【市況】前場に注目すべき3つのポイント~金融セクターや輸出関連などへのリバランスに伴う買いが意識されやすい~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
6日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:金融セクターや輸出関連などへのリバランスに伴う買いが意識されやすい
■三菱商事、23/3上方修正 純利益1兆1500億円←1兆300億円
■前場の注目材料:ニコン、レンズ新工場、300億円投資、複数種類を効率生産
■金融セクターや輸出関連などへのリバランスに伴う買いが意識されやすい
6日の日本株市場は、米国市場の下落影響はありそうだが、底堅い相場展開が見込まれる。3日の米国市場はNYダウが127ドル安だった。1月雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を大幅に上回る強い結果だったことから、利上げ長期化懸念を受けた売りが再燃し、米長期金利が上昇するなか、ハイテク株への売りが重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円高の27620円。円相場は1ドル131円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時27720円まで買われる場面も見られており、終値では心理的な抵抗だった27500円を明確に上回ってきた。米ハイテク株安の流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株などへは利益確定の売りが意識されやすいものの、時間外取引で売られていたアップルは2%を超える上昇を見せたこともあり、ショートは仕掛けづらいだろう。
また、為替市場では円相場が1ドル131円台後半と、円安に振れて推移している。先週はハイテク株主導のなか、日経平均型優位の展開からNT倍率は14倍台に乗せる場面もあった。長期金利上昇や円安のなか、金融セクターや輸出関連などへのリバランスに伴う買いが意識されやすく、相場全体の底堅さにつながりそうだ。日経平均は27500円での底堅さが意識され、同水準を支持線に変えてくることから、押し目待ち狙いの買い方についても徐々に水準を切り上げてきそうだ。
もっとも、決算発表がピークを迎えるなか、先回り的な買いは入りづらく、決算を通過した銘柄において、再評価といった動きに向かわせよう。足もとでは下方修正を発表した村田製<6981>が悪材料出尽くしといった見方から買戻しの動きを強めたこともあり、センチメントは良好だろう。また、下方修正を受けて初動で売られた銘柄についても、これまで期待先行で買われていた流れではなかったこともあり、短期筋のショートカバーは入りやすいと考えられる。
中小型株については主要な企業の決算が続くなかでは主力処に関心が集まりやすく、物色対象は絞られそうである。強いトレンドを継続している銘柄などへは、利食いに押される局面での押し目を狙いたいところだろう。
■三菱商事、23/3上方修正 純利益1兆1500億円←1兆300億円
三菱商事<8058>は2023年3月期業績予想の修正を発表。純利益を1兆300億円から1兆1500億円に上方修正した。金属資源や天然ガスなど商品市況の回復を追い風にこれまでの好調な業績を反映。また、発行済み株式総数(自己株式を除く)の2.3%にあたる3300万株、金額で1000億円を上限に自社株買いを発表。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27509.46、+107.41)
・シカゴ日経先物は上昇(27620、大阪比+130)
・1ドル=131.80-90円
・VIX指数は低下(18.33、-0.40)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・ニコン<7731>レンズ新工場、300億円投資、複数種類を効率生産
・京セラ<6971>半導体装置用部品を増強、鹿児島に新生産棟
・東芝<6502>住宅用太陽光発電システム事業撤退
・日揮HD<1963>神戸デジタル・ラボと新会社、新規事業、ITで差別化
・グンゼ<3002>中国のストッキング生産撤退、国内に集約
・中部電力<9502>脱炭素で英BPと協定、名古屋港でCCUS検討
・デンソー<6902>デンソーと豊田織機、下請け価格転嫁の対応徹底、公取委が指摘
・住友理工<5191>細胞農業に参画、高分子材料技術を活用
・クボタ<6326>仏作業機器メーカー買収
・SCREEN<7735>半導体装置の生産増強、滋賀・彦根の新工場稼働
・住友化学<4005>愛媛の化成肥料製造設備を停止、来年9月末めど
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
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・特になし
《ST》
提供:フィスコ