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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):カドカワ、三井化学、村田製

カドカワ <日足> 「株探」多機能チャートより
■KADOKAWA <9468>  2,475円  +98 円 (+4.1%)  本日終値
 KADOKAWA<9468>が3日ぶりに反発。同社は2日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の178億円から210億円(前期比13.4%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も2381億円から2486億円(同12.4%増)に上方修正。重点事業である出版、アニメ、ゲーム、教育におけるデジタル分野、及び海外事業が好調に推移しており、なかでも22年2月に発売したゲームIP「ELDEN RING」の収益が当初想定を大きく上回っていることが主な要因だとしている。

■三井化学 <4183>  3,060円  +90 円 (+3.0%)  本日終値
 三井化学<4183>は後場にプラスに転じた。この日、23年3月期第3四半期累計(22年4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益予想は従来の1050億円から950億円(前期比13.6%減)に見通しを下方修正した。ただ株価は前日に大きく下げていたこともあって、決算発表を受けてアク抜け感が意識され、買い戻しが入ったようだ。売上収益の見通しは2兆円から1兆9100億円(同18.4%増)に下方修正した。半導体需要の鈍化によるICT関連の販売数量の減少や、ナフサなど原料価格の下落に伴う在庫評価益の縮小などの影響を業績予想に織り込んだ。

■村田製作所 <6981>  7,691円  +201 円 (+2.7%)  本日終値
 村田製作所<6981>は3日続伸。同社は2日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。また、米アップル<AAPL>が2日発表した22年10~12月期決算は減収減益となった。もっとも、スマートフォン市場の停滞によるアップルの業績低迷は、ある程度は織り込まれていたとみられている。アップルの株価は時間外取引で下落したものの、その後一時上げに転じる場面もあるなど底堅く推移したようだ。今後のアップルの業績の回復に伴って、村田製の電子部品需要が持ち直しに向かうことを期待した買いが入ったようだ。村田製は今期の売上高予想を1兆8200億円から1兆6800億円(前期比7.3%減)、最終利益予想を2970億円から2260億円(同28.1%減)に引き下げた。スマートフォンやパソコンの市場低迷と在庫調整の長期化を背景に、電子部品需要の減少が見込まれるほか、生産高の減少による操業度損も発生し、利益を押し下げる。想定為替レートはこれまでの1ドル=140円から23年1~3月期は1ドル=127円と円高方向に見直した。

■寿スピリッツ <2222>  8,600円  +120 円 (+1.4%)  本日終値
 寿スピリッツ<2222>が反発。2日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を429億2000万円から464億円(前期比44.1%増)へ、営業利益を61億4000万円から79億5000万円(同5.7倍)へ、純利益を41億7500万円から54億1300万円(同2.8倍)へ上方修正したことが好感された。昨年10月に始まった全国旅行支援や水際対策の緩和、更に3年ぶりに行動制限のない年末年始・帰省シーズンを迎え、人流が想定以上に回復に向かったことから事業環境が好転。そうしたなか、主力商品対策など販売施策の推進が奏功し第3四半期累計(22年4~12月)業績が売上高・利益ともに計画を上回ったことが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計決算は、売上高353億7000万円(前年同期比54.3%増)、営業利益68億5600万円(同8.0倍)、純利益47億1100万円(同3.2倍)だった。新ブランドによる出店を積極的に展開してきた東京駅エリアで売り上げが拡大。シュクレイを筆頭に各セグメントで軒並み増収増益となった。

■三井物産 <8031>  3,854円  +52 円 (+1.4%)  本日終値
 三井物産<8031>がプラスに転換。午後1時45分ごろ、23年3月期の連結業績予想について、純利益を9800億円から1兆800億円(前期比18.1%増)へ上方修正し、130円としていた年間配当予想を135円(前期105円)へ増額修正したことが好感された。業績予想の前提条件となる原油価格及び為替の影響を反映したことが要因としている。なお、第3四半期累計(22年4~12月)純利益は8407億8700万円(前年同期比32.8%増)だった。同時に、自社株買いの取得枠拡大及び取得期間延長を発表しており、これも好材料視された。22年11月1日に発表した今回の自社株買いでは、上限を6000万株(発行済み株数の3.8%)、または1400億円を上限としていたが、これを8000万株(発行済み株数の5.2%)と2400億円に変更し、取得期間も従来の2月28日までから7月31日までに延長する。また、これにより取得する全株式に1000万株を加えた株式数の自社株を3月13日と8月31日付で消却するとしている。

■ファーストリテイリング <9983>  80,610円  +650 円 (+0.8%)  本日終値
 ファーストリテイリング<9983>が続伸。2日の取引終了後に発表した1月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比10.9%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が低く推移したことで防寒衣料の販売が好調だった。客数は同1.5%減と2カ月ぶりに前年割れとなったが、客単価が同12.6%増となり牽引した。

■システナ <2317>  372円  -44 円 (-10.6%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ
 システナ<2317>が大幅安。2日の取引終了後に23年3月期第3四半期累計(22年4~12月)の決算を発表し、売上高は前年同期比15.5%増の543億3400万円、営業利益は同10.1%増の70億1300万円だった。好決算だったものの、業績進捗に特段のサプライズ感がなかったことから目先利益確定売りが先行している。システム運用やヘルプデスクなどのアウトソーシングサービスを提供するITサービス事業や、IT関連商品の販売を手掛けるビジネスソリューション事業が好調に推移し、全体業績を牽引した。その他の各事業も概ね堅調だった。

■フジミインコ <5384>  6,340円  -430 円 (-6.4%)  本日終値  東証プライム 下落率6位
 2日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は4%減益」が嫌気された。
 フジミインコーポレーテッド <5384> [東証P] が2月2日大引け後(16:20)に決算を発表。23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比18.6%増の115億円に伸び、通期計画の153億円に対する進捗率は75.5%に達したものの、5年平均の79.0%を下回った。
  ⇒⇒フジミインコの詳しい業績推移表を見る

■三菱自動車工業 <7211>  486円  -19 円 (-3.8%)  本日終値
 三菱自動車工業<7211>は軟調。朝高後は下げに沈む展開となった。2日の取引終了後に発表した23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比27.5%増の1兆8053億2000万円、最終利益が同2.9倍の1307億5400万円となった。大幅な増収増益となったことに加え、最終利益の通期計画に対する進捗率は93%に上った。これらを好感した買いが先行したものの、上値の重さが意識され、目先の利益を確定する目的の売りが膨らんだようだ。4~12月期は円安や販売価格の引き上げなどが業績を押し上げる要因となった。一方、通期の業績見通しは売上高予想のみ従来の2兆5300億円から2兆4800億円(前期比21.6%増)に下方修正した。ASEAN地域や北米、欧州などでの販売台数見通しを引き下げている。また、日産自動車<7201>と仏ルノーが見直しを進めていた提携関係について、6日に英国ロンドンで共同の記者会見を開くと伝わっており、アライアンス内での三菱自の扱いを巡る不透明感が株式市場では意識されたようだ。

■日本航空 <9201>  2,599円  -97 円 (-3.6%)  本日終値
 日本航空<9201>が4日続落。2日の取引終了後に23年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を1兆4040億円から1兆3580億円(前期比98.9%増)へ、純利益を450億円から250億円(前期1775億5100万円の赤字)へ引き下げており、これが嫌気された。国内旅客需要の回復スピードが想定より遅れていることや、全国旅行支援の再開による需要増効果が限定的となっていることが要因。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)の決算は、売上高が1兆55億円(前年同期比2.0倍)、純利益が163億1300万円(前年同期1283億2200万円の赤字)だった。あわせて、従来未定としていた年間配当予想を20円とすることを明らかにした。20年3月期以来、3期ぶりの復配となる。

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