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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 FOMC通過で大型テック決算を手掛かりに、NTロングでのスプレッド狙いのトレードが入りやすい


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27410 +100 (+0.36%)
TOPIX先物 1971.0 ±0.0 (±0.00%)
シカゴ日経平均先物 27425 +115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 1日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り0.25%の利上げを決めた。声明ではインフレ抑制の取り組みを継続するため、次回会合でも利上げを実施する姿勢を示した。今後も複数回の利上げが継続されるとの見方から売りが優勢となり、NYダウは一時500ドル超に下落幅を広げる場面が見られた。

 ただし、パウエルFRB議長の会見についてはインフレに対してハト派的と受け止められ、NYダウは会見中に急速に下げ渋りプラスに転じた。米長期金利が低下したほか、前日の取引終了後に予想を上回る決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>が大幅高となるなか、エヌビディア<NVDA>などへ買いが波及した。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、運輸、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギー、保険の2セクターが下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比115円高の2万7425円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中大阪比30円高の2万7340円で始まり、その後は2万7220円~2万7300円辺りでこう着。FOMCの結果発表後の米国市場の下落を受けて2万7130円まで下押する場面も見られたが、終盤にかけてリバウンドが強まり一時2万7500円まで買われた。節目の2万7500円回復後は利食いも入り、2万7410円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開が見込まれる。FOMCの結果やパウエルFRB議長の会見を受けてナイトセッションでは荒い値動きとなったが、結果的には75日移動平均線を支持線とした直近のレンジ内での推移だった。一目均衡表では雲のねじれによりトレンドが出やすいタイミングであったが、雲を割り込む動きにはならなかったたことで、テクニカル的には安心感につながりそうである。

 前日に決算を発表したAMDが12%を超える上昇を見せたほか、1日の取引終了後に決算を発表したメタプラットフォームズ<META>は、売上高や利用者数が予想を上回ったほか、400億ドル規模の自社株買い計画が好感され、時間外取引で18%超の上昇を見せている。大型テック株やハイテク株の強い値動きにより、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への波及が見込まれそうだ。

 日経225先物は節目の2万7500円水準では強弱感が対立しやすいものの、FOMCの重要イベントを通過したことで、短期的とはいえポジションを取りやすくなっただろう。2日にはアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株の決算が控えているものの、ショートは仕掛けづらく、押し目待ち狙いのロングで対応したいところだ。オプション権利行使価格の2万7500円を中心とした上下の権利行使価格となる2万7375円~2万7625円のレンジを想定する。

 VIX指数は17.87に低下した。昨年1月以来の水準まで切り下がってきており、リスク選好に向かいやすい。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.85倍に上昇した。直近のレンジ内での推移ではあるが、レンジ上限を捉えてきた。指数インパクトの大きい値がさ株への資金流入が意識されるなか、NTロングでのスプレッド狙いのトレードが入りやすいだろう。

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