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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

AIAI <日足> 「株探」多機能チャートより

■AIAI <6557>  895円 (+150円、+20.1%) ストップ高

 AIAIグループ <6557> [東証G]がストップ高。同社は1日取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結営業損益が9700万円の赤字(前期は変則決算だったため比較なし)になったと発表。ただ、10-12月期に限れば1億8900万円の黒字となったことが好感されたようだ。第3四半期累計の売上高は80億2000万円、10-12月期では27億3400万円となった。チャイルドケア事業における期中の充足率向上などに加え、職員配置の適正化、児童発達支援事業と放課後等デイサービスの多機能型施設「AIAI PLUS」の稼働率向上が寄与した。なお、通期業績予想については売上高106億円、営業損益トントンとする従来見通しを据え置いている。

■合同鉄 <5410>  3,020円 (+453円、+17.7%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。合同製鐵 <5410> [東証P]が続急騰。後場に入り一時ストップ高となり、昨年来高値を更新した。 午後1時30分に23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結決算発表に合わせ、今期の業績予想を見直した。最終損益の黒字額の見通しを65億円から100億円(前期は11億1200万円の最終赤字)に引き上げた。同時に、これまで70円としてきた期末配当予想については140円(前期末は無配)と、70円増額した。これらを好感した買いが集まり、株高に拍車が掛かったようだ。鉄スクラップ価格の調整局面が想定よりも長引いた影響や、コスト改善が想定以上に進捗した効果が、利益を押し上げる要因となった。一方、売上高の見通しは2400億円から2350億円(前期比15.1%増)に引き下げた。4-12月期の売上高は前年同期比17.2%増の1771億9400万円、最終損益は77億6100万円の黒字(前年同期は8億6600万円の赤字)だった。

■静甲 <6286>  699円 (+100円、+16.7%) ストップ高

 靜甲 <6286> [東証S]がストップ高。1日の取引終了後、子会社で自動車ディーラーの静岡スバル自動車が中国電気自動車(EV)大手BYDの日本法人との間で、正規ディーラー契約を締結したと発表。これを材料視した物色が強まっている。静岡スバル自動車の子会社として新会社を設立し、今春にBYD車を販売する第1号店「BYD AUTO 静岡」(開業準備室)を静岡市内にオープンする予定。

■中部鋼鈑 <5461>  2,105円 (+226円、+12.0%)

 東証プライムの上昇率3位。中部鋼鈑 <5461> [東証P]が7日続急騰、2000円大台ラインを突破し約17年ぶりの高値をつけた。株価は2日の高値まで7営業日でほぼ40%に達する上昇率となった。産業機械や工作機械向けを主力に厚板を製造販売するが、国内最大級の電炉を有していることが強みとなっている。旺盛な設備投資需要が追い風となっているほか、製品価格を引き上げる一方で鉄スクラップ価格が下落し利ザヤが拡大している。そうしたなか、同社は1日取引終了後に23年3月期の業績予想の修正を発表した。トップラインは減額したものの、営業利益は従来予想の94億円から114億円(前期比2.1倍)に増額修正し、これが材料視された。更に今期の年間配当も従来計画の70円から95円(前期実績は43円)に大幅増額。前期比で倍増以上となり、配当利回りも前日終値換算で5%を超える水準まで上昇しており、株価を強く刺激する格好となった。

■ソフトクリエ <3371>  3,515円 (+265円、+8.2%)

 東証プライムの上昇率8位。ソフトクリエイトホールディングス <3371> [東証P]が急反発。同社は1日取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比7.5%増の33億8100万円となり、通期計画41億4000万円に対する進捗率が81.7%となったことが好感されたようだ。売上高は同14.0%増の178億6000万円で着地。ECサイト構築パッケージ「ecbeing」やECクラウドサービス「メルカート」などの売り上げ拡大を推進したことが奏功した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。

■大塚商会 <4768>  4,635円 (+325円、+7.5%)

