【市況】個別に材料が出ている銘柄のほか、テーマ性のある銘柄などに短期資金が向かいやすい/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
20日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。17日の米国市場はNYダウが129ドル高となった一方で、ナスダックは68ポイント安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派発言を受けた利上げ加速を懸念から売りが先行した。その後、リッチモンド連銀のバーキン総裁が柔軟な対応のため0.25%の利上げに支持を表明したため大幅利上げへの懸念が緩和し、売りの勢いも弱まった。終盤にかけては連休を控えた買戻しが先行し、ダウは上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円高の27505円。円相場は1ドル134円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まろう。日経225先物はナイトセッションで一時27380円まで売られる場面が見られたものの、その後は底堅い値動きを見せるなか、終盤にかけて買い戻されていた。5日線が27540円辺りで推移しており、同線に上値を抑えられる可能性はありそうだが、27500円辺りでの底堅さは意識されそうだ。また、20日の米国市場はプレジデントデーの祝日で休場になるため、海外勢のフローは限られそうだ。先物主導での仕掛け的な商いについても早い段階でカバーの動きに向かわせよう。
また、為替市場では1ドル134円20銭台と足もとで円安傾向を見せている。今週は22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、24日に1月の米個人消費支出(PCEデフレーター)が予定されていることもあり、米長期金利の上昇が意識されやすく、金利と為替動向を横目でにらみながらの相場展開に向かわせよう。物色としては米ハイテク株の弱い値動きのほか、足もとでは配当志向の物色が見られていることもあり、バリュー株にシフトしやすいと考えられる。その他、個人主体の売買は個別に材料が出ている銘柄のほか、テーマ性のある銘柄などに短期資金が向かいやすいだろう。
先週は日本民間放送連盟が、「放送分野における外資規制等に係る法令改正に対する意見」を総務省に提出したと報じられた。これを受けてTBSHD<9401>など民放各社が軒並み急伸していたことから、引き続き関心が向かいやすいだろう。また、経産省は経済安全保障推進法に基づき安定供給を図る「特定重要物資」に指定した蓄電池の支援内容を定めたと報じられており、EV関連への手掛かり材料になりそうだ。
《AK》
提供:フィスコ