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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 アマゾン下落が重荷も、利上げペース鈍化を見込みリバランスの動きは継続


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27050 -250 (-0.91%)
TOPIX先物 1888.5 -15.5 (-0.81%)
シカゴ日経平均先物 27075 -225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500ナスダックは下落。7-9月の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率2.6%増と3四半期ぶりにプラス成長となったことが材料視され、景気敏感株が買われたほか、市場予想を上回る決算を発表したキャタピラー<CAT>が8%近い上昇となり、NYダウを押し上げた。また、個人消費支出(PCE)は予想を上回ったものの、前四半期と比べ伸びが鈍化したことから、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ鈍化を意識させたことも相場を支えた。一方で、ハイテク株は売られた。売上高見通しが市場予想を下回ったメタプラットフォームズ<META>が25%近く下落したことで他のハイテク株へ売りが波及する格好となった。S&P500業種別指数は資本財、各種金融、消費者サービスが上昇した半面、メディア、テクノロジー・ハード・機器、小売が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比225円安の2万7075円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の2万7250円で始まり、2万7250円~2万7300円辺りでこう着。米国市場の取引開始後に2万7360円まで買われ、プラスに転じる場面も見られた。ただし、同水準に位置する75日移動平均線を捉えることができず、その後は終盤にかけて下落幅を広げ、一時2万6930円と2万7000円を下回る場面もあった。取引終了間際にやや買い戻しが入り、2万7050円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、売り優勢の展開が見込まれる。メタプラットフォームズ下落の影響は前日の時間外取引で織り込まれているだろうが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が、10-12月期の見通しが市場予想に届かず、時間外取引で急落しているため、相次ぐ大型テック株の予想を下回る決算を受けた急落が相場の重荷となりそうだ。

 一方で、キャタピラーなど、市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われるなど、地合いはそれほど悪くないだろう。FRBが利上げペースを緩めるとの見方から11月の米公開市場委員会(FOMC)での議論、パウエルFRB議長発言に関心が集まるなか、積極的にはショートを仕掛けてくる動きにはならないとみられる。また、VIX指数は27.39に上昇したが、0.11高と小幅な上昇にとどまっており、一時26.94まで低下する場面もあった。VIX指数の低下傾向が継続するなか、ショート筋はリバランスに伴う買い戻しの動きを継続させよう。

 日経225先物は大型テック株の下落影響から売り優勢となるものの、節目の2万7000円を挟んだ底堅さが意識されよう。同水準を下放れる動きを見せてきたとしても、押し目狙いでのロングで対応したいところだ。そのため、オプション権利行使価格の2万6875円~2万7250円辺りのレンジを想定。2万7000円水準での底堅さが確認されるようであれば、75日線が位置する2万7375円の権利行使価格水準にレンジを切り上げたい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に上昇した。メタプラットフォームズが時間外で大きく売られ、グローベックスのナスダック100先物が弱い値動きのなかでも、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの上昇が見られ、日経平均型優位の展開だった。本日は朝方こそ値がさハイテク株の下げが重荷となる可能性はありそうだが、FOMCを控えたリバランスの動きが継続するなか、75日線が位置する14.28倍辺りまで低下する局面では、その後の切り返しを想定したNTロングのポジション組成を考えておきたい。

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