 東証プライムの上昇率10位。大塚商会 <4768> [東証P]が続急伸。1日の取引終了後、22年12月期の連結決算の発表にあわせ、23年12月期の業績予想を開示した。営業利益が前期比7.0%増の586億円を計画するほか、年間配当予想は同5円増配の130円に設定した。これらを好感した買いが入ったようだ。売上高は同4.6%増の9010億円を見込む。企業のデジタル化の推進や、インボイス制度への対応など、IT投資は底堅く推移すると予想。システムインテグレーション事業とサービス&サポート事業の両事業で増収を見込む。

■日東工器 <6151>  1,668円 (+89円、+5.6%)

 日東工器 <6151> [東証P]が3日続急伸。1日の取引終了後、取得総数80万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.94%)、取得総額10億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、材料視されたようだ。取得期間は2月2日から来年2月1日。東証における市場買付けを通じ取得する。同時に23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結決算も開示した。売上高は前年同期比13.2%増の213億5000万円、最終利益は同13.1%増の20億9200万円だった。迅速流体継手事業が好調だったほか、海外ではアジアや欧州が堅調に推移した。

■JVCケンウ <6632>  388円 (+20円、+5.4%)

 JVCケンウッド <6632> [東証P]が続急伸。1日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を3300億円から3330億円(前期比18.0%増)へ、営業利益を208億円から214億円(同2.4倍)へ、純利益を152億円から160億円(同2.7倍)へ上方修正し、7円としていた期末一括配当予想を12円に引き上げる(前期6円)としたことが好感された。第3四半期までの業績は、世界的な危機管理への機運が高まり需要が拡大していることや、新製品トライバンド対応無線機の導入により受注獲得が進んでいることなどで好調に推移した。第4四半期においても、無線システム事業で引き続き堅調な市況を背景に、大型案件の受注効果が発現することが要因としている。なお、第3四半期累計(22年4-12月)決算は、売上高2474億9700万円(前年同期比27.2%増)、営業利益195億600万円(同5.4倍)、純利益155億1300万円(同31倍)だった。あわせて23年3月期から適用する株主還元方針の変更を発表した。これまで「配当性向30%を目安」としていたが、「総還元性向を指標とし、業績に応じた株主還元策とした配当」に加え、「機動的に自己株式取得を行う」に変更した。また、総還元性向の目安について、今年度終了後に発表予定の新中計において公表予定としている。

■日立 <6501>  7,007円 (+301円、+4.5%)

 日立製作所 <6501> [東証P]が大幅高で5日ぶりに反発。前日1日まで4日続落と調整局面にあったが満を持して切り返しに転じた。1日取引終了後に発表した23年3月期第3四半期(22年4-12月)の業績は売上高が前年同期比10%増の8兆1087億9600万円と2ケタ増収を達成し、営業利益も同9%増の5274億9900万円と堅調だった。注力するデジタルトランスフォーメーション(DX)事業が好調で全体収益を牽引している。世界的なインフレを背景に部材コストの上昇が利益の足かせとなったものの、増収効果や為替の円安効果が発現して、これを吸収している。なお、最終利益については通期予想を従来計画の6000億円から6300億円(前期比8%増)に上方修正しており、これは22年3月期に続き過去最高利益更新となる。

■アマノ <6436>  2,437円 (+104円、+4.5%)

 アマノ <6436> [東証P]が大幅反発した。1日の取引終了後に発表した23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結決算は、売上高が前年同期比11.2%増の922億6700万円、営業利益が同23.6%増の89億7000万円だった。10-12月期でも営業利益は同23%増と大幅に増加した。株価はこのところ軟調に推移していたが、決算発表を受け買い戻しが入ったようだ。国内では企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化や働き方改革の潮流を追い風に情報システム事業が堅調に推移したほか、パーキングシステムも持ち直しの動きが顕著となったという。海外事業は円安効果が出たほか、アジア地域では韓国や香港、マレーシアでパーキングシステムが伸長した。

