【特集】10-12月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 30社選出 <成長株特集>
中国塗 <日足> 「株探」多機能チャートより
本特集では、第1弾を配信した19日時点の時価総額が300億円以上800億円未満の銘柄を対象に、直近3ヵ月実績である10-12月期(第3四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した30社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。なお、下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-12月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。
増益率トップとなったのは中国塗料 <4617> [東証P]。22年10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期の2900万円から19億2700万円に急拡大して着地。主力の船舶用塗料が新造船向け、修繕船向けともに販売が好調だったほか、原材料調達コストの上昇に伴う値上げの浸透や円安効果も収益を押し上げた。好調な業績を踏まえ、23年3月期通期の同利益予想を31億円→43億円(前期比4.2倍)に上方修正したことも好感され、株価は昨年来高値圏に浮上している。
2位にリスト入りしたタムラ製作所 <6768> [東証P]の10-12月期は、電子部品事業で産業機械やエアコン、電動工具向けの販売が増勢だったほか、電子化学実装事業ではソルダーペースト(はんだ材料)の堅調な需要を取り込んだ。また、製品の価格改定を進めたことに加え、為替の円安進行も追い風となり、売上高288億円(前年同期比35.3%増)、経常利益12.1億円(同16.4倍)と業績高変化を遂げた。
3位の日本板硝子 <5202> [東証P]は原材料やエネルギー価格の高騰が利益を圧迫したものの、建築用ガラス事業と自動車用ガラス事業における値上げ効果で吸収し、10-12月期の税引き前利益は77.3億円(前年同期比10.8倍)と2四半期ぶりの大幅黒字を達成した。続く4位のJVCケンウッド <6632> [東証P]は主力の車載機器分野でアンプ、スピーカー、ケーブルなどのOEM販売が拡大したほか、米国公共安全市場の堅調な需要などを背景に無線システムが大きく伸びた。
5位には遊技機向けプリペイドカードシステム大手のゲームカード・ジョイコホールディングス <6249> [東証S]が入った。10-12月期は昨年11月に導入が始まったスマートパチスロに対応するカードユニットの引き合いが好調に推移し、経常利益は前年同期比6.7倍の29.4億円に膨らんだ。業績好調に伴い、減益予想だった通期の同利益を一転して3.1倍増益見通しに大幅上方修正している。
また、9位に入ったパチンコホール向け運用システム最大手のダイコク電機 <6430> [東証P]もスマートパチスロ導入が追い風となった。スマート遊技機に必要なカードユニット「VEGASIA」などの販売台数が計画を大きく上回ったことを受けて、通期業績見通しの大幅上方修正に踏み切った。株価はGCジョイコが約16年ぶりの高値圏、ダイコク電は約9年9ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。
このほか、配当利回りが4%を超えている、7位の三井松島ホールディングス <1518> [東証P]、10位の丸文 <7537> [東証P]、26位のイーグル工業 <6486> [東証P]、28位の日本冶金工業 <5480> [東証P]、29位の日比谷総合設備 <1982> [東証P]は足もとの業績が好調な高配当株として注目したい。3月期末を来月に控え、株価はいずれも頑強な動きとなっている。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想
コード 銘柄名 増益率 10-12月期 連続期数 進捗率 PER
<4617> 中国塗 6545 1927 2 64.9 17.9
<6768> タムラ 1541 1214 3 64.8 22.4
<5202> 板硝子 985 7735 1 - - *
<6632> JVCケンウ 907 13559 1 92.1 4.0 *
<6249> GCジョイコ 566 2949 1 78.5 12.1
<5191> 住友理工 533 5536 1 41.7 60.6 *
<1518> 三井松島HD 469 13366 6 73.8 2.4
<8877> エスリード 432 5309 1 83.8 5.8
<6430> ダイコク電 393 3273 2 130 18.7
<7537> 丸文 359 5242 2 91.1 8.3
<6961> エンプラス 355 2442 9 80.8 7.5
<9726> KNTCT 349 6517 2 106 5.8
<7231> トピー 278 3461 1 83.4 8.7
<7958> 天馬 248 1463 2 64.8 16.2
<1968> 太平電 247 4188 1 95.1 8.5
<8550> 栃木銀 233 2521 2 105 11.7
<6779> 日電波 230 2148 4 90.7 5.6 *
<6590> 芝浦 225 3524 5 81.1 7.8
<3150> グリムス 200 1670 1 106 30.4
<6272> レオン 155 1204 1 81.6 15.1
<5757> CKサンエツ 140 1381 1 83.8 5.6
<9274> KPPGHD 138 5181 4 87.8 3.6
<8934> サンフロ不 136 6366 1 99.3 5.8
<8214> AOKIHD 135 2178 1 47.3 16.6
<8182> いなげや 131 1489 1 47.0 36.6
<6486> イーグル工 122 3694 4 83.0 8.3
<6565> ABホテル 121 996 3 108 26.5
<5480> 冶金工 117 9707 7 88.1 3.9
<1982> 日比谷設 108 2427 1 71.5 13.3
<6257> 藤商事 106 1951 1 149 13.3
※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。「*」は国際会計基準、米国会計基準を採用する銘柄。
※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。対通期進捗率は経常利益の通期計画に対する4-12月期の進捗割合、単位は%。黒字転換、赤字縮小は増益に含めません。
株探ニュース