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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):BASE、スズキ、SUMCO

BASE <日足> 「株探」多機能チャートより
■BASE <4477>  307円  +16 円 (+5.5%)  本日終値
 BASE<4477>が急伸。一時、前日比43円(14.8%)高の334円に買われる場面があった。8日の取引終了後、未定としていた22年12月期の連結業績予想を発表し、売上高91億3000万~94億9000万円(前期比8.1%~4.4%減)、営業損益23億円の赤字~21億3000万円の赤字(前期9億7700万円の赤字)を見込むとした。前期に比べて営業赤字幅は拡大するものの、業績悪化を見込んで株価は10月下旬まで下落基調にあっただけに、アク抜け感から買われたようだ。PAY事業の流通総額が、既存加盟店の継続的な成長に加え新規加盟店の増加により大きく増加する見込みである一方で、BASE事業における戦略的なテイクレート(流通総額に対する売上高の比率)の引き下げに伴う売上高が減少する。また、プロダクト開発及びセールス&マーケティングの体制強化に伴う人件費増も響く見通しだ。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高70億9900万円(前年同期比1.1%減)、営業損益11億6700万円の赤字(前年同期4億9000万円の赤字)だった。

■スズキ <7269>  5,296円  +180 円 (+3.5%)  本日終値
 スズキ<7269>が年初来高値を更新。上昇率は一時10%を超えた。8日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。売上高は3兆9000億円から4兆5000億円(前期比26.1%増)、最終利益は1350億円から1900億円(同18.5%増)に見通しを引き上げた。最終利益は減益予想から一転して増益計画となったことなどを好感した買いが集まった。四輪車事業では国内と欧州の販売台数の計画を下方修正した一方、アジアの販売台数の見通しを前期比15.9%増に上方修正。インドの通期販売見通しは同21%増(8月公表時点では同11%増)を見込む。また、これまで45円を計画していた中間配当は5円増配の50円に決定した。一方、46円としてきた期末配当予想は未定に変更した。半導体を含む部品供給不足の影響が不透明なことなどを理由に挙げる。

■SUMCO <3436>  2,022円  +57 円 (+2.9%)  本日終値
 SUMCO<3436>が3連騰と上値追い基調を鮮明とし、2000円大台に歩を進めた。2000円ラインはこれまで上値のフシとして強く意識されており、ここをブレークしたのは6月16日以来約5カ月ぶりとなる。8日取引終了後にこれまで非開示だった22年12月期の業績予想を発表、最終利益は677億円(前期実績は411億2000万円)を見込んでおり、収益急拡大を好感する買いを呼び込んでいる。主力の大口径シリコンウエハーは、データセンター及び車載用半導体の旺盛な需要を背景に大幅な伸びを確保、パソコンやスマートフォンの販売減の影響をこなし、業績押し上げ要因となっている。

■岩谷産業 <8088>  5,670円  +120 円 (+2.2%)  本日終値
 岩谷産業<8088>が続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「2022年4~9月期の連結純利益は前年同期比2割増の120億円程度になったことがわかった」と報じられており、上期として2期連続で最高益を更新したことが好材料視された。記事によると、ジルコンやチタンなどを含むオーストラリアの「ミネラルサンド」採掘事業が資源高を追い風に大幅に増益となったほか、自動車向けの電池材料の販売なども好調だったという。報道に対して会社側では、「当社が発表したものではない。第2四半期連結業績は、概ね報道された内容に近い数値を見込んでいるものの、確定次第、決定し公表する」とコメントしている。なお、決算はきょう発表予定となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,019円  +90 円 (+1.3%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が3日続伸し昨年11月中旬以来1年ぶりに7000円大台を回復した。目先高値警戒感から利益確定売りも観測されるものの、依然として上値指向が強い。市場では新たな自社株買いへの思惑も浮上しており、空売り筋の買い戻しを誘発した。「直近では個人投資家も空売りから入る動きが目立つようになっていた」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘されるなか、足もとで信用取組は売り残と買い残が拮抗、信用倍率1.01倍(前週末申し込み現在)とがっぷり四つの状態だ。更に日証金では大幅な売り長状態で、貸借倍率は0.07倍と貸株が融資の10倍以上に膨らんでいる。株不足に伴い逆日歩も続いている状況にあり、株式需給面から浮揚力が働いている。

■JIG-SAW <3914>  4,605円  +45 円 (+1.0%)  本日終値
 JIG-SAW<3914>が続伸。8日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好材料視された。上限を4万株(発行済み株数の0.60%)、または2億円としており、取得期間は11月21日から12月20日まで。株主還元の強化や資本効率の向上、並びに機動的な資本政策などを実行するためという。

■レーザーテック <6920>  23,380円  +190 円 (+0.8%)  本日終値
 レーザーテック<6920>は全市場を通じて群を抜く商いをこなし3連騰。売買代金は取引開始後30分で1000億円を超えた。ここ日米株式市場で半導体関連株への買い戻しが顕著となっている。前日の米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が2%強の上昇で3日続伸しており、これが東京市場でも同関連株に追い風となっている。特に同社株は直近信用取組が急速にタイト化し、前週末時点の信用倍率が0.9倍と売り長となっている。日証金では貸借倍率0.02倍と圧倒的に貸株が融資を上回っている状況にあり、踏み上げ相場の様相を示している。

■セイコーグループ <8050>  3,260円  +15 円 (+0.5%)  本日終値
 セイコーグループ<8050>が高い。同社は8日取引終了後、23年3月期連結業績予想の上方修正を発表したことが好感された。売上高は2450億円から2570億円(前期比8.3%増)に見直したほか、営業利益は100億円から120億円(同36.8%増)に増額した。円安が寄与したほか、国内外で完成品ウォッチの「グランドセイコー」などグローバルブランドが伸びた。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)の売上高は前年同期比17.7%増の1299億2100万円、営業利益は同2.6倍の88億4700万円だった。アナリストからは、「決算内容はポジティブ」と評価する見方が出ている。

■ジャムコ <7408>  1,501円  -276 円 (-15.5%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 ジャムコ<7408>は急反落。8日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を20億8000万円から27億8000万円(前期31億7400万円の赤字)へ、最終利益を8億7000万円から21億6000万円(同40億8100万円の赤字)へ上方修正したが、株価は好決算期待から10月以降急上昇していただけに、目先の材料出尽くしとみた売りが出たようだ。航空機内装品など製造関連・航空機シートなど製造関連において、ボーイング787型機向けの出荷再開や一部客室改修プログラムが計画より遅れたことなどを受けて、売上高は539億円から498億円(前期比27.4%増)へ下方修正した。一方で、運航機数増加に伴いエアライン向けのスペアパーツ販売が増加していることや為替レートが想定より円安に推移していることなどが利益を押し上げ、業務効率改善による原価低減策の効果も貢献する。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高170億4200万円(前年同期比7.8%減)、営業利益2億8100万円(前年同期5億1100万円の赤字)、最終利益6億5500万円(同4700万円の赤字)だった。

■グローリー <6457>  2,054円  -252 円 (-10.9%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 グローリー<6457>が急落。下落率は10%を超えた。8日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終損益の見通しがこれまでの20億円の黒字から、一転して85億円の赤字に転落する見込みとなったことを受け、失望売りが膨らんだ。前期は65億900万円の黒字だった。半導体などの部品の安定的な調達確保に時間を要しており、主要製品の一部で生産回復に遅れが発生する見通しとなった。部材価格の高騰なども響くという。一方、売上高は円安効果などを見込み、2450億円から2500億円(前期比10.3%増)に見通しを引き上げた。

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