【市況】10日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、景気見通し改善が下支え
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:米国株式市場はまちまち、景気見通し改善が下支え
ダウ平均は169.39ドル高の33,869.27ドル、ナスダックは71.46ポイント安の11,718.12で取引を終了した。
長期金利の上昇を警戒した売りが先行して始まった。一方、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上に改善すると、景気見通し改善に伴う買いが再燃し、ダウ平均は上昇に転じた。他方、金利高を警戒した売りから、ハイテクは終日軟調に推移し、主要株価指数はまちまちで終了した。セクター別では、エネルギーや公益事業が上昇した一方、自動車・自動車部品が下落した。
防衛関連のレイセオン・テクノロジー(RTX)、ゼネラル・ダイナミクス(GD)、ノースロップ・グラマン(NOC)などは政府が先週末、中国の偵察気球を撃墜したことに続き、本日、アラスカ領空で物体を撃墜したとの発表を受け、軒並み上昇。音楽配信のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)は物言う株主バリューアクトが同社株を取得したとの報道で買われた。また、ウェブサイト運営のイエルプ(YELP)は売上が過去最高を記録し、また、通年の見通しも強く買われた。Vansやノースフェイスなどのアパレルブランドを運営するVF(VF)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。
配車サービスのリフト(LYFT)は第1四半期の見通しが失望されたほか、アナリストの投資判断引き下げから売られ、大幅安となった。オンライン旅行サービス会社のエクスぺディア(EXPE)は四半期決算で調整後の1株利益や総予約数が予想を大幅に下回り、下落した。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、強い雇用統計の結果を受けて、金利を巡る見通しを変えることはない、と述べた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米ミシガン大消費者信頼感指数の予想上振れなどでドル反発
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、130円58銭まで弱含んだのち、131円60銭まで上昇し、131円42銭で引けた。日銀の後任総裁人事をめぐり、想定されていた雨宮副総裁ではなく、植田元審議委員が起用されるとの報道を受けた政策修正を織り込んだ円の買い戻しが一段落。さらに、米2月ミシガン大消費者信頼感指数や1年期待インフレ率速報値が予想以上に上昇、また、1月消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)といった重要インフレ指標発表を来週に控えインフレが高止まりし米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが長期化するとの警戒感に米金利が上昇。ドル買いに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは、1.0707ドルから1.0666ドルまで下落し、1.0678ドルで引けた。ユーロ・円は139円64銭まで下落後、140円45銭まで反発。ポンド・ドルは、1.2130ドルから1.2047ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9221フランから0.9253フランまで上昇。
■NY原油:反発、ロンドン市場で一時80ドル台に上昇
NYMEX原油3月限終値:79.72 ↑1.66
10日のNY原油先物3月限は反発。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+1.66ドルの79.72ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは77.47ドル-80.33ドル。アジア市場で77.47ドルまで下落したが、ロンドン市場の序盤にかけて80.33ドルまで反発した。ただ、米国市場では長期金利の上昇やドル高を意識した売りが観測されており、一時79ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引では79ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 35.58ドル -0.14ドル(-0.39%)
モルガン・スタンレー(MS) 98.44ドル +0.39ドル(+0.40%)
ゴールドマン・サックス(GS)371.28ドル +3.29ドル(+0.89%)
インテル(INTC) 27.80ドル +0.07ドル(+0.25%)
アップル(AAPL) 151.01ドル +0.37ドル(+0.25%)
アルファベット(GOOG) 94.86ドル -0.60ドル(-0.63%)
メタ(META) 174.15ドル -3.77ドル(-2.12%)
キャタピラー(CAT) 247.67ドル +1.39ドル(+0.56%)
アルコア(AA) 48.69ドル -1.32ドル(-2.64%)
ウォルマート(WMT) 143.72ドル +2.20ドル(+1.55%)
《ST》
提供:フィスコ