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【材料】ペイパル、シュルマンCEOが年内一杯で退任の意向=米国株個別

 決済サービスのペイパル<PYPL>が上昇。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、経常収益は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回った。ただ、アクティブ顧客アカウント数の伸びが予想を下回り、総取扱高も予想を下回った。

 ガイダンスも公表し、第1四半期の経常収益の見通しは予想を下回っているものの、1株利益は予想を上回る見通しを示した。同社は取扱量の伸びが予想以上の速さで鈍化し、通常なら忙しい年末年始にも、個人消費が伸び悩んだことが改めて示されたとしている。

 なお、シュルマンCEOはプラットフォーム全体の成長鈍化への責任を取って、年内一杯でCEOを退任する意向を表明した。同社の取締役会は後任探しのために調査会社を雇う予定だとしている。

 同社は、サプライチェーンのショックが電子商取引を圧迫し、消費者が高インフレに見舞われる中、プラットフォームでの支出の伸び鈍化と格闘しながら昨年の大半を過ごした。シュルマンCEOは営業レバレッジ向上を誓い、今月初めに従業員の約7%に当たる2000人を解雇すると発表した。このリストラ費用として1億ドルを今四半期に計上すると発表している。

 アナリストからは「強力なコスト管理により第4四半期の1株利益は予想を上回った。コスト削減と自社株買いによる株数の減少が通期の1株利益のガイダンスを押し上げているが、通期の売上高ガイダンスがないことは留意される」とのコメントも聞かれた。

(10-12月・第4四半期)
・1株利益(調整後):1.24ドル(予想:1.20ドル)
・経常収益:73.8億ドル(予想:74.0億ドル)
・営業利益率(調整後):22.9%(予想:22.0%)
・アクティブ顧客アカウント数:4.35億件(予想:4.39億件)
・アクティブ顧客アカウント増減数:+290万件(予想:+320万件)
・支払取引件数:60.3億件(予想:60.0億件)
・総取扱高:3573.8億ドル(予想:3654.1億ドル)
   ベンモ取扱高:625億ドル(予想:682億ドル)

(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):1.08~1.10ドル(予想:1.06ドル)
・経常収益:+7.5%(予想:+7.9%)

(通期見通し)
・1株利益(調整後):4.87(予想:4.75ドル)
・FCF:約50億ドル

(NY時間10:15)
ペイパル<PYPL> 81.32(+2.90 +3.70%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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