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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ハイテク株物色により、いったんはNTショートの巻き戻しに向かわせよう


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27220 +90 (+0.33%)
TOPIX先物 1985.0 +9.5 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 27230 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、利上げ継続やインフレ対策が指摘されたほか、一部で0.5%利上げを支持するメンバーがいたことが分かった。公表後は大幅利上げを警戒する場面も見られたが、ほぼ想定通りの内容と受け止められた。

 米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長引くとの見方は相場の重荷だったものの、23日は直近の下落に対する自律反発狙いの買いが入った。また、22日夕に発表した決算や見通しが予想を上回ったエヌビディア<NVDA>が14%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やマイクロン・テクノロジー<MU>などに買いが波及した。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、運輸、エネルギーが上昇した一方で、電気通信サービス、食品・生活必需品小売、消費者サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比100円高の2万7230円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、22日の日中大阪比10円安の2万7120円で始まり、その後は緩やかなリバウンドを見せて2万7230円まで買われた。ただし、米国市場の取引開始後に軟化すると、2万7010円まで下落する場面が見られた。売り一巡後は急速に切り返し上昇に転じると、終盤にかけて一時2万7240円まで買われ、2万7220円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は23日の祝日取引で一時2万6950円まで売られ、節目の2万7000円を下回る場面があった。チャート上では一目均衡表の雲上限までの調整を見せたことで、いったんは売り一巡が意識されやすい。一方で、その後は75日移動平均線水準まで戻しているため、同線をクリアできるかが注目されよう。75日線をクリアしてくると、5日、25日線が位置するオプション権利行使価格の2万7375円辺りまでのリバウンドが意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の2万7250円を中心に、上下の権利行使価格である2万7125円~2万7375円での推移を想定する。

 米国でのエヌビディアの決算を評価する流れを受けて、指数インパクトの大きい東京エレクトロン<8035>など半導体株に買いが波及する可能性がある。同社には欧州系証券でレーティング格上げが観測されている。値がさハイテク株が日経平均型をけん引することが期待され、朝方には先回り的に先物にロングが入りやすいだろう。ただし、自律反発を狙ったトレードにとどまると考えられ、24日に1月の米個人消費支出、PCEデフレーターの発表を控えていることから、その後は様子見ムードが高まりそうだ。

 VIX指数は21.14に低下したが、直近で上放れた75日線辺りまでの調整であるため、同線を支持線としたリバウンドが警戒されやすく、リスク選好には向かいづらい。22日のNT倍率は先物中心限月で13.73倍に低下した。切り下がる5日線に上値を抑えられる格好で調整を継続している。ただし、本日は次期日銀総裁候補の植田和男氏らに対する所信聴取と質疑が衆院で行われる。市場では現在の大規模緩和政策の修正への思惑が高まっているが、当面は金融政策を継続する考えを示すとみられ、いったんはリバランスに伴うNTショートの巻き戻しに向かわせよう。

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