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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):若築建、ベルテクス、物語コーポ

若築建 <日足> 「株探」多機能チャートより
■若築建設 <1888>  3,560円  +55 円 (+1.6%)  本日終値
 若築建設<1888>が7日続伸し連日の昨年来高値更新となった。9日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を52億円から57億5000万円(前期比15.9%減)へ、純利益を34億5000万円から49億円(同3.5%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を80円から100円へ引き上げたことが好感された。売上高は840億円(同5.8%減)の従来見通しを据え置いたものの、同社の施工する工事は工期が短期間の案件が多いため、資機材費高騰の影響が小さいことに加えて、土木工事で不採算工事が減少し、特に竣工時の請負金最終精算において採算性が向上していることなどが利益を押し上げる。

■ベルテクス <5290>  1,332円  +16 円 (+1.2%)  本日終値
 ベルテクスコーポレーション<5290>が3日ぶりに反発。9日の取引終了後、上限を22万株(発行済み株数の0.82%)、または3億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は3月10日から6月30日までで、株主還元の充実と、資本効率の向上及び経営環境の変化に応じた機動的な資本政策を実行することが目的という。同時に23年3月期の期末一括配当予想を25円から30円へ引き上げており、これも好材料視されている。前期実績80円(ただし22年5月12日付で1株を3株に株式分割)に対しては実質増配となる予定だ。

■物語コーポレーション <3097>  2,712円  +5 円 (+0.2%)  本日終値
 物語コーポレーション<3097>が4日続伸し連日の昨年来高値更新となった。9日の取引終了後に発表した2月度の月次売上高(速報値)で、既存店売上高が前年同月比36.7%増となり、15カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。主力の焼肉部門が同33.6%増となったことが牽引した。このほかラーメン部門、お好み焼部門、ゆず庵部門、専門店部門の全てで売り上げを大幅に伸ばした。

■鎌倉新書 <6184>  1,009円  -134 円 (-11.7%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 鎌倉新書<6184>が3日続落。9日の取引終了後に24年1月期の連結業績予想を発表。売上高65億1000万円(前期比30.1%増)、営業利益8億6000万円(同25.3%増)、純利益5億8000万円(同27.9%増)と大幅増益を見込むものの、市場予想の営業利益9億円を下回る保守的な見通しであることが売り材料視されたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が薄れ、お墓や葬儀、仏壇の既存事業の安定成長を見込むことに加えて、新規事業である介護、相続、官民協働などの高成長がミックスされ、トップラインの大幅な伸長を見込む。需要の大幅な増加が続く官民協働事業など新領域に投資やコストを積極的に投入するものの、利益面でも大幅な増益となる見通しだ。なお、23年1月期決算は、売上高50億400万円(前の期比30.8%増)、営業利益6億8600万円(同28.9%増)、純利益4億5300万円(同25.6%増)だった。

■日本郵船 <9101>  3,395円  -239 円 (-6.6%)  本日終値
 日本郵船<9101>が後場に急落した。正午に2023年度から始まる4カ年の中期経営計画を策定したと発表。このなかで株主還元として23~24年度で2000億円規模の自己株式の取得などを行うとともに、配当性向の目安を25%から30%に、配当下限金額を100円に引き上げる方針を示した。ただ「業績のピークアウト感が意識される内容となり、印象はネガティブ」(国内投信のファンドマネジャー)との声が出ており、本業のモメンタムを嫌気した売りが膨らんだようだ。郵船の中期計画では、事業投資は26年度までに総額1.2兆円規模とする方針。同年度の当期純利益の計画は2400億円と、22年度見通しの1兆円を大きく下回る水準となっている。このほかの経営目標では、26年度のROIC(投下資本利益率)を6.5%(22年度見通し32%)、ROE(自己資本利益率)を10.2%(同48%)などに設定した。

■三菱UFJ <8306>  932.7円  -60.9 円 (-6.1%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクは売りに押される展開。きょう予定される日銀の金融政策決定会合の結果発表を前に、金融緩和政策の修正があるのかどうかにマーケットの関心が高い。市場では「可能性としては低いが、イールドカーブ・コントロールの撤廃もしくは許容変動幅拡大などに動くケースも考えられ、もしそうなった場合、全体相場は下げ加速となるが、銀行株にはポジティブサプライズとなる」(ネット証券マーケットアナリスト)という声がある。ただ、前日の米国株市場でNYダウが急落し、特に金融セクターの下げが目立ったこともあって、東京市場でも足もと銀行株には思惑が錯綜している。

■セブン&アイ <3382>  6,200円  -389 円 (-5.9%)  本日終値
 セブン&アイ・ホールディングス<3382>が3日ぶりに急反落。同社は9日取引終了後、中期経営計画のアップデートならびにグループ戦略再評価の結果を発表した。このなかで、同社は中期経営計画数値の上方修正を発表するとともに、総合スーパー・イトーヨーカ堂の店舗を、既に閉鎖が決定している店舗に新たに14店舗を加え、23年2月末の126店舗を26年2月末に93店舗とすることを明らかにした。また、アパレル事業から完全撤退する。9日には同社の合理化策が事前に報道されたことで事業再編を評価する買いが流入したが、この日はイトーヨーカ堂の店舗数削減による損失計上の可能性などが警戒され、株価は一転して売りに押される展開となっている。

■第一生命HD <8750>  2,749円  -159 円 (-5.5%)  本日終値
 第一生命ホールディングス<8750>が急落。保険株のほか、みずほフィナンシャルグループ<8411>など銀行株が軒並み安となった。日銀はこの日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模緩和策の維持を全員一致で決定した。市場の一部ではサプライズ的にイールドカーブ・コントロール(YCC)政策などが見直されることで国内金利が上昇し、金融機関の運用環境が好転に向かうとの思惑があった。政策が現状維持となったことでこうした思惑が後退する格好となり、売りが膨らんだようだ。T&Dホールディングス<8795>や東京海上ホールディングス<8766>が軟調。メガバンクやりそなホールディングス<8308>に加え、千葉銀行<8331>やふくおかフィナンシャルグループ<8354>など地銀株が安い。

■日経レバ <1570>  14,770円  -540 円 (-3.5%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が売り優勢となり、1万5000円台を割り込んだ。ここ上値指向を鮮明としていたが、全体リスクオフ相場のなかで8日ぶりに反落を余儀なくされている。日経レバは日経平均株価に連動する形で組成されたETFで、価格変動率が2倍に基本設定されていることもあり、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家を中心とした短期指向の資金による売り買いが活発化する。きょうは前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数が大幅安に売り込まれたことを受け、日経平均が軟化しており、それに追随する動きとなっている。

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