【市況】米株安を受けてショートが入ったとしても短期的な売り仕掛け/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
17日の日本株市場は、売り一巡後はこう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。16日の米国市場はNYダウが431ドル安だった。1月の生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったため、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続を警戒した売りが先行した。その後もセントルイス連銀のブラード総裁が3月会合でも0.50%の利上げが選択肢と言及すると、売りが加速し下落幅を広げた。セクターでは、自動車・自動車部品、半導体・同製造装置の弱さが目立っていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円安の27515円。円相場は1ドル133円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。日経225先物はナイトセッションで一時27480円まで売られる場面が見られたものの、前日のリバウンドに対するリバランスの動きだった。27500円辺りでの底堅さは意識されていたほか、基本的には足もとのもち合いレンジ内での推移だったこともあり、米株安を受けてショートが入ったとしても短期的な売り仕掛けといったところだろう。そのため、売り一巡後は次第に底堅さがみられそうである。
また、為替市場では1ドル133円90銭台と落ち着いた動きを見せていることは安心感につながると考えられ、売り一巡後の押し目狙いに向かわせよう。米国では自動車・自動車部品セクターの弱さが目立ったが、これはテスラのリコールが影響しているとみられ、他の自動車に売りが波及する流れは限られそうだ。日経平均は27500円を挟んだ狭いレンジ内での推移から積極的な売買は手控えられるものの、調整が強まる局面においては、売り一巡後のリバウンド狙いの買いは入りそうだ。
物色は個別材料を手掛かりとした、個人主体の短期的な値幅取り狙いが中心になりやすいだろう。また、NT倍率は足もとでこう着を継続しているため、NTスプレッド狙いのトレードは限られている。一方で、日経平均はこう着が継続するなか、TOPIXは緩やかなリバウンドを継続しており2000ポイントを回復してきた。昨年11月の戻り高値2023.39ポイントが射程に入るなか、ややNTショートを意識させそうだ。なお、決算発表は一巡したが、昨夕に発表した三菱ケミG<4188>、ブリヂス<5108>、買取王国<3181>が注目されよう。
《AK》
提供:フィスコ