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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 日銀の政策修正の観測が燻るなか、為替にらみの展開へ


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27590 -60 (-0.21%)
TOPIX先物 1987.0 +1.5 (+0.07%)
シカゴ日経平均先物 27585 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ停止や利下げ転換が遅れるとの見方が強まるなか、売り先行で始まった。2月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が66.4と前月の64.9から上昇したことで、NYダウはほどなくプラス転換した。ただし、長期金利が3.7%台半ばに上昇するなかでハイテク株が売られ、ナスダックは3日続落。S&P500業種別指数はエネルギー、公益事業、食品・飲料・タバコが上昇した半面、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比65円安の2万7585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中大阪比120円安の2万7530円で始まり、一時2万7430円まで売られた。その後は急速に買い戻されて2万7690円とプラスに転じる場面もあったが、ショートカバーが一巡すると2万7500~2万7600円辺りでの推移を継続。米国市場の取引開始後もレンジ推移が続き、2万7590円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、2万7500円水準でのこう着感の強い相場展開が見込まれる。ナイトセッションの開始直後に2万7430円まで売られたが、元日銀審議委員の植田和男氏を日銀総裁に起用する人事を固めたと報じられたことで、現在の大規模緩和策が見直されるとの思惑が浮上した。円相場が一時1ドル=129円台まで円高に振れるなか、アルゴリズムによるトレードが発動したようだ。その後早い段階でショートカバーに向かわせたが、日銀の政策修正の観測が燻ることから、為替にらみの相場展開となりそうだ。

 また、米国では14日に1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、円相場の変動が大きくなりそうだ。その他にも重要な経済指標の発表を控えているため、結果を受けた米国市場の反応を見極めたいとのが強まりやすく、積極的にはポジションを傾けづらい状況が続こう。

 日経225先物はレンジ推移を継続しているものの、支持線として機能している75日移動平均線から徐々に上放れを見せてきている。オプション権利行使価格の2万7375円~2万7875円辺りでの推移を想定しつつ、2万7500円を下回る局面では、押し目狙いのロングでの対応を意識しておきたい。一方で、2月SQ値の2万7779円75銭接近では強弱感が対立しやすく、戻り売り狙いのショートになりそうだ。

 また、先週末のVIX指数は20.53だった、小幅に低下したものの一時21.94まで上昇し、75日線を上回る場面も見られた。昨年11月以降、75日線は抵抗線として機能しており、21.68辺りに位置する75日線を明確に上放れてくると、慎重姿勢に向かわせやすいだろう。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.92倍だった。週初に一時14.03倍まで上昇し75日線に接近する場面も見られたが、その後はNTロングを巻き戻す動きにより、9日には一時13.85倍と25日線水準まで低下した。こう着感の強い相場展開のなか、円相場の変動によって、NTスプレッド狙いのトレードが入りそうだ。

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