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【市況】ダウ先物は271ドル安 ファースト・リパブリックに再び売り=米国株

米株価指数先物(6月限)(NY時間08:53)
ダウ先物 32213(-271.00 -0.84%)
S&P500 3965.50(-29.00 -0.74%)
ナスダック100先物 12684.00(-31.50 -0.25%)

 米株価指数先物市場でダウ先物は下落しており、きょうは反落して始まりそうな雰囲気だ。ファースト・リパブリック<FRC>が時間外で再び売らていることも雰囲気を悪化させている。

 金融システムへの不安感が強まっているが、前日は複数の金融機関がファースト・リパブリックの支援に合意したことで、市場はひとまず落ち着きを取り戻している。クレディスイス問題も浮上し、今週は金融システムを巡って波乱の1週間となったが、意外にも株価指数は週足陽線で終わりそうで、1月以来の週間ベストパフォーマンスとなる勢いだ。

 一部からは「市場には押し目買いがある。地銀の危機は経済と市場にとって大きなマイナス要因だが、2008年のリーマンショックとは違い、危機前に存在した過大な負担はサブプライムローンではなく、過度にタカ派で不合理なFRBだ」といった声も出ている。

 一方、「FRBの引き締めサイクルのたびに経済の弱点が露呈するが、今回、われわれが経験したのは、米連邦預金保険公社(FDIC)の大失態だ。FRBが何を言うかを確認するまでは少し慎重になることを推奨する」といった声も聞かれる。

 また、悲観的な見方は相変わらず多い。「市場はまだ悲観シナリオを十分に織り込んではおらず、上値での戻り待ちの売りを推奨する」といった声も多い。

 その意味でも来週のFOMCは注目だが、市場はいまのところ0.25%ポイントの利上げを有力視している。確率は70%程度で織り込む動き。今回はFOMC委員の金利見通し公表され、今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終到達点)をどの辺で設定してくるのか、また、声明やパウエル議長の会見は慎重なアプローチを強調してくるのか注目される。

 ファースト・リパブリック<FRC>が時間外で再び売りが強まっている。アナリストからは「今回の支援は投資家の懸念払拭に役立つだろうが、FRBからの新規資金は市場金利で追加されていることから、同銀の収益力は今後、打撃を受ける可能性がある」といった指摘が出ている。

 フェデックス<FDX>が時間外で大幅高。前日引け後に決算を発表し、需要の弱さを指摘したものの、通期の1株利益の見通しを上方修正しており、コスト削減が定着したことを好感している模様。

(NY時間09:03) 時間外
ファースト・リパブリック<FRC> 26.66(-7.61 -22.21%)
フェデックス<FDX> 226.70(+22.65 +11.10%)

アップル<AAPL> 155.84(-0.01 -0.01%)
マイクロソフト<MSFT> 277.70(+1.50 +0.54%)
アマゾン・ドット・コム<AMZN> 99.50(-0.54 -0.54%)
アルファベット<GOOG> 100.20(-0.87 -0.86%)
テスラ<TSLA> 183.63(-0.50 -0.27%)
メタ・プラットフォームズ<META> 201.00(-3.93 -1.92%)
AMD<AMD> 97.35(+0.75 +0.78%)
エヌビディア<NVDA> 259.42(+4.01 +1.57%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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