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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ショートの仕掛けでレンジ下限を割り込む可能性も、早めのショートカバーが意識されやすい


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27250 -200 (-0.72%)
TOPIX先物 1983.5 -12.0 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 27255 -195
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。ウォルマート<WMT>の2024年1月期通期の利益見通しが予想に届かなかったほか、ホーム・デポ<HD>の11月- 1月期決算が予想を下回り、24年1月期通期が減益になる見通しを示したことで、米景気や企業業績への先行き不透明感が広がった。ウォルマートは売り一巡後に小幅ながらプラスに転じたが、ホーム・デポは7%を超える下落となり、他の消費関連株にも売りが波及しNYダウを押し下げた。

また、製造業・サービス業を合わせた2月の米総合購買担当者指数(PMI)は50.2と50を上回り、8カ月ぶりの高水準となるなか、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測が強まった。米長期金利は一時3.96%と昨年11月以来の水準に上昇し、大型テック株やハイテク株が売られた。1月の米中古住宅販売は前月比0.7%減と、前月比でのマイナスは12カ月連続。ウクライナでの戦争を巡り米ロ間の緊張が高まっていることも慎重にさせた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、自動車・同部品、小売、耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置、運輸の弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比195円安の2万7255円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中大阪比20円安の2万7430円で始まり、直後に付けた2万7460円を高値に、2万7360円~2万7450円辺の狭いレンジで推移。米国市場の取引開始後に軟化すると、終盤にかけて下落幅を広げる展開となり、2万7250円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行の展開が見込まれる。ナイトセッションで25日移動平均線をあっさり割り込み、75日線水準まで売られた。1月下旬以降の支持線レベルであるが、短期的にはショートを仕掛けてくる動きによって75日線を割り込んでくる可能性がありそうだ。約1カ月ほどキープしていた水準を下回ることで、ヘッジ対応の動きも加わるため、下へのバイアスが強まることになろう。

 ただし、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えているほか、祝日前ということもあり、早めのショートカバーも意識されやすく、売り一巡後は次第にこう着感が強まることも考えられる。75日線水準での底堅さが見られ、これまでのレンジ下限が機能するようだと、押し目狙いのロングも入りそうだ。もっとも、25日線が心理的な抵抗となる展開が意識されやすいため、オプション権利行使価格の2万7000円~2万7375円辺りのレンジを想定する。

 VIX指数は22.87に上昇した。上値を抑えられていた75日線を一気に上放れ、一時23.34と1月3日以来の水準まで上昇した。昨年12月半ばに付けた25.84が意識されてくるため、慎重姿勢に傾きそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.75倍に低下した。米長期金利の上昇を嫌気して大手テック株などが売られた流れにより、指数インパクトの大きい値がさ株のマイナスインパクトが大きくなると考えられ、NTショートに振れそうだ。

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