■ケーズHD <8282>  1,178円 (+49円、+4.3%)

 ケーズホールディングス <8282> [東証P]が大幅反発。1日の取引終了後に開示した22年4-12月期決算は冴えない内容だったものの、あわせて発行済み株数の約5%にあたる株式を取得すると発表。自社株買いによる株主還元を評価する向きが優勢となったようだ。取得上限は1000万株(自己株式を除く発行済み株数の5.24%)、または100億円。期間は2月2日から4月30日まで。同時に発表した22年4-12月期決算は、売上高が前年同期比0.9%減の5564億200万円、営業利益が同29.3%減の221億700万円だった。東京五輪による買い替え需要があった前年同期の反動が出たほか、エアコンなど季節商品が計画を下回った。また、広告宣伝費や水道光熱費など販管費が増加した。

■KeePer <6036>  3,425円 (+140円、+4.3%)

 KeePer技研 <6036> [東証P]が大幅高で3日ぶりに反発。1日の取引終了後に発表した1月度のキーパーラボ運営事業の月次速報で、既存店売上高は前年同月比7.5%増と増収基調を維持しており、これが好感された。中旬から下旬にかけて、北日本、北陸、西日本において降雪量が多かった影響などで来店台数が4.5%減となったものの、平均単価は同12.6%増と伸長したことが寄与した。なお、全店の売上高は同15.0%増だった。

■レーザーテク <6920>  22,880円 (+860円、+3.9%)

 レーザーテック <6920> [東証P]が大幅高で3日ぶりに反発。強弱観対立のなかも買い優勢となったほか、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]など 半導体製造装置関連が総じて頑強な値動きとなった。前日1日の米国株市場では半導体設計・開発大手のアドバンストマイクロデバイシズ <AMD> が10-12月期決算の内容が市場コンセンサスを上回ったことが好感されて12.6%高と急騰した。この流れは半導体セクター全般に波及し、画像処理半導体大手のエヌビディア <NVDA> や半導体製造装置トップのアプライド・マテリアルズ <AMAT> なども大幅高に買われた。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5%を超える急伸をみせており、東京市場でも同関連株への投資資金流入を誘った。

■三菱電 <6503>  1,462.5円 (+38円、+2.7%)

 三菱電機 <6503> [東証P]が反発。2日、23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結決算を発表。通期の業績予想は売上高を上方修正した一方で、営業利益と経常利益、最終利益はこれまでの計画を据え置いた。1-3月期の想定為替レートを1ドル=130円と前回の公表値から5円円高方向に見直したにもかかわらず、最終利益の予想が据え置かれ、買い安心感につながったようだ。今期の売上高の見通しは4兆9700億円から5兆200億円(前期比12.1%増)に上方修正した。最終利益は2150億円(同5.7%増)で変更しなかった。ビルシステムや空調・家電などライフ部門の需要増を業績見通しに反映した一方、インフラ部門での売り上げ案件の変動や採算悪化、半導体・電子部品の価格上昇などの影響が利益を圧迫する要因となった。想定為替レートは対ドル以外では、1ユーロ=140円(前回公表値から5円円安)、1人民元=19円(前回公表値から変更なし)とした。

■キーエンス <6861>  60,760円 (+1,180円、+2.0%)

 キーエンス <6861> [東証P]が続伸し、6万円の大台に乗せた。1日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年3月21日~12月20日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比24.8%増の6806億1800万円、営業利益は同22.0%増の3690億3100万円だった。高額な最低投資金額の引き下げにつながる株式分割の発表はなかったものの、営業利益率は約54%と高水準を維持していることなどを評価した買いが入ったようだ。アジアの一部地域で景気の持ち直しに足踏みがみられたものの、営業力の強化などを図り、大幅な増収増益となった。通期の業績予想は開示していない。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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