【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:ファストリ、日本製鉄、サイゼリヤ
ファストリ <日足> 「株探」多機能チャートより
ファーストリテイリング<9983>は反発している。前週末2日の取引終了後に発表した11月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高は前年同月比3.8%減と5カ月ぶりに前年実績を下回ったものの、織り込み済みとの見方が強い。客数は9.7%減だった半面、客単価は6.5%上昇した。月を通して気温が高く推移し、防寒衣料の需要が伸び悩んだことに加えて、前年にあった+Jなどのコラボ商品が今年はなかったことが響いた。
■日本製鉄 <5401> 2,231.5円 +51.5 円 (+2.4%) 11:30現在
日本製鉄<5401>が切り返し急、2100円台で収れんする25日・75日移動平均線を足場にマドを開けて上昇している。鉄鋼株はPER、PBRともに割安感が強い一方、配当利回りが高く、バリュー株の象徴として物色人気を集めているが、同社はそのシンボルストックとして機関投資家と思われる大口資金の買いが観測される。国内外でインフレが進むなか、同社は自動車用鋼板をはじめ高付加価値商品の競争力の高さと、先進技術の導入でも業界を先駆している。原料コストの上昇は製品への価格転嫁で相殺し、23年3月期上期(22年4~9月)の営業利益は前年同期比27%増の5417億5200万円と好調を維持した。
■サイゼリヤ <7581> 2,878円 +65 円 (+2.3%) 11:30現在
サイゼリヤ<7581>が反発している。前週末2日の取引終了後に発表した11月度の月次報告で、既存店売上高が前年同月比10.0%増と13カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。客数が同7.3%増、客単価が同2.5%増とともに増加。なお、全店売上高は同10.4%増だった。
■内田洋行 <8057> 4,590円 +100 円 (+2.2%) 11:30現在
内田洋行<8057>が7日ぶりに反発している。前週末2日の取引終了後に発表した第1四半期(7月21日~10月20日)連結決算は、売上高467億1100万円(前年同期比8.5%増)、営業利益19億9400万円(同22.2%減)、純利益14億1200万円(同6.3%減)と減益で着地したが、前週末まで6日続落していただけに、アク抜け感から買われているようだ。大手民間企業ICTビジネスでソフトウェアライセンスを中心に成長を維持したほか、遅れていた中堅中小企業のICT投資が急速に回復しつつあることや、東名阪のオフィス案件が大幅に伸長したことで売上高は伸長した。ただ、コロナ禍で停止していた顧客接点強化のための活動を再開したことで販管費が想定通り増加し、減益を余儀なくされた。なお、23年7月期通期業績予想は、売上高2300億円(前期比3.7%増)、営業利益64億円(同18.9%減)、純利益45億5000万円(同1.6%増)の従来見通しを据え置いている。
■日産化学 <4021> 6,700円 +100 円 (+1.5%) 11:30現在
日産化学<4021>が反発している。3日付の日本経済新聞朝刊で「半導体向け材料の一種の接着剤に参入する」と報じられたことが好材料視されているようだ。記事によると、半導体製造後工程に照準を合わせ、24年にチップを立体的に積み重ねて高性能にする「3次元実装」用材料の量産を始めるという。同社が後工程向け事業に乗り出すのは初めてであり、24年に3次元実装向けの材料の売上高で10億円程度にするとあることから、業績への貢献が期待されている。
■レーザーテック <6920> 27,120円 +405 円 (+1.5%) 11:30現在
レーザーテック<6920>は3日続伸、売買代金はきょうも全市場を通じて一頭地を抜く状況にある。売買代金は午前10時40分現在で1400億円を超えているが、上場企業では2位につけているファーストリテイリング<9983>の売買代金が360億円あまりに過ぎず、圧倒的な水準であることが分かる。前週末の米国株市場ではNYダウは小幅上昇したものの、半導体関連株が総じて弱い動きでフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落となっていた。東京市場では円高も進んでいることから、同社株を筆頭に半導体主力株への風向きは悪くなっているが、目先筋の売りを吸収してなお上値指向を維持。信用取組は直近公表データで1.02倍と売り買い拮抗、日証金では貸借倍率0.22倍で逆日歩がつく状況にあり、空売り筋の買い戻しによる株価浮揚力が働いている。
■良品計画 <7453> 1,429円 +15 円 (+1.1%) 11:30現在
良品計画<7453>が反発している。前週末2日の取引終了後に発表した11月度の国内売上高で、直営既存店売上高とオンラインストアを合わせた売上高は前年同月比8.0%減と6カ月連続で前年実績を下回ったものの、織り込み済みとの見方が強いようだ。食品はチョコレートなど新商品の投入により、売り上げの回復が見られたほか、衣服・雑貨ではアパレルが堅調だった。一方、靴下などの雑貨が伸び悩んだほか、生活雑貨は低調な売り上げが続いた。なお、直営全店とオンラインストアを合わせた売上高は同4.3%増だった。
■ジャムコ <7408> 1,540円 +12 円 (+0.8%) 11:30現在
ジャムコ<7408>がしっかり。米航空機大手ボーイング<BA>が同社の中型機「787ドリームライナー」を巡り、米ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス<UAL>傘下のユナイテッド航空からの大型受注で合意間近となっていると伝わった。これを受け、前週末2日の米国株式市場でボーイング株は上昇した。航空機向けの内装品を手掛けるジャムコに対しても、業績へのポジティブな効果を期待した買いが入ったようだ。航空機向けのチタン需要が拡大するとの期待感から、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>や東邦チタニウム<5727>も堅調に推移している。報道によると、ボーイングとユナイテッド航空は数十機の購入で、早ければ今月中にも契約を交わす可能性があるという。
■アダストリア <2685> 1,985円 +12 円 (+0.6%) 11:30現在
