【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):山パン、キヤノンMJ、郵船
山パン <日足> 「株探」多機能チャートより
山崎製パン<2212>が急反落。25日取引終了後に発表した22年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算は、売上高が7921億2800万円(収益認識に関する会計基準の適用で前年同期比増減率なし)、営業利益は前年同期比17.0%増の160億2500万円、最終利益は同27.3%増の99億4600万円だった。大幅増益となったものの、営業利益の通期計画に対する進捗率は66.8%と低調だった。原材料となる小麦価格の上昇を受け、同社は7月出荷分からパン類の再値上げに踏み切ったものの、営業利益面で値上げ効果が期待ほど表れていないとの受け止めが多く、来期の業績を警戒した売りが膨らんだようだ。なお、同社は通期の業績予想と配当予想は据え置いた。
■キヤノンMJ <8060> 3,050円 -155 円 (-4.8%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
キヤノンマーケティングジャパン<8060>は3日ぶりに反落。25日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を5900億円から5920億円(前期比7.2%増)へ、営業利益を460億円から480億円(同20.9%増)へ、純利益を320億円から340億円(同15.6%増)へ上方修正し、40円としていた期末配当予想を45円に引き上げると発表したが、材料出尽くし感から売られたようだ。EOS Rシステム搭載のミラーレスカメラや交換レンズの販売が拡大しているほか、金融業向けSI案件など付加価値の高いITソリューションなどが好調に推移していることが要因としている。なお、年間配当予想は85円となり、前期実績に対しては10円の増配となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高4280億7900万円(前年同期比7.5%増)、営業利益378億5300万円(同42.0%増)、純利益266億7000万円(同31.5%増)だった。
■日本郵船 <9101> 2,783円 -77 円 (-2.7%) 本日終値
日本郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手海運3社が安い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、海運3社の各レーティングを「ニュートラル」から「アンダーウエイト」に引き下げた。目標株価は郵船が4333円から2400円、商船三井が4500円から2600円、川崎汽は3767円から2200円に見直した。23年3月期の下期の中国コンテナ船運賃指数(CCFI)の前提は2000ドル/TEUとしていたが、今回これを1700ドル/TEUと想定した。これに伴い、郵船の場合、23年3月期の連結経常利益予想を1兆1243億円から1兆500億円(会社計画1兆400億円)に下方修正した。また、24年3月期のコンテナ船運賃はコロナ禍前の19年3月期に近い水準まで低下すると考え、同期の経常利益予想を3570億円から2558億円に減額した。同証券では同社の23年3月期の配当は478円、24年3月期は同120円と見込んでいる。
■三井ハイテック <6966> 7,610円 -170 円 (-2.2%) 本日終値
三井ハイテック<6966>は軟調。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、三井ハイテクの目標株価を1万3000円から1万1000円に引き下げた。業績予想の前提となる為替レートについて、同証券は23年1月期第3四半期(8~10月)以降、1ドル140円(従来は120円、会社側は126円に設定)に変更し、今期の1株利益(EPS)予想を引き上げた一方、株価収益率(PER)の予想を16.8倍から14.2倍に引き下げた。24年1月期に関しては、「電子部品部門の調整で全社業績は伸び悩む」とみる一方、25年1月期以降は再び成長が加速すると想定する。レーティングは「Buy」を継続した。
■日本電産 <6594> 8,231円 -130 円 (-1.6%) 本日終値
日本電産<6594>が4日ぶりに反落。24日取引終了後に発表した決算が好感され、25日の株価は急伸していただけに利益確定売りに押された。ただ、アナリストからは同社株の評価に前向きな見方が出ており、再評価機運が出ている。岩井コスモ証券は25日、投資判断「B+」を継続した。目標株価は9000円(従来1万150円)とした。円安効果が追い風となり、第2四半期(4~9月)の業績は売上高や営業利益、純利益ともに同期として過去最高を記録。車載事業も電気自動車(EV)の駆動装置「イーアクスル」の売り上げ増などが寄与し3四半期ぶりに黒字となった。経営面での混乱も沈静化に向かっており、下落基調にあった株価は反発が期待できるとみている。
■パイオラックス <5988> 1,834円 -28 円 (-1.5%) 本日終値
パイオラックス<5988>が後場マイナスに転じた。午後1時ごろ、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が300億円から277億円(前年同期比1.1%減)へ、営業利益が24億円から16億円(同46.6%減)へ、純利益が20億7000万円から14億円(同44.6%減)へ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気された。新型コロナウイルス感染症による上海ロックダウンの影響に加えて、世界的な半導体需要のひっ迫により得意先の自動車メーカー各社の減産が顕著となったことが要因。また、材料の供給問題・価格高騰や輸送コストの増加、円安やウクライナ問題に端を発した電力料などのエネルギーコストの上昇なども利益を圧迫したという。
■エンプラス <6961> 4,125円 -40 円 (-1.0%) 本日終値
エンプラス<6961>が反落。25日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を375億円から430億円(前期比30.7%増)へ、営業利益を65億円から84億円(同2.3倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各25円の年50円(前期47円50銭)としていた配当予想を各30円の年60円とし、これを受けて朝高で始まったものの、徐々に利益確定売りに押される展開となった。セミコンダクター事業で、パソコンやスマートフォンなどハイテク製品の需要減少による半導体需要の調整という懸念はあるものの、注力しているサーバーや自動車用途の需要は今後も増加傾向が続く見通しであるという。また、ライフサイエンス事業も遺伝子検査市場の拡大に合わせて、新規顧客開拓や新製品の開発に注力することで売り上げが堅調に推移する見込みであることや、為替市場で円安傾向が継続していることも寄与する。なお、純利益予想は46億円(前期比81.9%増)の従来見通しを据え置いている。
■横河ブHD <5911> 1,975円 -8 円 (-0.4%) 本日終値
横河ブリッジホールディングス<5911>が冴えない動き。25日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、営業利益が従来予想の60億円から39億円(前年同期比36.7%減)へ、純利益が48億円から34億円(同31.0%減)へ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気された。橋梁事業の受注は新設橋梁を中心に好調で過去最高水準で推移していることや、システム建築事業の受注、売り上げが確実に回復していることから、売上高は754億円から759億円(同22.7%増)へ上振れたもよう。ただ、それに伴い工事損失引当金が増加傾向にあることや、橋梁事業の施工中の工事で設計変更などの上振れ要因が少ない状況が続き利益が伸び悩んだことから利益は計画を下振れ、鋼材価格などの高騰も響いた。
■テセック <6337> 2,120円 +362 円 (+20.6%) 一時ストップ高 本日終値
テセック<6337>は買い人気が集中。半導体製造装置関連メーカーで、ハンドラ(選別装置)や個別半導体用テスターなどで高い商品競争力を誇る。パワー半導体向けの需要が高水準で足もとの業績は会社側想定を上回り絶好調に推移している。25日取引終了後に23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の18億円から23億7000万円(前期比36%増)に大幅増額となった。これがポジティブサプライズとなり、投資資金を呼び込んでいる。また、好業績を背景に株主還元も強化し年間配当を従来計画から30円増額の100円に修正、配当利回りは5%台まで跳ね上がっており、これも投資資金の攻勢を加速させる背景となっている。
●ストップ高銘柄
なし
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース