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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 地政学リスクを警戒しつつ2万8000円を固める動き、米ハイテク株高を背景にNTロング対応


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 28000 -30 (-0.10%)
TOPIX先物 1961.5 -5.5 (-0.27%)
シカゴ日経平均先物 27985 -45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 15日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。10月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇し、伸び率は市場予想の0.4%を下回った。インフレ圧力が緩和し始めている兆候として、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が高まった。これを受けてNYダウの上げ幅は一時450ドルを超えた。その後、ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出たと報じられ、地政学リスクが警戒されて下落に転じる場面も見られたが、ウォルマート<WMT>の予想を上回る決算などが材料視され上昇に転じた。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービス、運輸が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比45円安の2万7985円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万8050円で始まり、その後は2万8000円~2万8050円辺りでこう着。米国市場の取引開始後にリバウンド基調を強め、一時2万8210円まで上げ幅を広げた。ただし、ポーランドへのミサイル着弾報道を受けて地政学リスクが高まるなか、一気に2万7920円と下落に転じ、取引終盤にかけて買い直されたものの、2万8000円と日中比変わらずでナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。PPIの伸びが予想を下回ったことで、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利上げペースを緩めるとの期待は高まったものの、市場ではこれまで0.5%の利上げを織り込む動きを見せており、利益確定の動きも出やすくなっている。さらに、地政学リスクに対する警戒感からポジションを圧縮する動きなども意識されそうである。

 日経225先物はナイトセッションで切り上がる5日移動平均線(2万7940円)を支持線としたトレンドを継続しており、本日も2万8000円を固める動きに向かわせやすい。ボリンジャーバンドの+1σは2万7835円辺りに位置する一方で、+2σは2万8330円辺りで推移している。このレンジ内での値動きにより、オプション権利行使価格の2万7875円~2万8250円でのレンジを想定する。

 ミサイル着弾報道の詳細が明らかになるまでは、積極的にはリスクを取りづらくさせそうだ。VIX指数は24.54に上昇した。一時26.22と25日線水準まで切り上がる場面が見られており、地政学リスクを警戒した動きであろう。緊張が高まる局面では、アルゴリズムの発動によってショートが強まる展開には注意しておきたい。

 一方で、米国ではハイテク株への物色が強まっている。SOX指数は3%を超える上昇で構成銘柄がすべて上昇した。特にアゼンタ<AZTA>が予想を上回る決算が評価され21%超の上昇で指数をけん引したほか、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が運営するバークシャー・ハサウェイが購入したことが明らかになった台湾積体電路製造(TSMC)ADR<TSM>の上昇率は10%を超えた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株への波及とリバランスに伴うショートカバーの動きが引き続き意識されそうだ。

 地政学リスクを警戒しつつヘッジ対応の動きになるが、ヘッジを考慮したNTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)のポジションに向かわせやすいと考えられる。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下し、25日線を挟んだこう着だった。同線を下回り14.20倍辺りに低下する局面では、その後のリバウンドを想定したポジション組成のタイミングとみておきたい。

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