アダストリア<2685>は4日ぶりに反発している。前週末2日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比2.9%増と9カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。中旬以降は気温が平年を上回る日が多かったものの、ニット類の販売が好調だったほか、自社ECサイト(ドットエスティ)のプロモーションにより、売り上げが伸長した。アイテム別では、毎年人気のニットプルオーバーや、定番のパンツの秋冬向け商品が好調。雑貨ではブーツ、クリスマスツリーが人気だった。なお、全店売上高は同5.0%増だった。
■すかいらーく <3197> 1,574円 +7 円 (+0.5%) 11:30現在
すかいらーくホールディングス<3197>は6日ぶりに反発。前週末2日に発表した11月度のIRレポート(速報値)で、既存店売上高が前年同月比7.6%増と8カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。新型コロナウイルス感染者数の増加と物価高騰の影響で客数が同1.1%減と落ち込んだものの、客単価が同8.8%増と伸長したことが寄与した。なお、全店売上高は同6.3%増だった。
■INPEX <1605> 1,503円 +6 円 (+0.4%) 11:30現在
INPEX<1605>は売り買い交錯も75日移動平均線を下回る水準で推移している。ここリバウンド局面にあった原油市況だが、前週末のWTI原油先物価格は1ドル以上の下げとなり、1バレル=80ドル台を再び割り込んだ。中期的な中国の景気減速や米リセッション懸念などを背景に需要の先細りが予想されるなか、原油市況も需給の緩みが想定され、前週末の米国株市場ではシェブロン<CVX>やエクソンモービル<XOM>などのエネルギー関連株が軟調な値動きとなった。ただ、きょうは時間外で買いが先行し、1バレル80ドル台を巡る攻防で思惑が交錯、INPEXも下値では押し目買いが流入し、底堅さを発揮している。
■川崎重工業 <7012> 2,844円 +11 円 (+0.4%) 11:30現在
川崎重工業<7012>は小じっかり。前週末2日、液化水素サプライチェーンの構築に向け、関西電力<9503>と海上輸送などに関する協業の覚書を締結したと発表しており、これが株価の支えとなったようだ。協業を通じ、液化水素の海上輸送に加え、海外での水素の製造・液化・貯蔵、兵庫県姫路市周辺での輸入した水素の受け入れに関する調査・検討を行うという。
■アクシアル <8255> 3,325円 +5 円 (+0.2%) 11:30現在
アクシアル リテイリング<8255>は7日ぶりに反発。午前10時ごろに発表した11月度の月次業績推移で、既存店売上高が前年同月比2.8%増となり、3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。客単価は同1.5%増、客数は同1.4%増とともに伸長した。なお、全店ベースの売上高は同5.5%増だった。
■ANYCOLOR <5032> 8,900円 -1,620 円 (-15.4%) 11:30現在
ANYCOLOR<5032>が急落している。下落率は15%を超え、株価は1万円を割り込んだ。大株主によるロックアップ(一定期間の売却禁止)期間が4日に終了した。大株主の一部が株式を売却すれば、需給が悪化するとのリスクが改めて意識され、売りが膨らんだようだ。同社は6月8日に東証グロース市場に新規上場した。ロックアップ期間は上場日から180日間で、12月4日までとなっていた。同社株は公開価格1530円のおよそ3.1倍となる初値4810円を形成後、10月27日には上場来高値1万3790円まで上昇した。
■アインホールディングス <9627> 6,110円 -420 円 (-6.4%) 11:30現在 東証プライム 下落率4位
アインホールディングス<9627>が7日続落している。前週末2日取引終了後に発表した23年4月期第2四半期累計(5~10月)の連結決算は、最終利益が前年同期比14.0%増の38億400万円だった。増益での着地となったものの、通期計画に対する進捗率は34%台と低調だったことから、売りが膨らんだようだ。売上高は同11.9%増の1712億400万円だった。ファーマシー事業では店舗数の増加に加え、既存店における処方箋枚数の回復などが寄与し増収増益を確保した。リテール事業については商品構成や出店基準の見直し、コスト適正化などを進め、増収となり、セグメント損益は黒字に転じた。
■Jエスコム <3779> 152円 +50 円 (+49.0%) ストップ高買い気配 11:30現在
ジェイ・エスコムホールディングス<3779>がストップ高カイ気配。前週末2日取引終了後、投資業を手掛けるBSPアセットマネジメント(東京都千代田区)などとの業務提携契約の締結と、資産管理会社のKJCインター(同港区)などへの第三者割当増資による約1億743万円(手取り概算)の資金調達を発表した。これらを材料視した買いが入ったようだ。BSPグループと事業再生案件を中心とした共同投資や共同ファンドの組成などを検討するほか、Jエスコムの投資に対する支援や、同社グループ各社の企業価値向上に向けた支援を受ける。第三者割当増資により資金は、連結子会社のマフィンホールディングスが発行する無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)の一部取得などに投じる予定。
■プロルート丸光 <8256> 107円 +30 円 (+39.0%) ストップ高 11:30現在
プロルート丸光<8256>が急速人気化。衣料品問屋の大手だが業績は低迷している。株価は全体相場にやや手詰まり感が生じるなか、超低位株の一角に短期筋の物色の矛先が向いており、同社株もその流れに乗る形となっている。市場では「11月末に第三者割当による新株予約権付き社債の発行を完了したことを発表している。転換価額の下方修正条項がついたいわゆるMSCBと言われるものだが、それに絡む需給思惑が買いの材料となっているようだ。ただ、売買高が膨らむことが主目的のようにもみえ、一過性の急騰で終わる可能性もある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。
●ストップ高銘柄
プロルート丸光 <8256> 107円 +30 円 (+39.0%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース