的)から投資適格級に引き上げたため買われた。石油会社のエクソン・モービル(XOM)は石油価格の上昇やアナリストの投資判断引き上げを受けて上昇した。履物販売会社のフット・ロッカー(FL)やハーレーダビッドソン(HOG)もそれぞれアナリストの投資判断引き上げで上昇した。また、半導体のエヌビディア(NVDA)は人工知能スーパーコンピューティングを発表し、買われた。
スポーツ用品ブランドのナイキ(NKE)は取引終了後に四半期決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:世界金融危機への不安が緩和、リスクオン継続
21日のニューヨーク外為市場でドル・円は、131円80銭から132円63銭まで上昇して132円54銭で引けた。イエレン財務長官が金融システムを保護するため再び介入することも辞さない姿勢を表明し地銀株の回復で金融不安が緩和し、リスク選好の円売り・ドル買いが強まった。2月中古住宅販売件数が予想を上回る伸びを示し、さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が今回の会合で25ベーシスポイントの利上げに踏み切るとの観測で金利が上昇したことも、ドル買いを支援した。
ユーロ・ドルは、1.0788ドルまで上昇後、1.0755ドルまで反落し1.0768ドルで引けた。ユーロ・円は142円79銭まで上昇後、141円92銭まで弱含むも底堅く推移。ポンド・ドルは、1.2260ドルから1.2179ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9255フランから0.9210フランまで下落した。
■NY原油:続伸で69.67ドル、リスク選好的な買いが増える
NY原油先物5月限は続伸(NYMEX原油5月限終値:69.67 ↑1.85)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+1.85ドルの69.67ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは66.90ドル-69.77ドル。ロンドン市場の序盤にかけて66.90ドルまで売られたが、欧米金融不安は緩和し、米国株式は上昇していることから、原油先物は69.77ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引でも69ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.59ドル +0.84ドル(+3.03%)
モルガン・スタンレー(MS) 88.76ドル +3.12ドル(+3.64%)
ゴールドマン・サックス(GS)317.28ドル +7.75ドル(+2.50%)
インテル(INTC) 28.46ドル -0.70ドル(-2.40%)
アップル(AAPL) 159.28ドル +1.88ドル(+1.19%)
アルファベット(GOOG) 105.84ドル +3.91ドル(+3.84%)
メタ(META) 202.16ドル +4.35ドル(+2.20%)
キャタピラー(CAT) 224.92ドル +4.61ドル(+2.09%)
アルコア(AA) 41.91ドル +1.63ドル(+4.05%)
ウォルマート(WMT) 140.42ドル -0.48ドル(-0.34%)
《NH》
提供:フィスコ