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【市況】10日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は上昇、インフレピークアウト期待が優勢

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:米国株式市場は上昇、インフレピークアウト期待が優勢
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がイベントにおいて、金融政策について警戒されていたような直接的なタカ派な発言をしなかったため、安心感から買いが先行。ただ、ボウマンFRB理事が最近の一部のインフレ減速にもかかわらずまだやるべきことがあると、追加利上げの必要性を主張すると長期金利が一段と上昇、売りが再燃し主要株価指数は一時下落に転じた。しかし、12日に発表される12月消費者物価指数(CPI)ではインフレピークアウトが改めて確認されるとの期待に加え、中国の経済活動再開などで景気悪化への懸念も後退し、再びプラス圏に上昇。終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。セクター別では、小売り、電気通信サービスが上昇した一方で、商業・専門サービスが下落。

メディアのワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)はアナリストの投資判断引上げで買われた。高齢者向け医療保険制度(メディケア)を中心に管理するヘルスケアのオーク・ストリート・ヘルス(OSH)は、同業のCVSヘルス(CVS)が同社を100億ドル超での買収を模索していると報じられ上昇。一方でCVSは下落した。暗号資産取引所のコインベース(COIN)は業績低迷を受け、コスト削減の一環とした2度目の雇用削減を発表し上昇。遺伝子の変異分析システム開発を手掛けるイルミナ(ILMN)は23年度の業績見通しが予想を下回ったため、下落した。

FRBのパウエル議長はスウェーデン中銀主催のフォーラムにおいて、物価安定への過程は不評となる可能性があるが、健全な経済の基盤になると主張した。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:FRBはタカ派姿勢崩さずドルは下げ止まる
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円48銭まで上昇後、131円73銭まで下落して132円26銭で引けた。パウエルFRB議長のイベントでの発言を控え、タカ派内容を想定した長期金利の上昇に伴うドル買いが加速。その後、議長が特に経済や金融政策の具体的な内容に触れなかったためドルの売り戻しが優勢となった。しかし、議長が物価安定への過程は不評となる可能性もあるとするなど、利上げ継続を示唆、さらに、ボウマン理事も最近の一部インフレ鈍化にもかかわらずまだやるべきことがあると追加利上げを支持する姿勢を示したため底堅く推移。

ユーロ・ドルは、1.0712ドルまで下落後、1.0760ドルまで反発し1.0736ドルで引けた。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「利上げプロセスの最終段階に近づいている」と発言したため上値を抑制した。ユーロ・円は141円65銭から142円03銭まで上昇。日欧金利差拡大観測を受けたユーロ買い、円売りが継続。ポンド・ドルは、1.2110ドルへ下落後、1.2181ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9252フランへ上昇後、0.9206フランまで反落した。

■NY原油:小幅高で75.12ドル、時間外取引で76ドルに接近
NY原油先物2月限は小幅高(NYMEX原油2月限終値:75.12 ↑0.49)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比+0.86ドルの74.63ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.84ドル-75.92ドル。アジア市場で73.84ドルまで下げたが、押し目買いが観測されており、まもなく75ドル台に上昇。ニューヨーク市場では米長期金利の上昇が多少嫌気されたが、通常取引終了後の時間外取引で75.92ドルまで買われている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 34.12ドル +0.23ドル(+0.68%)
モルガン・スタンレー(MS) 88.92ドル +1.28ドル(+1.46%)
ゴールドマン・サックス(GS)357.36ドル +4.36ドル(+1.24%)
インテル(INTC) 29.44ドル +0.13ドル(+0.44%)
アップル(AAPL) 130.73ドル +0.58ドル(+0.45%)
アルファベット(GOOG) 89.24ドル +0.44ドル(+0.50%)
メタ(META) 132.99ドル +3.52ドル(+2.72%)
キャタピラー(CAT) 250.51ドル +3.89ドル(+1.58%)
アルコア(AA) 52.98ドル +2.71ドル(+5.39%)
ウォルマート(WMT) 144.86ドル -0.09ドル(-0.06%)

《NH》

 提供:フィスコ

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