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【市況】米国株式市場見通し:FOMCに注目、相場は引き続き荒い展開か


 

21-22日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)に注目だ。中堅銀行2行の経営破綻に加え、地銀のファースト・リパブリック・バンクも複数銀行の預金による支援が供給されたものの預金流出への懸念が払しょくせず、依然脆弱で金融市場での連鎖的な破綻リスクには引き続き警戒だ。一部の投資家はこの処置によって、かえって金融全体にリスクが広がったと警告している。また、金融不安を受け、FRBの金融政策に最も敏感な2年債利回りの週の変動幅は1987年来で最大を記録するなど、債券市場がかなり荒い展開を見せていることも危険信号だ。銀行の対処の行方次第という極めて流動的な状況下、果たして、FRBが計画通り0.25ポイントの利上げに踏み切るかどうかが鍵となりそうだ。

欧州中央銀行(ECB)はクレディ・スイス銀がスイス中銀から資金供給を受けるなど欧州でも金融混乱が広がる中、今週の理事会で計画通り0.50ポイントの利上げに踏み切った。インフレ制御を重要視しただけでなく、0.50の利上げを見送ることでさらなるパニックを市場に引き起こすことを懸念したことも決定理由になったという。FRBも計画通りに0.25ポイントの利上げを実施することで金融市場への自信を表明するとの見方もあり、短期金融市場では現状0.25ポイントの利上げを6割程織り込んだ。一方、パウエル議長が会見で、今後の利上げ停止の可能性などに言及しハト派色を強めるとの思惑が強まりつつある。ただ、金融政策動向は依然として流動的であるほか、金融混乱も完全に収束したとは考えにくく、引き続き荒い展開となるだろう。

経済指標では、2月中古住宅販売件数(21日)、週次新規失業保険申請件数、2月新築住宅販売件数、3月カンザスシティ連銀製造業活動指数(23日)、2月耐久財受注速報、3月製造業PMI速報(24日)、が予定されている。また、連邦準備制度理事会(FRB)は21日、22日にFOMCを開催する。

主要企業決算では靴小売りのフット・ロッカー(20日)、スポーツ用品ブランドのナイキ、ゲーム販売のゲームストップ(21日)、ペット向け健康サービスを提供するペトコ・ヘルス・アンド・ウェルネス、オンラインペット用品小売りのチューイ、住宅建設のKBホーム(22日)、食品会社のゼネラル・ミルズ、レストラン運営のダーデン・レストランツ、コンサルティングサービスのアクセンチュア(23日)などが予定されている。ナイキは客足数の伸びが報告されているほか、中国経済の再開が奏功し強い決算に期待したい。
(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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