【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ゼンショHD、ホンダ、三越伊勢丹
ゼンショHD <日足> 「株探」多機能チャートより
ゼンショーホールディングス<7550>が4日ぶりに反発。4日の取引終了後に発表した12月度の「すき家」月次売上推移で、既存店売上高が前年同月比5.4%増と22カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同3.5%減と落ち込んだものの、客単価が同9.2%増と上昇した。
■ホンダ <7267> 3,064円 +22 円 (+0.7%) 本日終値
ホンダ<7267>は伸び悩みの展開。ソニーグループ<6758>と共同出資するソニー・ホンダモビリティは5日、新型電気自動車(EV)のプロトタイプを公開した。ブランド名は「AFEELA(アフィーラ)」で、2025年前半に量産車の先行受注を始める予定。ただこれをポジティブ・サプライズ視する向きは限られた。足もとでドル高・円安の流れが一服するなか、全体相場に連れる形で株価は上げ幅を縮小した。ソニーGも伸び悩んだ。新型EVは特定条件下での自動運転機能「レベル3」の搭載を目指す。車内外に45個のカメラ、センサーを搭載するほか、米クアルコム<QCOM>製のSoC(システム・オン・チップ)を採用する予定としている。
■コメリ <8218> 2,743円 +15 円 (+0.6%) 本日終値
コメリ<8218>が底堅い動き。4日の取引終了後に発表した12月の月次売上動向(速報値)で、既存店売上高が前年同月比2.5%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったことを好感した買いが下値に入った。日本海側を中心とした大雪の影響もあり、暖房用品、除雪用品、防寒衣料の販売が好調だった。また、プロ向けの商品が引き続き堅調に推移しているとともに、省エネ意識の高まりから窓廻りの断熱対策用品も伸長した。
■三越伊勢丹 <3099> 1,385円 +2 円 (+0.1%) 本日終値
三越伊勢丹ホールディングス<3099>がしっかり。4日の取引終了後に発表した12月の国内百貨店売上高で、既存店売上高が前年同月比14.6%増と増収基調が続いていることが好感された。クリスマスや年末のオケージョンニーズが高く、ハンドバッグや宝飾、和洋菓子などが売り上げを押し上げた。また、伊勢丹新宿本店では、好調な冬物に加えてラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に春の新作が好調に推移した。
■SANKYO <6417> 5,040円 -250 円 (-4.7%) 本日終値
SANKYO<6417>や平和<6412>、円谷フィールズホールディングス<2767>、マースグループホールディングス<6419>、ゲームカード・ジョイコホールディングス<6249>など一連のパチンコ・パチスロ関連株が安い。メダルや出玉に触れることなく遊ぶことができる次世代型遊技機「スマートパチンコ・パチスロ」が話題を呼んでおり、株式市場でもここ注目度が高まっている。直近まで関連銘柄への物色人気が加速していたが、大きく買われてきた反動から足もとでは利益確定売りの動きが広がっているようだ。
■第一生命HD <8750> 2,959円 -93 円 (-3.1%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>やT&Dホールディングス<8795>など大手生保株が全体相場に逆行して安い。損保株を含めた保険セクターは業種別騰落で33業種中、値下がり率首位となっている。きょうは半導体関連などに買い戻しが入る一方、ここ株価を上昇させていた金融セクターに目先筋の利益確定売りが優勢となっている。米国では長期金利の低下が顕著で、前日の米10年債利回りは終値ベースで3.68%台まで水準を切り下げている。また、超長期債の米30年債利回りも直近3.8%台を下回るなど低下傾向を強めており、米国事業を展開する大手生保にとってはマイナス材料となっている。
■三菱重工業 <7011> 4,952円 -89 円 (-1.8%) 本日終値
三菱重工業<7011>は前日終値近辺で売り買い交錯。大発会となった前日は3.7%安で5100円台を横に走る75日移動平均線を大きく下抜ける形となったが、きょうは日経平均株価が切り返すなか、下げ止まる展開となっている。岸田首相は来週13日にバイデン米大統領との日米首脳会談を行う予定だが、この時に予算を大幅増額して防衛力強化を打ち出した国家安全保障戦略について説明する見通し。株式市場では、群を抜く防衛省との取引実績を有し、防衛関連の代表格である同社株に改めて注目度が高まる可能性もある。
■おきなわFG <7350> 2,319円 -39 円 (-1.7%) 本日終値
海外金利に低下圧力が掛かり、銀行株が総じて軟調に推移するなか、おきなわフィナンシャルグループ<7350>と滋賀銀行<8366>が下げ幅を拡大する場面があった。この日の午前、英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズの保有比率の低下が判明したことが株価の重荷となったようだ。5日受付で財務省に提出された変更報告書によると、おきなわFG株式のシルチェスターの保有比率は8.62%から7.53%に低下した。報告義務発生日は4日。滋賀銀株式に関しては、シルチェスターの保有割合は6.44%から5.41%に低下した。報告義務発生日は2022年12月29日となっている。
■三菱UFJ <8306> 912円 -14.2 円 (-1.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が軟調。朝方は買いが先行したものの、前日の米長期金利の低下が重荷となった。また、この日行われた財務省による10年利付国債入札の結果が債券市場で無難と受け止められ、債券需給を巡る懸念が後退。長期債に買い安心感が広がり、日本の長期金利は0.43%台に一段と低下した。更に、日銀が4日に続き2年物の共通担保資金供給オペ(公開市場操作)を通告。オファー額を2兆円に増額し、中期債の利回り上昇の抑制に動いた。国内金利の先高観の後退が銀行株に対する売り圧力を強める要因となったようだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>も安値圏で推移している。
■日清製粉グループ本社 <2002> 1,637円 -4 円 (-0.2%) 本日終値
日清製粉グループ本社<2002>は小動き。4日の取引終了後、政策保有の投資有価証券8銘柄を売却したことに伴い、23年3月期第3四半期に125億円の投資有価証券売却益を特別利益として計上する見込みだと発表したが、市場の反応は薄いようだ。資産の効率化と財務体質の強化を図るためという。なお、通期業績予想への影響は織り込み済みとしている。
株探ニュース