【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井ハイテク、サムコ、三菱UFJ
三井ハイテク <日足> 「株探」多機能チャートより
三井ハイテック<6966>は急反発。14日の取引終了後、23年1月期の連結決算の発表にあわせ、24年1月期の業績と配当予想を開示した。今期の最終利益は前期比5.6%減の166億円を計画する一方、年間配当予想は同7円増配の72円に設定した。更に、中期経営計画の目標値を修正。25年1月期の営業利益目標を300億円から330億円(今期の見通しは226億円)に引き上げており、好感されたようだ。今期の売上高は前期比17.4%増の2050億円を見込む。25年1月期の売上高は2300億円から2540億円に見直した。電動車市場の成長による需要増加や為替レートの円安進行を背景に、中期計画の収益目標を増額修正した。中期計画期間(3カ年合計)の設備投資額も680億円から1000億円に増やした。24年1月期は電動車向け駆動・発電用モーターコアの需要が引き続き拡大する見込みで、電機部品事業では増収増益を計画。電子部品事業は半導体の在庫調整の影響などを織り込み、通期では減収減益となる見通しを示している。
■サムコ <6387> 4,020円 +430 円 (+12.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
サムコ<6387>が大幅高に買われ22年11月下旬以来となる4000円大台回復を果たした。上場来高値4260円奪回から青空圏突入も視野に入ってきた。パワー半導体関連が相次いで人気化するなか、高技術力を武器とする関連有力銘柄として同社株が改めて浮上している。同社が開発した新型ALD装置「AD-800LP」は、脱炭素実現に貢献する炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を材料とした次世代パワー半導体のゲート酸化膜形成用として注目が集まっており、会社側でも期待を寄せる戦略商品となっている。そうしたなか、前日に三菱電機<6503>が熊本県の生産拠点に、電力制御に使うパワー半導体の新工場を建設すると発表した。SiCパワー半導体で、ウェハーの大口径化に対応し、徹底した自動化により生産効率を上げる方針が伝わっており、ハイレベルな商品競争力を有するサムコなどに収益チャンスが広がる可能性がある。このほか、量子デバイス開発分野でも新型プラズマALD装置の需要が見込まれている。英国の量子コンピューター・ベンチャーであるオックスフォード・クァンタム・サーキッツが日本市場に参入するなか、ここでもサムコの存在感が高まりそうだ。
■ジーニー <6562> 1,843円 +90 円 (+5.1%) 本日終値
14日に発表した「GENIEE DOOHがガーデンユニカと連携」が買い材料。
デジタル屋外広告プラットフォーム「GENIEE DOOH」がガーデン・ユニカと連携を開始。
■アドヴァングループ <7463> 963円 +44 円 (+4.8%) 本日終値
アドヴァングループ<7463>が5日ぶりに反発。この日の寄り前、23年3月期の期末配当予想を20円から30円へ引き上げると発表しており、好材料視された。今期に創業50期を迎えることを記念して10円の記念配当を実施する。年間配当予想は50円となり、前期実績に対しては15円の増配になる予定だ。
■三菱UFJ <8306> 861.5円 +38.5 円 (+4.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが軒並み高。米国で銀行破綻が相次ぐなか、直近はリスク回避目的の売りがかさみ、いずれも株価水準を大きく切り下げていた。ヘッジファンドによる債券売り・銀行株買いの巻き戻しによる下げ圧力や、一部個人投資家の信用取引の追い証回避のための投げ売りなどが下げを助長していたが、足もとはリバウンドに転じている。前日の米国株市場では金融株の買い戻しが顕著で全体指数を押し上げており、その流れを受けて東京市場でもオーバーシュート気味に売り込まれたメガバンクをはじめとする銀行株に投資資金が向かっている。
■東海理化電機製作所 <6995> 1,583円 +54 円 (+3.5%) 本日終値
東海理化電機製作所<6995>は後場に上げ幅拡大。午後2時、23年3月期の連結業績予想の上方修正を発表しており、好感されたようだ。今期の売上高の見通しを5300億円から5400億円(前期比10.8%増)、最終利益の見通しを60億円から70億円(同96.1%増)に引き上げた。為替が想定よりも円安に振れたほか、原材料価格の高騰を受けた価格転嫁も奏功する。
■積水ハウス <1928> 2,706円 +80.5 円 (+3.1%) 本日終値
積水ハウス<1928>が3日ぶりに反発した。水戸証券が14日、同社株について新規に投資判断「B+(やや強気)」に設定した。目標株価は3200円とする。24年1月期は米国住宅事業が調整局面となる一方、国内事業がカバーすると想定。戸建・賃貸住宅の需要の底堅さに加え、資材価格高騰の一服と、前期に実施した価格改定効果などが寄与するとみる。同証券は、積水ハウスの24年1月期の営業利益が2650億円になると予想する。
■川崎汽船 <9107> 3,440円 +95 円 (+2.8%) 本日終値
川崎汽船<9107>が反発。14日の取引終了後、3月29日付で自社株3353万6000株(発行済み株数の11.80%)を消却すると発表したことが好材料視された。
■アイホン <6718> 2,022円 +49 円 (+2.5%) 本日終値
アイホン<6718>が4日ぶりに反発。14日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を522億円から524億円(前期比0.8%増)へ、営業利益を27億円から36億円(同35.0%減)へ、純利益を24億円から30億円(同29.0%減)へ上方修正したことが好感された。売り上げが順調なことに加えて、経費削減や一部経費の翌期への繰り越しなどが寄与するとしている。
■サッポロHD <2501> 3,330円 +75 円 (+2.3%) 本日終値
サッポロホールディングス<2501>が4日ぶりに反発した。シンガポールを拠点とする投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが14日、サッポロHD株主に対する書簡を公表した。これを思惑視した買いが株価の支援材料となったようだ。3D側は、サッポロHDの中期経営計画における酒類事業の目標設定の低さと、不動産事業をコア事業として位置づけ直したことを問題視したうえで、中期経営計画の再検証が必要だとの考えを示している。
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