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【特集】「eスポーツ関連株」人気再来へ、ウェルプレイド上場に熱気高まる <株探トップ特集>

eスポーツ関連株に対する関心が高まり始めている。eスポーツ専業会社ウェルプレイド・ライゼストの上場を機に、今後テーマ物色の流れがますます強まることになりそうだ。

―異業種参入も活発化し市場は急拡大、イベントの裾野も一段と広がる―

 株式市場で、 eスポーツへの関心が改めて高まることになりそうだ。その火付け役になると期待されているのが、11月30日に予定されているウェルプレイド・ライゼスト <9565> [東証G]の上場だ。同社はeスポーツ専業会社で、イベントの企画・運営をはじめ関連する事業を幅広く展開している。eスポーツ分野を本業とする企業のIPOは初めてで、ANYCOLOR <5032> [東証G]が今夏にVチューバー企業初の上場を果たしたことでVチューバー関連に位置づけられる銘柄群に光が当たったケースと同様に、今後eスポーツ関連株が注目を浴びる可能性がある。関連銘柄の動向を探った。

●「プロスピAリーグ」話題に、Jフロントなど大手の取り組み続々

 まずは、ここ最近話題にのぼったeスポーツイベントを押さえておこう。10月に栃木県で開かれた国民体育大会(国体)では、文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が開催。2019年茨城国体での初開催から今年で4回目となった。直近11月5日にはプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALLプロスピAリーグ」が開幕した。同イベントはコナミグループ <9766> [東証P]が手掛けるモバイルゲーム「プロ野球スピリッツA」を使用したもので、コナミG傘下のコナミデジタルエンタテインメントと日本野球機構(NPB)が共催している。12月17日までの日程で熱戦が繰り広げられることになる。

 関連イベントが盛り上がりをみせるなか、eスポーツ拡大の流れを捉えるべく大手を中心に企業の取り組みは活発化している。ソニーグループ <6758> [東証P]はゲーミング機器の新ブランド「INZONE(インゾーン)」を今夏に立ち上げたほか、eスポーツのイベント開催や関連企業の買収など動きを積極化させている。前述のコナミGは東京・有明に研究開発拠点を建設することを10月に発表。複合施設として、eスポーツをはじめとするイベントの生放送や動画配信に対応したスタジオやショップなどを設置する計画だ。

 異業種の動きでは、J.フロント リテイリング <3086> [東証P]に直近耳目が集まった。同社は10月27日、eスポーツチームを運営するXENOZ(ゼノス)を子会社化し、eスポーツ事業に本格参入することを明らかにした。パルコや百貨店など既存事業との連携を図り、リアルとデジタルを融合したビジネス展開を進めていく狙いだ。eスポーツ参入を巡っては今年に入り、楽天グループ <4755> [東証P]や南海電気鉄道 <9044> [東証P]、BEENOS <3328> [東証P]などが名乗りを上げている。

●カヤック、関連有力株として物色人気に

 カヤック <3904> [東証G]はネット広告制作やゲーム受託開発を主力とし、次なる成長領域としてeスポーツ分野に傾注。前述のウェルプレイの親会社ということもあり、ここマーケットではeスポーツ関連有力株として物色人気が加速している。直近ではeスポーツ大会支援ツールを開発するPapillon(パピヨン)を買収したほか、8月にはeスポーツスクール運営企業を子会社化している。業績は絶好調で、1-6月期決算は40%増収・最終22%増益で着地。通期も大幅増収増益の見込みで、前期に続き過去最高業績を更新する見通しにある。次回の決算発表予定日は14日。

●ブロメディア、ソルクシーズなど幅広い関連銘柄

 ブロードメディア <4347> [東証S]はネット技術に強みを持つ放送メディア企業。教育事業も手掛けており、運営する通信制高校でeスポーツコースを提供している。また、傘下のブロードメディアeスポーツでプロeスポーツチームの運営や関連イベントの企画・運営を行っており、eスポーツ関連株として注目しておきたい。

 ソルクシーズ <4284> [東証P]は金融向けシステム開発を主力とするシステムインテグレーター。今年7月に、eスポーツ専門の人材紹介サービスやeスポーツ選手のマネジメントなどを行う新会社「eek」を設立した。eスポーツ専攻がある専門学校と提携するなど取り組みを進めており、今後の展開が期待される。次回の決算発表予定日は11日。

 GameWith <6552> [東証S]はスマートフォンゲーム攻略記事サイトの運営を柱に、eスポーツ分野に展開。eスポーツの強豪チームを持つほか、丸紅系のアルテリア・ネットワークス <4423> [東証P]と提携してeスポーツに特化した光回線事業も手掛けている。足もと6-8月期業績は先行投資で減益を余儀なくされたものの、増収基調は維持している。

 関連銘柄としてはこのほか、ゲーミング機器を手掛けるMCJ <6670> [東証S]、エレコム <6750> [東証P]、ゲーム用マウスに使われる電子部品「マイクロスイッチ」を製造するオムロン <6645> [東証P]など。傘下でeスポーツ専門校「総合学園ヒューマンアカデミーe-Sportsカレッジ」を運営するヒューマンホールディングス <2415> [東証S]、eスポーツ施設「TZ GAME Labs(ティーゼットゲームラボ)」を手掛ける鉄人化計画 <2404> [東証S]、eスポーツ大会プラットフォーム「Adictor(アディクター)」を提供するログリー <6579> [東証G]にも注目。このほか、ウェルプレイと提携しているクリーク・アンド・リバー社 <4763> [東証P]、テー・オー・ダブリュー <4767> [東証P]をマークしておきたい。

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