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【市況】S&P500 月例レポート ― 金利上昇・高インフレの現実に屈した市場 (2) ―


●利回り、金利、コモディティ

 ○米国10年国債利回りは8月末の3.17%から3.81%に上昇して月末を迎えました(2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは8月末の3.28%から3.77%に上昇して取引を終えました(同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

 ○英ポンドは8月末の1ポンド=1.1621ドルから1.1149ドルに下落し(同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは8月末の1ユーロ=1.0052ドルから0.9807ドルに下落しました(同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は8月末の1ドル=138.98円から144.78円に下落し(同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は8月末の1ドル=6.8904元から7.1160元に下落しました(同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。

  ⇒ドル高基調は続き、対英ポンドでの最高値を更新しました(1ポンド=1.0349ドル)。ユーロは8月に対ドルでパリティを割り込みましたが、引き続きパリティを下回って推移し1ユーロ=0.9556ドルまで売られました。

 ○9月末の原油価格は、8月末の1バレル=88.87ドルから同79.73ドルに下落し(今年に入ってから一時同130.50ドルまで上昇)、年初来の上昇率は5.7%(2021年末は同75.40ドル)となりました。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は年初来で13.5%上昇しました(9月末は1ガロン=3.832ドル、8月末は同3.938ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は64.7%上昇し(2020年末は同48.42ドル)、ガソリン価格は64.5%上昇しました(2020年末は同2.330ドル)。

  ⇒EIAは2021年のガソリン価格の内訳について、53.6%が原油、16.4%が連邦税および州税、15.6%が販売・マーケティング費、そして14.4%が精製コストと利益だと説明しています。

 ○金価格は8月末の1トロイオンス=1722.40ドルから下落して1670.40ドルで月の取引を終えました(2021年末は1829.80ドル、2020年末は1901.60ドル、2019年末は1520.00ドル、2018年末は1284.70ドル、2017年末は1305.00ドル)。

 ○VIX恐怖指数は8月末の25.87から31.62に上昇して月を終えました。月中の最高は34.88、最低は22.64でした(2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12、2017年末は11.05)。

  ⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。

  ⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。

●石油とガス

 ○ロシアは欧州向けのガスパイプライン「ノルドストリーム」を、メンテナンスを理由に閉鎖しましたが、実際には欧州のウクライナへの支持を制限するための威嚇射撃だというのが大方の見方です。ロシアはそれまで、ノルドストリームの稼働率を20%に引き下げていました(現在も状況は変わっていません)。

●新型コロナウイルスに加えて今度はサル痘も

 ○サル痘の感染拡大は続いていますが、感染のペースは引き続き鈍化しており、感染拡大に対する懸念も和らいでいます。米疾病対策センター(CDC)によると、現時点で米国内では2万5613人の感染が確認されています(8月時点では1万8417人)。世界全体の感染者数は106ヵ国(同99ヵ国)で6万8017人(同4万9974人)に達しています。

 ○CDCは「BA.4」や「BA.5」といったオミクロン派生型にも対応する新たな新型コロナウイルスワクチンを承認し、9月下旬に接種が開始されました(筆者も接種しました)。

 ○新型コロナウイルス関連データ:

  ⇒新型コロナウイルスによる世界全体の累計死者数は、654万人となりました(8月末時点は648万人)。

  ⇒米国は現時点で:

  ⇒新型コロナウイルスの累計感染者数は9630万人となりました(同9400万人)。

  ⇒新型コロナウイルスによる累計死者数は106万人となりました(同104万1000人)。

  ⇒新規感染者数の7日間平均は9月末時点で4万8806人となり、8月末時点の9万428人から減少しました。新規感染者数の7日間平均は2022年1月11日に141万7493人に達しました(2021年11月末時点は8万3120人)。また、死者数の7日間平均は404人に減少しました(8月末時点は473人)。

※「金利上昇・高インフレの現実に屈した市場 (3)」へ続く

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