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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日本製鉄、花王、サイバー

日本製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■大和工業 <5444>  4,705円  +155 円 (+3.4%)  本日終値
 大和工業<5444>は大幅続伸。同社は独立系電炉大手。10月31日に発表した4~9月期決算は、売上高が前年同期比40.0%増の947億7300万円、純利益が同2.6倍の378億7500万円だった。世界的な資源価格の高騰や中国のゼロコロナ政策などによる影響があったものの、米国や日本を中心に鋼材需給の引き締まった状態が続いたことで好調に推移した。米国の持ち分法投資利益の計上も寄与した。あわせて年間配当の増額も発表し、200円から300円(前期160円)に引き上げた。31日場中に開示されたこれら発表内容を受け、当日は利益確定売りに押される展開となったが、翌11月1日は好業績を評価する動きが強まり同社株は大幅高。きょうもこの流れが続いている。

■寿スピリッツ <2222>  7,840円  +230 円 (+3.0%)  本日終値
 寿スピリッツ<2222>は反発。1日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を420億円から429億2000万円(前期比33.3%増)へ、営業利益を51億6000万円から61億4000万円(同4.4倍)へ、純利益を34億円から41億7500万円(同2.2倍)へ上方修正しており、これが好感された。上期において、3年ぶりに行動制限がなく人流が総じて回復基調で推移したことにより、業績が想定を上回って進捗していることが要因。なお、第2四半期累計(4~9月)業績は、売上高200億9900万円(前年同期比68.1%増)、営業損益28億3000万円の黒字(前年同期14億1800万円の赤字)、最終損益19億9400万円の黒字(同2億8200万円の赤字)だった。

■日本製鉄 <5401>  2,132.5円  +52.5 円 (+2.5%)  本日終値
 日本製鉄<5401>を筆頭に合同製鐵<5410>、大和工業<5444>、日本冶金工業<5480>など鉄鋼株の一角が買われた。日本製鉄は1日取引終了後、23年3月期の最終利益について従来予想の6000億円から6700億円(前期比5.1%増)に増額しており、一転増益見通しとなることが好感された形だが、この流れが鉄鋼セクター全体に広がっている。市場では「日本製鉄に限らず、鉄鋼業界は製品値上げ効果や収益構造の改善効果が反映されている。また、これまで世界景気の失速懸念を背景に鉄鋼株は思惑先行で売り込まれた反動が出ている。株価指標面では売られ過ぎを示唆していた」(中堅証券ストラテジスト)とする。日本製鉄の場合、PERは3倍前後、PBR0.5倍台と水準訂正余地の大きさを示唆している。

■関西電力 <9503>  1,126円  +17 円 (+1.5%)  本日終値
 関西電力<9503>が反発。電力株が総じて下落するなか、逆行高となっている。1日取引終了後、高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)について、6日に定期検査の最終段階となる調整運転を開始する予定だと発表。これを材料視した買いが入った。同原発4号機は10月21日に「加圧器逃がし弁」の出口温度の上昇を確認し、同日に予定していた原子炉の起動を延期した。その後対策を講じ、諸試験など実施した結果、運転再開の見通しがたったという。12月1日に総合負荷性能検査を実施し、本格運転を再開する予定としている。

■高島屋 <8233>  1,855円  +12 円 (+0.7%)  本日終値
 高島屋<8233>が堅調。1日取引終了後、10月度の国内百貨店の売上高速報を発表した。店頭売上高は前年同月比14.2%増。免税売上高は同3.6倍となった。同月11日、新型コロナウイルス感染対策を目的に導入された訪日外国人客に対する入国時の規制が緩和された。月次の売上高の伸びを評価した買いが集まったようだ。10月の銀座本店売上高が同36.4%増となった松屋<8237>や、同月の百貨店事業売上高が同20.1%増となったエイチ・ツー・オー リテイリング<8242>も高い。

■セントラル硝子 <4044>  3,490円  +20 円 (+0.6%)  本日終値
 セントラル硝子<4044>は反発。1日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。これを好感した買いが入ったようだ。同社は最終利益の見通しを250億円から290億円に上方修正した。前期は398億4400万円の最終赤字だった。売上高予想は1600億円から1680億円(前期比18.5%減)に引き上げた。エアコンなどに用いられる既存冷媒の代替として活用されるノンフロンの「ハイドロフルオロオレフィン」製品や医薬関連製品などで、円安進行に伴い輸出価格が上昇した。リチウムイオン電池向け電解液製品の価格改定なども寄与する見込みという。4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比20.2%減の782億6800万円、最終利益が同5.7倍の168億6300万円だった。

■エス・エム・エス <2175>  3,495円  +15 円 (+0.4%)  本日終値
 エス・エム・エス<2175>が4日続伸。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断「A」と目標株価4100円を継続した。同社は高齢社会に関わる介護や医療などの分野を事業領域としているインターネット関連企業。第2四半期(4~9月)の連結業績は売上高が前年同期比17.1%増の233億3400万円、営業利益は同25.2%増の46億900万円と順調だった。リオープン(経済活動の再開)を背景に介護職や看護職の人材紹介サービスの拡大が続いており、23年3月期の売上高は前期比18.4%増の460億6300万円、営業利益は同14.6%増の72億3800万円と19期連続増収増益が見込まれている。介護事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」やアジア・オセアニアで運営する海外事業の拡大も続き中期的な成長が期待できる、とみている。

■塩野義製薬 <4507>  6,695円  +5 円 (+0.1%)  本日終値
 塩野義製薬<4507>は小幅高。1日取引終了後、日本経済新聞電子版が「塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの治療薬『ゾコーバ』について、厚生労働省は11月下旬にも緊急承認の可否を専門家らの審議会で再審議する方向で調整に入った」と報じた。これを手掛かり材料に、朝方は短期資金の流入で上昇スタートとなったものの、戻り待ちの売りで下げに転じる場面もあった。厚労省の専門家分科会は7月、ゾコーバの緊急承認を見送り、継続審議としていた。

■花王 <4452>  5,114円  -488 円 (-8.7%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 花王<4452>が4日ぶりに反落し、大幅安となった。同社は1日取引終了後、22年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比29.4%減の769億1700万円となり、通期計画の1450億円に対する進捗率が53.0%にとどまったことが嫌気されたようだ。衣料用洗剤を中心に戦略的な値上げを実施したことなどから売上高は同10.5%増の1兆1277億1000万円となったが、原材料価格の高騰が利益面に影響した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。

■サイバーエージェント <4751>  1,121円  -104 円 (-8.5%)  本日終値  東証プライム 下落率4位
 サイバーエージェント<4751>が急落。株価は一時、前日に比べて7%超安に売られ年初来安値を更新した。1日の取引終了後、400億円のユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行すると発表しており、CBの株式転換による1株当たり利益の希薄化を懸念する売りが出ている。同債は満期償還日が2029年11月の7年債。転換価格は前日終値を23.02%上回る1507円で決まった。潜在株式による希薄化率は5.25%となる。調達資金は、23年に満期を迎えるユーロ円CBの償還資金や、「ABEMA」やその周辺事業を中心としたメディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業などの事業拡大に伴う運転資金、投融資、M&Aなどに充てる予定だ。

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