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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「V字回復を達成、調整に備える」

株式評論家 富田隆弥

◆日本株の行方のカギを握るNYダウは、10月13日安値の2万8660ドルで反発に転じ、直近高値11月15日の3万3987ドルまでおよそ19%上昇。ビッグイベントの米国中間選挙(8日)も終わり、「米中間選挙後は株高」のアノマリー(経験則)が示唆する如く、11月25日のブラックフライデー(クリスマス商戦の初日)に向けて順調に上昇しているように見える。

◆だが、チャートを見れば、8月16日高値の3万4281ドルから10月の二点底安値2万8660ドルまでの下げ幅を埋める「V字回復」をほぼ果たし、RCI(順位相関指数)は日足(26日線93.2%)、週足(9週線91.6%)ともに高値圏にきている。ならば、そろそろ高値示現を想定しておくべきかも知れない。

◆今年のNYダウは、1月5日の高値(3万6952ドル)から1~2カ月サイクルで3000~5000ドル幅の大きな上げ下げを繰り返している。今回は10月13日の安値から5300ドル上げており、このあと調整に転じるならば同規模の下落になるリスクもある。

◆マーケットは12月13~14日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備理事会)が利上げ幅を「0.5%」に縮小させるか否かに注目している。これまでは利上げピッチの縮小(ピークアウト)を好感するような雰囲気で株価は上昇してきているが、一方で米国景気はインフレ加速と金利上昇を背景に減速感を漂わせている。NYダウには買い疲れ感もあり、クリスマス商戦の不振が表面化するようだと利益確定売りを急ぎかねない。

日経平均株価はスピード調整を挟みながら、11日に2万8329円を付け約2カ月ぶりに2万8000円台を回復するなど、ジリ高基調を継続する。下に控える75日移動平均線(17日時点2万7638円)を維持しているなら12月師走相場への期待が膨らみ、9月高値2万8659円を捉えてもおかしくない。

◆ただし、日本株の上昇にはNYダウの堅調が条件となる。そして、「そろそろ高値示現」の可能性があることも頭に入れて、日経平均株価が75日線を割り込むならば「調整入り」と判断して対応することも考えたい。

(11月17日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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